小林慎一

山本貴宏 19年7月28日放送


Threatened1
キングオブポップに愛された国

マイケルジャクソン。

彼は、自分の曲がどの国でどれだけ売れているかを正確に把握していたという。
日本の支持もまた、彼の耳に届いていたという。

2007年に来日したマイケルが帰国する前夜には、
日本人スタッフの関係者に力強くこんなことを話した。
「50歳になったら記念にツアーをやる、ロンドンで手ごたえを確かめて、その次に大好きな日本でやる」
これが、日本のファンに対するマイケルの最後の言葉になる。

世界中に影響を与えた偉大な彼もまた、多くのファンに支えられていた事実。
マイケルジャクソンと心から両想いだった日本という国が、ちょっぴり誇らしくなった。

topへ

山本貴宏 19年7月28日放送



キングオブポップ ムーンウォーク

マイケルジャクソン。

彼の代表的なダンスである「ムーンウォーク」の原型は「バックスライド」という、
その場でくるくると回る動きだった。
初めてテレビで披露したのはシンガー兼ダンサーのジェフリー・ダニエル。

マイケルはジェフリーへ日本円で12万円相当のお金を支払ってバックスライドを習い、
ジェフリーが苦労した動きを5分でマスターしたと言われている。

その動きを「ムーンウォーク」と命名し、
前に歩いているようで後ろになめらかに進むようにアレンジし、自分の踊りに取り込んだ。

今でも「ムーンウォーク」を真似る人は後を絶えないが、
名前の付け方次第ではここまで広まらなかったかもしれない。

topへ

山本貴宏 19年7月28日放送



ダンスのはなし ブレイクダンス

ブレイクダンス。

1970年代のニューヨークはギャング間の抗争が絶えなかったのだが、
あるDJによる提案で銃撃戦の代わりにブレイクダンスのバトルを用いたことが起源と言われている。

実はこのブレイクダンス、
2024年パリで開催されるオリンピック・パラリンピックの新種目として採用されている。

日本の実力は世界トップレベル。
2018年に行われたユース五輪では金メダル2つ、銅1つを獲得した。

金メダルを獲得した河合来夢(かわいらむ)は2024年に向けて早くも優勝宣言をしている。

topへ

山本貴宏 19年7月28日放送



スニーカー

1916年、アメリカのKeds社はゴム底の靴販売を始めた。
それまでは靴といえばコツコツと音を立てる革靴が主流だった中で、
「より静かな靴」
ということをアピールするキャッチフレーズから生まれたのがスニーカーだ。
今では老若男女問わず人気のスニーカー。
その中でも真っ白なスニーカーが好まれるのは、
洋服や靴はなるべく新品のようなキレイさを保って身に着けることがクール。
としていたアメリカのヒップホップ文化に由来している。

topへ

野村隆文 19年4月13日放送


m-louis
喫茶店の話 〜喫茶店の略語〜

今日4月13日は、
日本で初めて喫茶店がオープンした日。

その昔、喫茶店での待ち合わせは、
デートコースの定番だった。

注文は、略語で頼むのがセオリー。
たとえば、「レスカ2つ」。
これはレモンスカッシュのこと。

他にも、アイスコーヒーを、レイコー。
クリームソーダを、クリソ、などなど。

レトロな喫茶店が再注目されている今、
ちょっと気取ったオーダーに挑戦してみてもいいかもしれない。

注文が通れば、気分は昭和の学生か、はたまた大正の文豪か。

topへ

野村隆文 19年4月13日放送


白石准
喫茶店の話 〜喫茶店の椅子〜

「喫茶店のコーヒーについて語るとき、大事なのは椅子だ」
と語ったのは、作家の片岡義男。

ある名古屋の喫茶店は、
時代とともに変化する日本人の体型に合わせ、
ソファのサイズについて徹底的に研究を重ねた。

別の京都の喫茶店は、椅子を必ず一脚ずつ修理に出す。
修理されて戻ってきたときに、
店の雰囲気がいつもと変わらないように、という心遣いからだ。

ゆったりと落ち着ける空間が、
喫茶店の一杯をさらにおいしくするのかもしれない。

topへ

野村隆文 19年4月13日放送



喫茶店の話 〜カップの向き〜

喫茶店で、運ばれてきたコーヒー。
そのカップの取手は、右と左、どちらに向いているだろうか。

右に向いていると、ブラックがすぐに飲める。
「アメリカ式」と呼ばれる、合理的なセッティング。

一方、左に向いていると、左手で取手を抑えられる。
そうすると、右手で砂糖やミルクを入れ、スプーンで混ぜやすい。
「イギリス式」と呼ばれるのは、紅茶の文化が根付いているからだろうか。

左利きだと話は変わるし、
どちらが正解、というわけでもない。

ただそこには、
おいしいコーヒーを、できるだけ気持ちよく楽しんでほしいという、
ささやかな心遣いが見え隠れしている。

topへ

野村隆文 19年4月13日放送



喫茶店の話 〜ふたつの銀ブラ〜

現存する日本最古の喫茶店、カフェーパウリスタ。
1911年の開業から、今年で108年を迎える。
銀座通りに面した席からは、今もなお、
「」する人たちを眺めることができる。

さて、「銀座の街をぶらぶら散歩すること」を表すこの言葉。
実は、もう一つの由来があると言われている。

なんと、
「銀座のカフェーパウリスタに、ブラジルコーヒーを飲みに行くこと」
だという。
開業当時、店に好んで通った学生たちが流行らせた言葉だとか。

真偽のほどは定かではないが、
銀座という街を歩くこと、そしてその街の喫茶店でコーヒーを飲むことが、
長く愛されてきたことは確かだろう。

ふたつの「銀ブラ」を楽しめるカフェーパウリスタは、
今も銀座の街を静かに見守っている。

topへ

野村隆文 19年4月13日放送


IZAYOI_YUKARI
喫茶店の話 〜一息へのこだわり〜

なぜ、喫茶店は落ち着くのか。

コーヒーの香りは、
脳にリラックス効果を与えると言われている。

また人間の脳は、
適度な話し声やBGMがある方が集中できるという。

さらには、あたたかく店内を包む照明に、革張りのゆったりとしたソファ。
控えめなマスターが淹れる、いつもどおりのブレンドの味。

そんないろいろな要素が合わさって、喫茶店は
誰もがほっと一息つける場所になる。

実は、あのブルーボトルコーヒーのルーツは、
日本の喫茶店文化にあると創業者は語る。

長い時間をかけて培われてきた、こだわりの時間と空間は、
最先端のカフェの中にも脈々と受け継がれているのかもしれない。

topへ

河田紗弥 19年3月17日放送


shok
ちいさなフルコース

ご飯、メインのおかず、副菜に、デザート。
配置や彩り、栄養、旬も考えられた日本のお弁当は
まるでちいさなフルコース。

そんな「弁当」を日本に初めて確立させたのは、
あの織田信長だ。

安土城で働く大勢の軍勢に食事を配るとき、
箱にご飯とおかずを詰めれば、
配膳が楽になるのではと考えた。

そして、そのご飯とおかずを詰めた箱のことを、
「弁(そな)えて、用に当てる」という意味をこめ、
「弁当」と名付けたのだ。

織田信長が名付けた「弁当」という言葉。
今では、海外でもアルファベット表記で「BENTO」として記され、
立派な日本文化になっている。

topへ


login