「で、五島の福江島には、何があんの?」という質問にいくつか
答えを用意するとしたら、その4番目くらいに出てくるのが
鬼岳(おにだけ)です。
福江の市街地からあまり遠くなく、あまり高くなく、
あまり木も生えていない山です。
名前から察するに、鬼が住んでいるのでしょう。
小1から高3まで、年に1~3回、
遠足はずーーーーーーーーーっと鬼岳でした。
なのにまわりで「え~もうあそこはいいよ~」という声を聞いたことがありません。
恐るべし、鬼の魔力。
さらにこの山は、遠足の次の日ふもとの町(福江)に
雨を降らせるとして、とても限られた人の間で有名でした。
それが鬼ではなく子どもの仕業だと聞いたのは私が小6のころ。
いわく、遠足で山に登った大勢の子どもが、そこら中におしっこをする。
おしっこはやがて大量の水蒸気となり、山の上に雲をつくり、雨を降らせるのだと。
何年か前ひさびさに鬼岳に登ったら
きれいに整備され、天文台までできていました。
もうそこらへんにおしっこする子どももいないのでしょう。
鬼岳から見下ろすと海がきらきら~っとしてて、
それを見るのを楽しみにしている人が多いですが、
わたしは逆に海からこの山ののぺ~っとした姿を見上げるのが好きです。