僕の話ばかりでは、みなさんの五島観に偏りが出てしまうので
他の人に五島のことを書いてもらいました。
つい先日、僕と同じ職場に配属になった
新人コピーライター、三島邦彦くんです。
長崎市出身ですが、おばあちゃんが五島・福江島の人という逸材です。
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そんな祭り、本当はないのかもしれません。
実際に見たことがないので、
心のどこかでその暴力的に理不尽な祭りの存在を
信じていない自分がいます。
ただ、毎年一月の大寒の頃、
長崎にはその祭りのニュースが流れるのです。
祭りの名前は「ヘトマト」。
長崎県の五島に伝わる、日本三大奇祭の一つです。
あとの二つは知りません。
へトマトという名前の由来に定説はなく、
トマトは全く関係ないということがわかっているだけです。
では、へトマトを紹介した新聞記事を引用します。
「大草履に女性乗せ 五島で奇祭へトマト
雨の中、体にすすを塗り付けた締め込み姿の男たちは、
大草履を担いで練り歩き、沿道の若い女性を次々に乗せては揺すり、
気勢を上げた」(長崎新聞2007年1月17日)
これが、ヘトマトです。
この、文字にしたときの力強さ、悔しいですが、たまりません。
毎年、1月16日頃に開かれるようですので、お祭り好きの方、
大草履に乗せられたい未婚の女性は、
だまされたと思って行ってみてはいかがでしょうか。
たぶん、本当にある祭りです。(三島邦彦)
奇祭、ヘトマト。
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「五島のはなし」を始めたはいいですが、
当初から感じている不安がふくれあがり爆発しそうです。
つまり、読む人は「結局お国自慢でしょ」と感じるだろうなあ、ということです。
いや、そう思ってなかったらうれしいですけど、
そう思うだろうなあと僕が感じる限り、
だれかが少しはそう思ってるものなんです。
(つらいですよね、日々生きていくのって)
そう思う方の、そういう気持ちに対して、
僕が言えるたったひとつの言葉は「大目に見て」です。
正直、この文章のことだけではありません。
上司、同僚、友人、家族、お得意さま、すれ違う人、
世の中の僕にかかわるすべての人に言いたいです。大目に見て、と。
タグ: 五島の話
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「読んでだら、すごく行きたくなったよ」という多数の声にお応えして
(ほんとはそんな声ないですうそついてすみません)、
今日は「五島(福江島)への行き方」をご紹介します。
ラクなのは飛行機。羽田→福岡経由→五島福江空港
もしくは羽田→長崎経由→五島福江空港で、
乗継がよければ羽田からたった2時間半。ぎりぎり通勤圏です。
五島福江空港は、前回お伝えした鬼岳のすぐ脇です。
長崎港からの高速船もあります。ジェットフォイルといいます。これが約80分。
ゆっくり行くならフェリーで、こちらは長崎港から4時間くらい。
いちばんのオススメは、福岡の博多港から出ている深夜フェリー「太古」。
夜中の12時に博多を出て、五島の島々に立ち寄り、
終点の福江港に着くのは朝の9時。
長旅ですが、ベッドもありますし、
なんといっても飛行機の3分の1・・・くらいだったかな?の料金。
夜明けごろに甲板に出ると、
うっすらと島々が見えて「帰ってきたー」って感じで、
帰ってきたーと思うのは出身者だけだろって感じですが、
そうじゃない人にも、超思い切って書きますが「心の故郷に帰ってきたー」って感じで、
とにかく見ごたえがあります。
タグ: 五島の話
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「で、五島の福江島には、何があんの?」という質問にいくつか
答えを用意するとしたら、その4番目くらいに出てくるのが
鬼岳(おにだけ)です。
福江の市街地からあまり遠くなく、あまり高くなく、
あまり木も生えていない山です。
名前から察するに、鬼が住んでいるのでしょう。
小1から高3まで、年に1~3回、
遠足はずーーーーーーーーーっと鬼岳でした。
なのにまわりで「え~もうあそこはいいよ~」という声を聞いたことがありません。
恐るべし、鬼の魔力。
さらにこの山は、遠足の次の日ふもとの町(福江)に
雨を降らせるとして、とても限られた人の間で有名でした。
それが鬼ではなく子どもの仕業だと聞いたのは私が小6のころ。
いわく、遠足で山に登った大勢の子どもが、そこら中におしっこをする。
おしっこはやがて大量の水蒸気となり、山の上に雲をつくり、雨を降らせるのだと。
何年か前ひさびさに鬼岳に登ったら
きれいに整備され、天文台までできていました。
もうそこらへんにおしっこする子どももいないのでしょう。
鬼岳から見下ろすと海がきらきら~っとしてて、
それを見るのを楽しみにしている人が多いですが、
わたしは逆に海からこの山ののぺ~っとした姿を見上げるのが好きです。
タグ: 中村直史, 五島の話
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五島の福江島には
「日本一美しいと言われる、と言われる砂浜」があります。
なぜこんなまどろっこしいかというと、
「日本一美しいと言われる」といろんなところに書かれてますが、
実際に「日本一美しい」と言ってる人にも文にも
出会ったことがないからです。そうすると、私としては
「日本一美しいと言われる、と言われる砂浜」になります。
ちなみにヤフーで「日本一美しいと言われる砂浜」と
検索してみたら、真っ先にヒットしました。
名前は高浜海水浴場。
たしかにきれいです。
ぜひ冬の夕暮れに、恋人と別れ傷いた心で一人このビーチに
立ってみてください。世の中の理不尽な美しさに圧倒されると思います。
(恋人と一緒に、理不尽じゃない美しさに浸るのもアリです)
「日本の海水浴場55選」と「日本の渚100選」にも選ばれています。
・・・しかし「日本の〇〇選」って誰が決めてるんでしょう?国かなあ。
環境庁の人たちが日本中のビーチを巡って
「ねーここ、渚100選に入れてもよくない?」なんて
ワイワイやってるとしたら、何ともうらやましい仕事です。
高浜海水浴場
タグ: 五島の話
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昨日深夜の帰り道、うんこを踏みました。
つかれきった精神状態でうんこを踏むのはつらいものがあります。
そういうときは、幼いころ兄に言われた言葉を思い出します。
「うんこを踏んでもいいように、俺たちはクツをはいているんだ」
この言葉にいままで何度救われたことか。名言です。
ありがとう、兄ちゃん。
さて、五島列島には大きく5つの島がありますが
(無人島から海に突き出た岩礁みたいなのもあわせると
144あるのだそうです)、そのひとつに奈留(なる)島があります。
奈留島にはいま奈留高校という高校がありますが、
かつては福江島(私の出身地です)にある
五島高校(私の出身校です)の分校でした。
分校だったので、五島高校の校歌はなじみが薄く、
ならばオリジナルの校歌を、と思い立った女子生徒がいました。
(あ、ちなみにこれ、いまから35年位前の話です)
その女子生徒は、とあるラジオの深夜番組に投稿、
当時人気があった番組のパーソナリティに校歌の制作を依頼しました。
依頼を引き受けたパーソナリティは、島に思いをはせ、ひとつの曲をプレゼントします。
「瞳を閉じて」
風がやんだら 沖まで船を出そう
手紙を入れた ガラスびんをもって
遠いところへ行った友達に
潮騒の音がもう一度届くように
今海に流そう
霧が晴れたら 小高い丘に立とう
名もない島が 見えるかもしれない
小さな子どもにたずねられたら
海の碧さをもう一度伝えるために
今瞳を閉じて
今瞳を閉じて
作詞、作曲、荒井由美。
フォークソングだからという理由で校歌にはならなかったそうですが、
いまも奈留高校の愛唱歌として歌い継がれています。
高校の前には、ユーミン直筆の歌碑もあります。
歌碑の除幕式のため、初めて奈留を訪れたユーミンは
自分の思い描いていた景色がそのままあることに驚き、泣き出してしまったそうです。
とってもいい曲です。知ってる人も多いと思いますが、一度聴いてみてください。
タグ: 五島の話
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磯男(いそおとこ)のことは、けっこう小さいときから聞いていたのですが
本当にいるかどうか半信半疑でした。
変わった人が多かった五島でも、海岸の磯にひとり住んでいるという
磯男の話はなんとなく信じられなかったんです。
だって、まず名前が民話っぽくて。
そんなある日、仲のいい友人と
あぶんぜ(溶岩でできた海岸の名前)にカニ釣りに行きました。
しばらく没頭していたのですが、あるとき友人が「ほら!」と指差す。
見れば、岩陰から乱れた長髪の裸の男が現れ、
ごつごつした溶岩の上をすべるように駆けていく。
明らかに一般人(この表現が正しいかどうかわからないが)ではない。
おおっ!ホントにいるんだ!磯男さん!
その生き方は(いや、正直、生き方なんてなんも知らないですけど、想像で)、
現代社会へのアンチテーゼのようでもあり、めっちゃワイルドで、かっこよくって、
もう見た瞬間から、さんづけでした。
砂浜がきれいとか、教会がたくさんとか、魚がうまいとか、
五島を紹介する言葉はいろいろあるのですが、
「磯男がいる」、これだけで十分と思っています。
タグ: 五島の話
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厚焼玉子さんに「もちろん毎日書くのよね」とプレッシャーをかけられた。
が、そんなにネタ満載の島ではないのが、五島という島の悩みである。
とかく中途半端なのである。
沖縄のような暖かさはない。屋久島のような大自然って感じでもない。
リゾートでもない。とっても遠くはないが、気軽に行ける近さでもない。
そりゃ、みなさん別の島に行くでしょう、と思ってしまう。
一時期、自分の性格の中途半端さ(熱しやすく冷めやすい、コツコツがんばれない)は、
島人のDNAに息づくものではないかと考えた。
根拠もある。
かつて、五島は遣唐使が大陸に渡る際の最後の寄港地であった。
逆に大陸からきた船にとっては、最初の日本領土である。
都で「唐に行きたい人っ!」という問いかけに「行きます行きます!」と
まっさきに手を挙げながら、五島に着いたとき「あ、おれもう、ここが唐ってことでいいや」
と降りてしまった人々。そして大陸から日本を目指し、五島についた瞬間
「ここが日本じゃん、もう長旅はいいや」と降りてしまった人々の、
その子孫が私(五島の人々)なのではないか。
ちなみに、空海も唐に渡る前五島に立ち寄り、
ゆかりのお寺とか、石碑が立ってます。
石碑には空海の言葉が刻まれていた気がしますが、覚えてません(中途半端)。
・・・でも、いいとこなんです、五島。
タグ: 五島の話
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Team Visionの中村直史です。
突然ですが、この場を借りて五島列島のことを書きます。
日本で「島」といえば、沖縄の島々、奄美、屋久島、
伊豆大島、佐渡、壱岐、対馬といったところがメジャーで、
五島は「五島?」って感じです。
この「?」を少しでも減らしたいんです。
最初にそう感じたのは、僕がまだ中学生のころでした。
親戚の結婚式で福岡に行ったとき、僕を繁華街の路地に
連れ込んでカツアゲしたツッパリのお兄さんがいました。
「ワイどっから来たとや?」と聞かれ
「ご、ご、五島です」と答えたら、「五島?」と言われたのです。
悔しかったです。初めての大都市でナイフを突きつけられ、
1万2千円とられたあげく、ふるさとに「?」をつけられる屈辱。
あのときは恐怖で言えなかったけど、
あのツッパリがこのブログを読んでるとしたら
(ぜったいなさそう)、毅然とした態度で伝えたい。
「五島は長崎の西およそ100キロ、東シナ海に
5つの島が並ぶことからその名がついた列島です」
タグ: 五島の話
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茨木のり子
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは椅子の背もたれだけ
詩人・茨木のり子の代表作、「倚りかからず」だ。
いつだって毅然と、凛々しく。
のり子の詩は、硬いダイヤモンドのような。
ある時、夫が病に倒れた。
看病をするのり子に、夫は聞く。
「苦しくはないか」
のり子は答えた。
「惚れておりますから」
のり子の恋は、可憐なエーデルワイスのような。
彼女はこっそり、言っていた。
「本当に大事なことは、詩には書かないの。」
赤塚不二夫
天才にも、スランプはあった。
昭和31年のこと。
漫画家を志し、トキワ荘に移り住んだ一人の青年。
ほんとはギャグ漫画が描きたかった。
でも、思うように描けない。描けない。
彼は、漫画を捨てようと思った。
そのとき、4つ上の先輩である寺田ヒロオはこう言った。
「スランプか?でも、君はまだ、スランプになるほど漫画描いてないだろ。」
おそ松くん、ひみつのアッコちゃん、天才バカボン
後に、この悩める青年が生み出すことになるキャラクターたち。
天才漫画家・赤塚不二夫。
スランプも限界も、自分で決めただけのこと。
タグ: 土居美由希
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