シャーロック・ホームズの死
名探偵シャーロック・ホームズの生みの親、
アーサー・コナン・ドイルは、
1893年の短編『最後の事件』で
ホームズを殺してしまう。
宿敵モリアティ教授との対決で滝から転落。
それで最後にするつもりだった。
1886年の登場以来、人気沸騰中だったホームズ。
雑誌連載の挿絵がたまたま美青年だったせいか、
女性読者から大量のファンレターが届いたり、
実際の事件解決の依頼状が来たりした。
ドイルはうんざりしていた。
ほんとうに書きたかったのは
探偵小説などではなく、歴史小説だった。
ホームズを終わりにして、歴史をやろう。
ドイルはそう考えたのだ。