藤本組・村山覚

村山覚 19年8月24日放送



日本酒の親戚

日本酒は、原料のお米を磨く割合によって
味と呼び名が変わってくる。
お米を50%以上磨いて、雑味やたんぱく質などを
減らしてつくった大吟醸は華やかな香りが特長。
今の季節、キリッと冷やして楽しんでいる方も多いだろう。

中には90%以上磨いたような日本酒もあるというが
磨きが少ないものにもお米の旨みやコクがあり、
好みは人それぞれ。

ところで、米を磨く工程でできるたくさん米の粉が
どう二次利用されているかというと‥‥
お煎餅やあられ、麺類に形を変えたり、
化粧水の原料になったり。
時には、横断歩道などの白い塗料に使われることも。

おいしい日本酒を飲んでほろ酔いの帰り道、
横断歩道を見かけたらご注目を。

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村山覚 19年7月20日放送


NASA
スペースチーズバーガー

2015年。国際宇宙ステーションで
『スペースチーズバーガー』という名のハンバーガーが誕生した。

ビーフパティやチーズペーストが薄いトルティーヤで包まれ、
地上のチーズバーガーとは似ても似つかないものだったが…
宇宙飛行士が「VERY TASTY!」とかぶりつく写真が話題となった。

その7ヶ月後、別の宇宙飛行士も
スペースチーズバーガーの写真をアップした。
挟んでいる具は同じだが、
彼は「レタスが欲しい!」と書き添えている。

実は、宇宙ステーション内ではレタスの研究が
行われていて、長期間の滞在や火星探査には
野菜の栽培が欠かせないと言われている。

レタスたっぷりの『スペースレタスバーガー』が
宇宙の定番メニューになる日が来る?

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村山覚 19年6月22日放送


Sara E dk
夏至の話  デンマーク

今日は、夏至。

冬が長いデンマークの人たちにとって
夏の訪れを感じることができる夏至祭と、
ちょうど半年後のクリスマスは
一年の区切りとなる大切な一日だそうだ。

デンマークの夏至祭に欠かせないのは、
焚き火と魔女の人形。
夏至の日に魔女たちが集まって会議を開く
という言い伝えがあるため、
街にやって来られたら大変、ということで
大きな焚き火で魔女の人形を燃やし、
北の山に追い返すという風習がある。

燃やされる魔女がちょっと気の毒だが、
もっと気の毒なのは
ノルウェーやスウェーデンの人たち。
デンマークの北に位置するため、
この風習に眉をひそめているらしい。

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村山覚 19年5月11日放送



温泉の話・福島の微温湯

お風呂の温度、あなたは何度くらいがお好みだろうか。
ぬるめのお湯にゆったり浸かるのが好きな方に
おすすめしたい秘湯が福島県にある。
その名もずばり「微温湯温泉」。

源泉の温度は約32℃。ある定義によると
25℃以上であれば「温泉」とされるそうだが、
だいぶぬるめ。ゆっくり長湯できるので
居合わせた人との会話も弾む。

趣のある茅葺きの建物の周囲には
高山植物が咲き誇り、秋には紅葉も楽しめる。
冬は、雪で道路が通行止めになることもありお休み。

長い冬を越え、ちょうど今の時期に再開する微温湯温泉。
何百年前からずっと変わらないぬるさと景色の良さで、
旅人の心を温めている。

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村山覚 19年4月27日放送


yutaka-f
平成よ、ありがとう。 「平成10年」

音楽を聴きたいという気持ちは
いつの時代も変わらないが、
音楽メディアは次々と変わってきた。

レコード盤、カセットテープ、CD、MD、
近頃では定額制のストリーミング配信や
動画サイトで聴くという音楽ファンも多いだろう。



音楽CDが最も売れた年は、平成10年。
ミリオンセラーのアルバムが25枚、シングルも14枚。
1年間に約4億5717万枚ものCDが飛ぶように売れた。
家で、車で、たくさんのCDが山積みになっているのが
当たり前の光景だった。

20年の時が流れ、今ではCDを一切買わない、
借りないなんて人も増えている。音楽チャートのランキングも、
CDが売れた枚数だけでなく、ダウンロード数や
ストリーミングの再生数を合算するようになった。

モノを所有して積み上げる時代から、モノを持たない時代へ。

そういう意味で考えると「ラジオから流れる音楽」というのは
とても現代的なものに思えてくる。大正14年から始まった
ラジオ放送は、次の時代も、いい音楽を皆さんにお届けする。



平成よ、ありがとう。

いよいよ、令和へ。

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村山覚 19年3月9日放送


Diorama Sky
切手のはなし 春の便り

「日本の切手」と聞いた時、
あなたはどんな図柄を思い浮かべるだろうか。

1円切手に描かれている白髪の紳士は、前島密。
2円から50円切手まではニホンザルやトキなどの動物。
62円からは花。205円からは国立公園。
そして一番高額な1000円切手には富士山が描かれている。
2cm四方の小さなキャンバスに日本の美がぎゅっと詰まっている。

目にする機会が多いのは、62円切手だろうか。
そこに描かれているのは、可愛らしいソメイヨシノだ。

桜の開花宣言が待ち遠しい今日この頃。
出会いや別れのご挨拶が書かれた葉書を、
小さな桜が運んでいると思うと、なんだか愛おしい。

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村山覚 19年1月26日放送

hirotomo 発酵食品 関東のくず餅 透き通ったお餅に、きな粉や蜜などをかけて食べるくず餅。 葛粉の産地がある関西では、定番の和菓子だ。 一方、関東地方では、色や香りが異なるくず餅があり、 江戸時代から長く愛されているのをご存じだろうか。 関東のくず餅は、葛ではなく、小麦粉のでんぷんが主原料。 とある老舗メーカーでは、1年以上かけて自然発酵させたでんぷんを お湯で練って蒸し上げるそうだ。 色は白っぽく、かすかにヨーグルトのような香りがするのが特徴。 和菓子では唯一の発酵食品で、乳酸菌の効果が注目されている。 関東と関西で似て非なるくず餅。 食べ比べてみるのも面白そうだ。


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村山覚 18年9月8日放送

180908-03

星のはなし ハレー彗星

西暦1835年の秋。76年ぶりに地球に近づいた
ハレー彗星が世界中で観測されていた。

ちょうど同じ頃、アメリカ・ミズーリ州で
ひとりの男の子がこの世に生をうけた。
ミシシッピー川のほとりですくすくと育ったサム少年は、
船舶の水先案内人や新聞記者を経て、小説家になる。
彼の代表作は「トム・ソーヤーの冒険」。
マーク・トウェインというペンネームは
日本人にもお馴染みだろう。

時は流れて1909年。彼は自分の死期が近づいていることを
悟ったのか「来年また彗星がくる。私は彗星とともに
この世を去りたい」と告げた。
そして1910年。ハレー彗星がもっとも地球に近づいた日の
翌日にマーク・トウェインは静かに息を引き取った。

彗星に乗って地球にやってきたかのような男の生涯。
彼が紡いだ物語は、これからもなお輝き続ける。

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村山覚 18年9月8日放送

180908-04

星のはなし 冥王星

水金地火木土天冥海

あれ?自分が習ったものと違う、と思われた方もいるかもしれません。
地球から48億kmも離れた冥王星にまつわる壮大な物語。

冥王星が発見されたのは1930年。
1979年から1999年までは海王星よりも太陽に近いところを
まわっていたため、当時の学校の授業では
<水金地火木土天冥海>という順番で惑星を覚えた。

しかし今現在、学校で習うのは<水金地火木土天海>。
外側に次々と新しい天体が発見されたことや、
冥王星のサイズや質量が思いのほか小さかったこともあり、
国際天文学連合によって「惑星ではない」と定義されたのだとか。

そんな冥王星までたどり着いた小型探査機がある。
名前はNew Horizons。太陽電池ではなく原子力電池を搭載し、
8GBのメモリで写真を記録。奇しくも冥王星が惑星ではないとされた
2006年に地球から打ち上げられ、9年半かけて冥王星に接近。
何度かトラブルに見舞われながらも、多くの写真を撮影・送信。

New Horizonsには、冥王星を発見した天文学者の遺灰も載っていて
今もなお宇宙空間を飛びつづけている。

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村山覚 18年9月8日放送

180908-05

星のはなし 人工流れ星

いつの時代も、国や宗教、言葉が違えど
人々はまたたく星に魅せられてきた。
コンパスやGPSがなかった時代は
方角や季節を知るために星が活用されていたし、
星座にまつわる物語は世界中にある。
そして、人々が崇めたり、時に恐れたり、
願いを込めたりしてきたものといえば、流れ星だ。

いつどこに現れるか予測できず、見えたとしても
1秒ほどで消えてしまう儚い存在。そんな流れ星を
人工的につくろうというプロジェクトがある。

上空400km。地球上を周回する小型の人工衛星から
直径1cmの金属粒を放出。何十もの流れ星が
5秒から10秒間、夜空を彩るという。

予定では2年後に、広島にて。

この星の平和を願う人たちが、
宇宙初の流れ星を見上げるだろう。

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