*- mika -*
月と、月見草
月見草という花がある。
夜にひっそりと咲く姿から、
誰が思ったのだろうか、
密やかな恋、という花言葉をもっている。
しかし、月見草は、ひかげを好むわけではない。
他の花と同じように、あかるいひなたを好むのだ。
それなのに、いざ咲くとなると、夜を選んでそっと咲く。
多くの花が太陽に恋をしているとするならば、
月見草は、月に恋しているのだろう。
明日はお月見。
誰を想って、空を見上げてみましょうか?
*- mika -*
月と、月見草
月見草という花がある。
夜にひっそりと咲く姿から、
誰が思ったのだろうか、
密やかな恋、という花言葉をもっている。
しかし、月見草は、ひかげを好むわけではない。
他の花と同じように、あかるいひなたを好むのだ。
それなのに、いざ咲くとなると、夜を選んでそっと咲く。
多くの花が太陽に恋をしているとするならば、
月見草は、月に恋しているのだろう。
明日はお月見。
誰を想って、空を見上げてみましょうか?
bobfamiliar
月と、海
餅つきをするウサギの形や、
立派なはさみのカニの形。
女性の横顔だという人もいれば、
本を読むおばあさんだという人もいる。
月の模様は、昔から、
さまざまに例えられてきた。
ギリシャの先人が空を見上げて星座を描き出したように、
多くの人が一度はその目を細めて考えたことがあるだろう。
月の模様をつくり出しているのは、
月の表面にある高低差。
黒っぽく見える低い平原には、名前がついている。
美しいその名は「月の海」。
万物の母である海は月にあってなお、
私たちの想像力をも育ててくれているというわけだ。
明日はお月見。
久しぶりに見上げてみては、いかがですか?
うどん野郎
夏祭り 光の花と祭り囃子
夏の祭りをしめくくる、
夜空いっぱいの打ちあげ花火。
光に照らされる人びとの夢心地な横顔は、
真夏の夜の風物詩だ。
今から2年前、
花火師の今野祥さんは、
明日への扉というドキュメンタリー番組でこんなことを言っていた。
どんなに気持ちが落ち込んでいる人も、
花火があがれば必ず空を見上げます。
花火が嫌いな人って、いないと思うんです。
花火師は、ひとびとの心の温度もあげてゆく。
せつなくも鮮やかなその瞬間は、
祭り囃子のノスタルジックな音色がよく似合う。
夏祭り そのはじまり
夏祭りの起源と言われているのは、
京都の祭り、祇園祭。
神さまが神輿に乗って
ちょっとした鎮魂の旅をするのに、
人びとが舞や音楽、歌を捧げたのがはじまりだ。
その賑やかな様子を見ようと多くの人が集まり、
それならば、と、今に伝わる華やかな祭り囃子や山車がうまれたという。
みんないるなら、楽しい方がいいじゃない。
真面目一辺倒といわれる日本人にもそんな一面があると思うと、
祭り囃子がいつにも増して、粋に聞こえてくる気がする。
夏祭り ゆかたの知恵
夏祭り。
その非日常感を演出するのは、
祭り囃子に出店、ちょうちん、そして人びとの浴衣姿だ。
今ではさまざまな色や柄を楽しめる浴衣だが、
むかしながらの浴衣には、藍染めのものが多い。
その理由は、色の美しさだけではない。
藍という染料が持つ香りにある。
実はそれは、虫たちが苦手とする香り。
そこに目を付けた人々は、
夕方をすぎると、藍地の浴衣を好んで着たという。
機能だけでなく、美しさも持ち合わせるのが日本の知恵のいいところ。
今年の夏祭りには、藍染めの浴衣で出かけてみませんか。
MILD
平成の夏 夏のひばり
春を告げる鳥として親しまれる、ひばり。
空高くまで舞いあがり、美しくさえずるその鳥は、
歌手としての人生を全うしたある女性の名前の由来となった。
美空ひばり。
日本中から愛された歌姫が亡くなったのは、1989年のこと。
平成最初の夏だった。
あれからもう、30年。
いつのまにか、平成最後の夏が来た。
春を告げ終えたひばりは今もきっと、
どこか遠い空のむこうでさえずっているに違いない。
平成の夏 乾杯!
その工場で造られるビールはたいへん愛され、
のちに、ビールの名前が工場のある町の名前に
さらに山手線の駅の名前にまでなってしまった。
1988年。昭和最後の夏に工場は閉鎖されたが
その跡地は多くの人が集まる複合施設になった。
東京・恵比寿。
今も多くの人がのどを鳴らして夏を楽しむ賑やかな街。
昭和が終わっても、平成がはじまっても、
高らかな乾杯の音はこの街に響き続けた。
さあ、キンキンに冷やしたビールで乾杯しようじゃないか。
平成最後のこの夏に。そして、その先にやってくる新しい時代に!
Wild Child
平成の夏 青い夏
熱気に包まれた夏のロシアからの中継が、
日本中をゆさぶった。
コロンビア、セネガル、ポーランド。
そしてベルギー。
並み居るライバルを前に、
日本中が日本代表と一緒になって、
夢中でピッチを駆けた夏。
ベルギー戦の中継の最後、
実況が残したことばは、
このワールドカップの全てを物語っている。
“なんと幸せな時間だったことでしょう”
平成最後の夏のはじまりを、
すがすがしいサムライブル―に染めてくれた選手の姿を
私たちはきっと忘れない。
szeke
時の記念日 時計を見ないで
昔、まだ時計がなかったころのこと。
日本人は、日の出と日没で昼と夜を分け、
それぞれを6等分してだいたいの時間を把握していました。
季節によって日の長さが違うため、
同じ「子の刻」だとしても、春と冬では大違い。
それでも、誰(だあれ)も気にしません。
のちに西洋から機械時計が伝来し、
人びとに広まるまでの長い間、
日本人はのんびりと、
季節や太陽と共に生きてきたというわけです。
さあ、今からでも遅くはありません。
今日だけは、時計ではなく、夕陽を見ながら、
1日の終りを感じてみてはいかがでしょう。
今日は、時の記念日。
時の記念日 人と時間のいい関係
分刻みのスケジュールであわただしく過ごす、現代人のみなさん。
私たちが時間を意識するようになったきっかけを、ご存知ですか?
時は13世紀、北イタリアから南ドイツにかけてのこと。
時間を神からのいただきものだと考える修道士たちにとって、
仕事や祈りの時間を守ることは、とてもだいじなことでした。
そこで、修道院や教会の塔に、
鐘を鳴らす機械時計が設置され始めます。
修道院が人びとの暮らしのまん中にあった時代ですから、
まわりで生活していた民にとっても、
祈りの時間を告げる鐘の音は、暮らしの一部となっていきました。
私たち人間と時間のつながりは、
日々の幸せを祈ることから生まれていた。
なんだか素敵な話です。
今日は、時の記念日。
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