add.me
作家の朝食 池波正太郎
神田駿河台に建つ小さなホテル、山の上ホテル。
ここでしか食べられない、特別な朝食があるのをご存知だろうか。
一口か二口で食べられるほどのおかずが11種類も並ぶ、
なんとも贅沢な和のお膳だ。
実はこの朝食を提案したのは、
『剣客商売』や『鬼平犯科帳』で知られる作家、
池波正太郎。
80年代後半のこと、
当時の料理長に池波が
「いろいろなものを少しずつ食べたい」
と要望したのがきっかけだった。
池波はこの朝食を肴に、ビールを嗜んでいたという。
連日徹夜で執筆していた彼にとって、
仕事終わりに食べるこの朝食は、
疲れを癒す、至福の時間だったのだろう。