蛭田組・森由里佳

森由里佳 18年1月14日放送

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犬 わさお:キャストとして

実在する秋田犬が主役を演じた映画、「わさお」。
監督・錦織良成は映画を撮る時にこんなことを意識したという。

 わさおは僕たちの言葉も気持ちも汲み取るから、
 本当に優しい気持ちで撮らなければならない。(中略)
 そして、ペットとして動くぬいぐるみのようにかわいがるのではなく、
 わさおも犬としてそこに存在していることを尊重したうえで対峙するんです。

犬だからといって、動物として接するのではなく、
キャストのひとりとしてまっすぐに向き合う。

わさおの人間味あふれる笑顔は、
そうした制作スタッフの心がけによって
生まれたものなのかもしれない。

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森由里佳 18年1月14日放送

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犬 わさお:本当の名前

白くてふさふさな毛が印象的な秋田犬が主人公の映画「わさお」。
監督の錦織良成は、初めてわさおに会ったとき、
“孤高の犬”だと感じたという。

 簡単にしっぽは振らないし、
 人間に媚びないというのがかっこよかったですね。

実は、わさおの本当の名前は「レオ」。
飼い主の菊谷節子さんがもともとつけていた名前だ。
手塚治虫の漫画「ジャングル大帝」からつけたのだという。

たしかに、大きなわさおはまるで白いライオンのよう。
愛らしい笑顔とは裏腹に、
簡単にはなびかない誇り高い犬なのだ。

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森由里佳 17年12月10日放送

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Nivrae
2017年今年の顔 ライアン・ゴズリング

今年の顔。
そういわれて思い浮かぶのはきっと、
銀幕を飾ったアクターではないだろうか。

そのうちの一人が、こんなことを言っている。

 『ラ・ラ・ランド』は野心的だ。
 デミアン監督は難しい条件の撮影をしたがるから、
 俳優もスタッフも何とかしようと頑張るんだ。
 僕もそういうシーンを撮り終えた時は、もの凄く誇りを感じたよ。
 居心地の良い場所から飛び出して、
 力以上のものを発揮したと思えた瞬間だったね。

ご存知、ライアン・ゴズリング。
「LA LA LAND」と「ブレードランナー2049

2つの大ヒット作品の顔ともいえる男だ。
その出演作品には、
才気ある監督や今後注目が集まるであろう監督のものが多い。
なるほど。彼自身も、なかなか野心的と見える。

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森由里佳 17年12月10日放送

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BagoGames
2017年今年の顔 エマ・ストーン

大きな瞳、白い肌。
透き通った歌声に、チャーミングな笑顔。
イエローのワンピースに身を包み、
夕焼けの公園でライアン・ゴズリングとダンスする。

女優エマ・ストーンは、
今年の顔といってもいいだろう。
映画ラ・ラ・ランドで主演女優賞を授賞したとき、
彼女はこんなスピーチをした。

 この映画は夢を追う人たちへの映画です。
 希望と創造性が世界で最も重要な2つのことであり、
 この映画はまさにそれを描いている。
 門前払いにあったことのある、すべてのものづくりをする人たちや、
 諦めそうになっても、なんとか立ち直る力を見つけているすべての人たちへ。
 私はこの賞をあなたと共有します。

銀幕を出てもなお、世界を虜にしたエマだった。

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森由里佳 17年12月10日放送

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2017年今年の顔 デミアン・チャゼル

映画「セッション」につづき、
「ラ・ラ・ランド」のヒットでその名を世に知らしめた奇才、
デミアン・チャゼル監督。

どちらの物語にもジャズを取り上げた彼は、
インタビューで、ジャズについてこう話している。

 ライアン・ゴズリング演じる『ラ・ラ・ランド』のセブにとっては、
 4~50年代の伝統的なジャズこそが“ジャズ”で、他は認めない。
 だけど、僕はそうは思わないんだ。
 ジャズは動いていくものだし、時代と折り合っていかなければならない。
 現代とどう向き合っていくかが重要なんだ。

「ラ・ラ・ランド」では、
過去と現在のバランスを取りたかったと語るデミアン。
彼にとっては、この作品こそが“ジャズ”なのかもしれない。

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森由里佳 17年11月12日放送

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ノーベル賞 アインシュタインの背中

ブラックホールとブラックホールがぶつかる。

それだけでも、ずいぶんとわけのわからない状況なのは間違いないが、
どうやら、そうして生まれる時空のゆがみを示す波動があるらしい。

重力波。

かのアインシュタインがその存在を予言したもので、
その存在を証明することは、物理学者や天文学者の夢だという。

さて、今年のノーベル物理学賞は、
そんな夢をつかんだ3名に贈られる。

その一人、レイナー教授はこう言った。

「アインシュタインが生きていたら、きっと喜んでくれただろう」

アルベルト・アインシュタイン。
その存在は、まるで宇宙のように遠く、大きい。

科学者たちが目指すのは、
果たして宇宙か、アインシュタインか。

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森由里佳 17年11月12日放送

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Christopher Berry
ノーベル賞 授賞を支えた日本人

今年のノーベル物理学賞は、
宇宙からの「重力波」の存在を証明した3人に決まった。

その証明は、アインシュタインからの最後の宿題ともいわれた難題。
この素晴らしい功績に、大きく貢献した日本人がいる。

東大、宇宙線研究所の川村静児さん。
約30年も前からこのプロジェクトに参加し、
授賞者であるレイナー氏も、
彼なしではこの発見はありえなかったと絶賛する研究者だ。

「宇宙がどうやって始まったか知りたいというのが、一番のモチベーション」

そう語る川村さんは、
日本の重力波観測装置KAGRAを率いるリーダーでもある。

大いなる始まりを解き明かす一歩一歩は、
ここ日本でも、確実に踏み出されているのだ。

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森由里佳 17年10月8日放送

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海外で暮らす⑧:英国貴族と日本の自然

英国貴族のお嬢様なのに、
日本の古民家での暮らしを選んだ女性がいる。

ベニシア・スタンリー・スミスさん。
去年、NHKの取材に応じ、こうコメントした。

「コンクリートが、セメントが増えて、だんだん土が少なくなって、
みんな忙しくて、コンビニでご飯買って食べて。
・・・日本はどうなっちゃうんだろうって思う」

そう言う彼女が住むのは、京都・大原。
庭には、いちじく・枇杷などの木や、
シソ・みょうがなどのハーブであふれている。

テレビを見て、
自分の暮らしを真似る人が出てくれたらいいと思い、
出演を決めたという彼女。

彼女の生まれと今の暮らしは、一見、正反対に思えるけれど、
その豊かな感性は、
イギリス郊外の自然ゆたかなお屋敷で育ったからこそ、かもしれません。

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森由里佳 17年10月8日放送

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海外で暮らす⑦:紅茶より日本茶

イギリス、ケドルストンホールで生まれた
由緒正しい英国貴族のお嬢様。
そんな稀有なバックボーンとは裏腹に、
京都・大原でたくさんのハーブを育てながら暮らす女性がいる。

彼女の名は、ベニシア・スタンリー・スミス。

最高のハーブは日本茶かもしれないと言う彼女は、
ペットボトル入りの日本茶に、思うことがあるそうだ。

「今、日本茶は世界中で人気なのに、
プラスチックに入れるかあっ?って思うねん!」

来日してから約50年の間に身につけた
お茶目な関西弁で怒るベニシアお嬢様。

英国出身の彼女なら、本来、
ペットボトルの紅茶に怒りそうなところだが…

さて、私たち日本人は、
イギリスでペットボトルの紅茶を見て、
同じようなことを思えるだろうか?

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森由里佳 17年10月8日放送

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海外で暮らす⑥:英国貴族のお嬢様の夢

イギリス、ケドルストンホール。
ダウントンアビーという人気海外ドラマの舞台にもなった、
ナショナルトラストの管理下にある英国貴族のお屋敷だ。

まるで城のように大きなこの家で生まれた
ベニシア・スタンリー・スミスは、
屋敷の外に広がる、村人たちの古くて小さなコテージに憧れていたという。

「自分が心から好きになれる生き方を選んで、それを実行して。
わたしは、古いものに新しい命を吹き込みたい。」

そんなイギリス屈指のお嬢様は、やがて移住を決意する。

京都・大原。
日本の古民家でハーブを育てながら、
ベニシアは、こころ豊かに暮らしている。

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