門田組・伊藤健一郎

伊藤健一郎 14年3月23日放送

140323-07
lrog
The Rolling Stones 満たされない

 満たされない。満たされない。
 何度も何度もやってみたが、ぜんぜん満たされない。

ローリングストーンズの代表曲「Satisfaction」は、
満たされずもがく男の話。

そんなローリングストーンズには、
ボーカルのミックが言ったのか、ギターのキースが言ったのか、
誰が言ったのか、こんな言葉があるという。

 夢が消えたら、心も消える。

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伊藤健一郎 14年3月23日放送

140323-08
Andrea Sartorati
The Rolling Stones ローリングストーンズの最後

イギリスのロックンロールバンド、ローリングストーンズ。
50周年を迎えた彼ら。平均年齢は69歳にもなる。

解散するバンドが多い、ロックンロールの世界。
ストーンズがアニバーサリーを迎え、ツアーを開始するたびに、
記者たちは同じ質問をぶつけた。
「これで最後ですか?」

これは、そんないつもの問いに対する、
ボーカリスト、ミック・ジャガーの答え。

 ぼく自身は“ファイナル”だなんて絶対に言わない。
 人生、何が起こるかわからないのに、これが最後だなんて言うのは、
 実にくだらないと思うね。

2014年の東京ドーム。
縦横無尽に疾走し歌うミックが、走り疲れることはなかった。

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伊藤健一郎 14年1月25日放送



壊す人(映画監督:園子温)

アクション、ホラー、サスペンス、コメディー、ヒューマンドラマ。
ジャンルにとらわれず様々な映画を撮り続ける、園子温監督。

彼は、あるインタビューでこう話している。

 イメージを常に壊し続けることが重要だ。
 ピカソのように、画風をどんどん変えていく。
 実験がなかったら、やる必要がない。

そんな園監督はこのたび、お笑い芸人デビューを果たした。
どうやら、映画というジャンルにもとらわれていなかったらしい。

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伊藤健一郎 14年1月25日放送


Coyau
壊す人(映画監督:園子温)

映画監督、園子温。
大物俳優の起用が話題をよぶ日本映画界で、
園監督が起用する役者は、ほぼ無名。

予算のせいもあるだろう。
けれど、その理由について、彼は、こんな言葉を残している。

 日本には、
 シンデレラストーリーが
 少なすぎる。

『紀子の食卓』でデビューを飾った吉高由里子しかり、
『愛のむきだし』で女優のイメージを定着させた満島ひかりしかり。
園監督作品でひと皮むけた役者は多い。

彼は、知っているのだろう。
大物を起用するよりも、大物に育て上げることのほうが、
これからの映画界を、はるかに面白くできることを。

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伊藤健一郎 13年6月22日放送



夫婦の話(ゲーテとシュタイン夫人)

ドイツの文豪、ゲーテ。
数々の恋愛遍歴でも有名な彼が、
いちずに求愛しつづけた女性がいた。
彼女にゲーテは、こんな詩を贈っている。

 私たちはどこから生まれてきたか。
 愛から。
 私たちはいかにして滅びるか。
 愛がなければ。
 私たちは何によって自己に打ち克つか。
 愛によって。
 私たちも愛を見つけることができるか。
 愛によって。
 私たちを泣かせるのは何か。
 愛。
 私たちをつねに結びつけるのは何か。
 愛。

女性の名は、シャルロッテ・フォン・シュタイン。
彼女には、夫と3人の子供がいた。

ゲーテの熱心な求愛は、11年にも及んだが、
シュタイン夫婦の愛の結びつきを断ち切ることは、ついにできなかった。

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伊藤健一郎 13年6月22日放送


ゼロ
夫婦の話(内田裕也と樹木希林)

ロックンローラーの内田裕也と、女優の樹木希林といえば、
芸能界でも異色な夫婦だろう。

もう、かれこれ四十年も別居生活。
墓参りの時期など、数ヶ月に一度しか、二人は顔を合わせないという。

とあるインタビューで樹木は、こんなことを語っている。

 「目も合わせない夫婦なんてのもありますが、
  うちはめったに会わないから(会うと)ずっと向き合ってますよ。
 『私に言わせろ』『いや、おれに先にしゃべらせろ』なんてね」

夫婦関係には、適度な距離感が必要だという。

別居というと、一般的には不仲に聞こえるが、
ロックな夫婦のベストな距離感は、
このぐらいビッグでちょうどいいのだろう。

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