蛭田瑞穂

佐藤日登美 17年8月13日放送

170813-05

左利き 左利きの大統領たち

ジェラルド・フォード、
ロナルド・レーガン、
ジョージ・ブッシュ、
ビル・クリントン、
バラク・オバマ。
彼らに共通するのは、
アメリカの大統領だったこと、そして左利きであること。

左利きのアメリカ国民は人口の10%しかいないと言われるが、
ここ十数年で見ると大統領の二人に一人は左利き。
利き手が左だと脳が発達するとも、
クリエイティビティスキルが優れているとも言うが、
果たして関係はあるのだろうか。

ちなみに、現大統領のドナルド・トランプは、右利き。

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佐藤日登美 17年8月13日放送

170813-06
ドラ狂
左利き わたしの彼は左きき

 わたしの わたしの彼は 左きき

1973年、麻丘めぐみが歌った「わたしの彼は左きき」。

「左利き」という歌詞が出るたび
くるりと左手を返す仕草が可愛らしく、
キャッチーなリズムとともにこの曲は大ヒット。
麻丘自身は右利きだったが、
曲のキャンペーン中は左手でサインをしたり箸を使ったりと、
「左利き」をアピールした。

この曲をきっかけに、
それまで矯正されることが多かった左利きはちょっとした憧れの的になった。

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森由里佳 17年8月13日放送

170813-07

左利き 素直な手

20年以上も左利きの人の生活を研究されている、
左利きライフ研究家のレフティやすおさんをご存じだろうか。

その
の通り左利きの彼は、
話すときや楽器を弾くとき、
自然と左手が動き出すことに気がついた。

そりゃ、「利き手」だからね。
と片付けずに考えてみると、ある答えに行き着いたのだという。

 何かにつけて自己主張するのは、
 いつも利き手なんですね。
 それは、利き手が心につながっているからではないか、
 と思うようになりました。

なるほど、そう思って利き手を見ると、
なんだか素直でかわいいやつに見えてくる。

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森由里佳 17年8月13日放送

170813-08
Garrett Wade
左利き 手を取り合って

とある文房具店が、世界人口の約1割のために立ち上がった。

「レフティー21プロジェクト」。
人口の約1割といわれる左利きの人のための道具を増やし、
彼らが活躍しやすい環境を作るプロジェクトだ。

旗振り役は、「左利きを幸せにする店」として取材されたこともある
文房具店の店主、浦上裕生さん。
自身も左利きで、店には左利き用グッズを多く取り揃えている。

大手文具メーカーも参画するこのプロジェクト。
立ち上げのきっかけを、浦上さんはこう語る。

「世界でも珍しい左利きグッズを開発し、
 2020年に向けて世界にアピールしたい。
 少数派にも優しい社会につなげたい」

日本らしい心配りが、手と手をとりあい、またひとつ。

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森由里佳 17年7月9日放送

170709-01

叫び 絶叫マシンと老紳士 「そのはじまり」

アメリカのジェットコースターは、
日本のそれとは比べものにならない。

そんな話を聞いたことがある人もいるだろう。

アメリカに、
絶叫マシン設計会社U.S. Thrill Ridesを創業し、
現役設計士として活躍する男がいる。

彼の名前は、ビル・キッチン。
やんちゃな若者かと思いきや、60歳を超える老紳士だ。
40歳の時に、人生を変えるような体験をしようと考え
スカイダイビングに挑戦したのが創業のきっかけだという。

とんでもないスリルの虜になったビルは、以来、
絶叫アトラクションに乗るたびに、
それをいかに面白くするかで頭がいっぱいになり、
ついには会社まで作ってしまった。

初老となったビルの人生は、まだまだ加速中のようだ。

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森由里佳 17年7月9日放送

170709-02

叫び 絶叫マシンと老紳士 「その人生」

絶叫マシン設計会社U.S. Thrill Ridesを創業し、
現役設計士として活躍する男、ビル・キッチン。
これまで数々の新しいジェットコースターを開発してきた。

彼の地元、フロリダの新聞は、
ビルを“inventioneer”として紹介する。
『発明家』のInventorと『エンジニアengineer』を
組み合わせた造語だ。

 この表現は的確だと思います。
 みんなが楽しめて、いつまでも記憶に残るような体験を思い描き、
 それを現実のものにしていくのが私の仕事ですから。

40歳までは、放送業界でサラリーマンとして働いていたビル。
それが一転、発明家・エンジニアとして世界中に作品を送り出している。
その様はまさに、
「人生はジェットコースターのようだ」という言葉がぴったりだ。

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森由里佳 17年7月9日放送

170709-03
Das Bobby 2000
叫び 絶叫マシンと老紳士 「その目指す先」

 以前提供したものと全く異なる新しい体験をつくり出したい。

そう語るのは、
120を超える世界のテーマパークに絶叫マシンを送り出す
U.S. Thrill Ridesの創業者、ビル・キッチンだ。

絶叫マシンは広大な面積を必要とするため、
ラスベガスなどの混み合う市街地では、土地の確保は難しい。
そこで、ビルは考えた。

 ならば、その分高さで勝負すれば良い。

そして、173メートルもの柱を駆け登るジェットコースター
「The Skyscraper」を構想した。

 お客さまの絶叫は、私の笑顔の源です。

そう笑うビル・キッチンの創作意欲は、
60歳を超える今なお、上昇し続けている。

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佐藤日登美 17年7月9日放送

170709-04

叫び 花の叫び1

「廃棄花」。
パーティーやテレビ番組、イベントなどで
一日、ときには数時間だけ飾られ、捨てられる花のことをこう呼ぶ。

この花を助けたい、と立ち上がった女性がいた。

コピーライター・古橋あや香。

古橋は「廃棄花」に「SHY FLOWER」という可愛らしい名前をつけ、
「SHY FLOWER PROJECT」を立ち上げた。
捨てられる運命だった花を回収し、クリエーティブに再生することで
価値を変えるアートプロジェクト。

コンセプトは、
「助けてと叫ぶ事のできないすべての花のために」。

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佐藤日登美 17年7月9日放送

170709-05

叫び 花の叫び2

きれいなまま捨てられる運命にある装飾花をクリエーティブに再生させる、
「SHY FLOWER PROJECT」。

その活動は、花の「救出」からスタートする。
結婚式場や会社の受付などへ赴き、廃棄花を回収。
ドライフラワーや押し花に加工し、新たなアート作品として生まれ変わらせる。

発起人である古橋あや香は当初160軒の花屋に電話したが、
棄てる花を譲ってくれたのはたった1軒だった。
でも、そこからがはじまり。
今ではワークショップやコラボレーションの依頼があとを絶たない。

古橋は言う。

 「わたし、執着心が強いんです」

声なき花の叫びが聞けるのは、勢いと情熱があるからこそ。

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佐藤日登美 17年7月9日放送

170709-06

叫び 花の叫び3

「助けてと叫ぶ事のできないすべての花のために」をコンセプトに据える、
「SHY FLOWER PROJECT」。
廃棄される花を回収し、アート作品として再生させる活動だ。

代表の古橋あや香は言う。

 私たちの活動を通じて、すべてのお花を救えるとも、
 このプロジェクトが世界を変えるとも思っていません。
 ただ、大量の生花が捨てられている事実を知り、
 いままで当たり前に捨てていたもの、
 当たり前に無駄にしていたものを、
 ちょっと見つめ直していただけるとうれしい。

古橋が聞いたのは、花の叫び。
耳をすませば、自分の周りにも
声なき叫びを発しているものがいるかもしれない。
それに気付くことも、また才能。

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