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テオ・ヤンセン 「心の境界線」
「エンジアリングとアートとを隔てる境界線は、われわれの心の中にしか存在しない。」
オランダの芸術家、テオ・ヤンセンの言葉だ。
彼のつくる作品「ストランド ビースト」は、
風のみを動力源に生物のように動きまわる。
身体はポリ塩化ビニルのパイプで構成され、
コンピューターや電気、モーターといったものは一切つかっていない。
海辺の水を察知すれば、濡れないように方向転換をする。
突風が吹くと、飛ばされないように自分の身体を抑え込む杭を浜辺に打ち込む。
それらの姿は、アーティスティックであり、
新種の生命体のようにも見える。
「タンパク質からなる生物ではなく、ポリ塩化ビニルからなる生物形態なのです。」
ヤンセンの展示会を開いたキュレーター、トレヴァー・スミスはそう言う。
ヤンセンはあらゆるものに枠を規定していない。
だから、イノベーションを起こせるのだ。