小林慎一

四宮拓真 18年3月24日放送

180324-02
hannaka  
スウェーデンの土曜日のお菓子

北欧・スウェーデンには、
ローダグスゴディス(lördagsgodis)という習慣がある。
直訳すると、「土曜日のお菓子」。

これ、平日はお菓子を我慢して、
土曜日だけは好きなだけ食べてもよい、というもの。
実際、土曜日のスウェーデンのスーパーには、
嬉しそうにお菓子を袋詰めしている子どもたちの姿を、たくさん見かける。

この、土曜日のスウェーデンのお菓子売り場。
よくよく見ると、ときどき大人も混ざっている。
それもそのはず、スウェーデン人はお菓子が大好き。
世界一お菓子を食べる国民なのだ。

さて、今日は土曜日。
あなたもローダグスゴディスしてみませんか?

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四宮拓真 18年3月24日放送

180324-03

エストニアのデジタル・ノマド・ビザ

いつか、海外で暮らし、働いてみたい。
そう思う人は少なくないだろう。
しかし、その願いを叶えるには「ビザ」が必要で、
ほとんどの場合、なかなか自由にはいかない。

北欧・バルト三国のひとつ、エストニアは、
先日画期的な構想を発表した。
その名も、デジタル・ノマド・ビザ。
デジタル機器を使って場所を選ばず仕事をする人が、
365日、エストニアを旅しながら働けるビザだ。
しかも、90日間であれば、EU圏内も移動できる。

この取り組みのスローガンが素晴らしい。

 あなたが幸せな場所で働こう

デジタル・ノマドしている人も、毎日同じところで働く人も、
大切なことは同じ。
あなたが働いているのは、幸せな場所ですか?

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四宮拓真 18年3月24日放送

180324-04

ノルウェーのコーセリ

北欧・ノルウェーの冬は長い。
日本はもう春めいて、桜も咲き始める時期だが、
ノルウェーはいまもまだ氷点下の日々だ。

そんな厳しい冬のあいだ、
ノルウェーの人々は多くの時間を自宅で過ごす。
中心にあるのは、大きな薪ストーブ。
揺れる炎に家族が集まって、みんなで会話を楽しむ。

ノルウェーには「コーセリ(Koselig)」という単語がある。
寒い冬を暖かく快適な家でゆったりと過ごす、というニュアンスだが、
日本語にはぴったり言い当てる言葉がない。
「心地よい」とか「気持ちよくいられる」が近いだろうか。
ノルウェーでは、とてもコーセリなおうちね、とか
彼はコーセリな人だ、のように使われる。
実にノルウェーらしい、ぬくぬくとした言葉だ。

今日は土曜日。明日もお休みの方が多いだろう。
今夜はゆっくり、コーセリな時間を過ごしては。

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四宮拓真 18年3月24日放送

180324-05
Olli Sulopuisto
フィンランドのコーヒー休憩

北欧・フィンランド。今年1月のセンター試験で、
「ムーミンの出身地」として話題になったこの国は、
実は「世界一コーヒーを飲む国」としても知られている。

浅煎りで、少し酸味があるのがフィンランドのコーヒー。
フィンランドの水は軟水で、それには浅い焙煎が合うのだそうだ。
平均すると、ひとりあたり3〜4杯ものコーヒーを1日に飲む。

フィンランドの人々は、職場や学校での休憩のことを、
カハヴィダウコ(kahvitauko)と呼ぶ。
直訳すると、「コーヒー休憩」。
コーヒーを飲もうが飲まなかろうが、
休憩とはコーヒーなのだ!という言い切りが面白い。

でも、そういえばわたしたちも、一息いれることを
「お茶する」なんて呼んでいるのだった。

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原央海 18年2月11日放送

180211-01

有吉弘行 忖度

「忖度」。
そんな言葉が、2017年の流行語大賞に選ばれた。
辞書を引くと、「他人の気持ちをおしはかること」と書いてある。
なんとも日本人らしい流行語だ。

同じく2017年、テレビを点ければ見ない日はない男がいた。
「有吉弘行」。
彼の人気の理由は、まるで「忖度しない物言い」だろう。

忖度の時代に、忖度しない人気者。
彼はこう言う。

 余計な言葉を抜きにして
 ストレートに物事の核心に迫る。
 内輪で言うような言葉を外に向けることで、
 相手の心の中に飛び込めて
 人間関係がうまくいく場合もあるんです。

他人の気持ちをおしはかるだけが
コミュニケーションではないことを、彼は教えてくれる。

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原央海 18年2月11日放送

180211-02
seeveeaar
有吉弘行 反省

有吉弘行。
彼の人気は、日本テレビ「進め!電波少年」でのヒッチハイク旅から始まった。

ピークだった頃は、まったく休み無し。
毎日何本も仕事をこなし、
移動は事務所から用意された専用の「猿岩石カー」。
あまりにもファンが駅のホームに殺到し、
新幹線を何度か止めたこともあるほどだ。

当時の自分が「どこか天狗になっていた」と彼は認める。
酒臭いまま現場に向かい、スタッフに生意気ばかり言っていた有吉は、
当時のことを振り返り、こう反省する。

 そういうときに、
 「忙しいんだから」っていう理由は成り立たないんですよね。
 「忙しいのはお前らだけじゃないよ」っていう。
 よく、「忙しいから」って理由にしがちですけど、
 そこは気を付けたほうがいいです。
 僕はそれで失敗したんで。

追い詰められた時ほど、人間は試されている。

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原央海 18年2月11日放送

180211-03

有吉弘行 給料

有吉弘行。
猿岩石フィーバーだった時代は、
給料も、文字通り「桁違い」だった。

それまで月々5万円だったのが、固定給で月100万円。
さらにはCDやCM、本の印税が重なり、
1番多く貰った時で、月2000万円は貰っていたという。

しかも当時、所属する太田プロは、
ギャラが振り込みではなく、手渡し。
相方と合わせて4000万円の分厚い札束を目前にしたという。

4000万円。どれほどの贅沢ができるのだろう。
しかし彼は意外にも、
こんなことを考えていたそうだ。

 僕は昔からいつでも「自分はこの先どうなるかわからない」
 と思いながら生きてました。
 猿岩石でアイドル並みの人気だったときにも、
 「こんな人気続くわけがない。自分たちの実力ではない。」
 って結構冷静に考えてました。
 だから「いつ人気が落ちて仕事がなくなるかわかんないから金貯めとこう。」
 って貯金していたんです。

「身の丈より一個下の生活をする」ことが大事だと彼は語る。
毒舌なイメージからは想像もつかないほど、慎重な生き方。
ただ、そのお金をもとに、
彼はその後何年にも及ぶ給料ゼロ生活をギリギリ乗り越えていく。

結局、未来の自分を救うのは、
過去の自分自身なのだ。

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原央海 18年2月11日放送

180211-04

有吉弘行 改名

有吉弘行。
「猿岩石」というコンビで名を知られた彼だが、
まったく仕事がなくなったどん底時代、
実は一度「猿岩石」を改名したことがあった。
その名も、「手裏剣トリオ」。
「2人なのに“トリオ”ってところにみんな喰いつくはず!」
そんな考えから変えてみたものの、結局やっぱり、鳴かず飛ばず…。

たまに地方局に呼ばれて「手裏剣トリオ」を名乗っても、
テレビ局の人からは、こんな風に言われる始末。

「“手裏剣トリオ”で出られても誰もわかんないんで、
 ウチの番組では“猿岩石”で出てください。」

なんとも中途半端な改名状態。
結局仕事も全然増えず、
自然にそ~っと「猿岩石」に戻したそうだ。

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原央海 18年2月11日放送

180211-05
AJ Kelman
有吉弘行 未来

有吉弘行。
彼の猿岩石人気が終わり、仕事がなくなってからは、
7、8年間は月収一桁、給料ゼロの時もあったという。
事務所の先輩からご飯を奢ってもらうことになっても、
「僕、食べなくてもいいですから、僕の分現金でください」
なんて言ってしまう始末。
とにかくお金がなかった頃、
ホームレスになることも、本気で覚悟したそうだ。

そんな低迷期を味わった彼は、
リストラや派遣切りがいつ自分の身にふりかかるか
分からない現代のサラリーマンに、こう言った。

 「自分は大丈夫だ」とか、「ウチの会社だけは安心だ」とか、
 絶対にそんなこと想っちゃいけないんです。
 10年後に会社があるかどうかなんてわからないんですから。
 10年後に家があるかどうかなんてわからないんですから。
 気が付いたらホームレスかもしれませんから。

安定が確保されているなんて、もう過去の話。
未来のことで既に決まっていることは、
「まだ何も決まっていない」ということだけかもしれない。

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原央海 18年2月11日放送

180211-06
Matthew Black
有吉弘行 転換期

有吉弘行。
彼がドン底から這い上がっていった時期、
心の中で、こう決めていたそうだ。
「女性にモテたいという気持ちは辞めて、
同世代の男、一点集中でいこう!男が面白いと思ってくれるなら何でもいいや。」

だからテレビ朝日「内村プロデュース」に出演する時も、基本は裸。
人気絶頂期には考えられない姿である。
しかし、そこから有吉の人気が復帰し始める。
街で声をかけられる時も、猿岩石時代は「感動しました!」だったのが、
男の人からの「面白いですよね!」へと変わっていく。

彼の言葉を借りるなら、こうだ。

 世の中、何がきっかけになるか分かりませんよね。
 「内村プロデュース」に出て裸になって、仕事が来るようになったっていう。
 僕自身はそれで仕事が増えるなんて考えてなかったんで。
 そう考えると、「結局世の中、“運”だよな」って思うんですよ。
 実力じゃねーな、運だけだなって。

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