ヒゲとお札
2024年。
20年ぶりにデザインが変わる、日本のお札。
新しい一万円札に描かれる“顔”は、渋沢栄一だ。
しかし彼がお札の顔の候補に挙がるのは、
これが初めてではない。
1963年、千円札のデザインが変わる時にも、
伊藤博文と並んで最後の候補に残っていたという。
しかし、残念ながら落選。
その理由のひとつが、ヒゲだった。
立派なヒゲをたくわえた伊藤に対し、
渋沢の顔にはヒゲがなかった。
当時は再現の難しい細かなヒゲを描くことで、
お札の偽造を防いでいたのだ。
それから数十年。
偽造防止の技術がすすんだおかげで、ヒゲのない男性だけでなく、
女性もお札の顔に選ばれるようになった。
新しい千円札の顔・北里柴三郎は
ヒゲのおかげで選ばれたわけではない。