ガンディーとキリスト教徒の人
自分とまったくちがう信念の人を
友だちに持つことはできるだろうか。
ヒンドゥ教徒だったガンディーは、
キリスト教徒の人とも交流をもっていた。
彼らがすすめる本を、つぎつぎと読み、
礼拝にもいっしょに参加していた。
そんなある日、
熱心なガンディーに彼らは言った。
君もキリスト教徒になりなよ、と。
けれども、ガンディーは自分を見つめた結果、
その誘いを断ってしまった。
そのときのことを、彼はこう振り返る。
彼らがわたしの心のなかに
宗教的な探究心を目覚めさせてくれたことは、
一生の恩として忘れることができない。
わたしはつねに、彼らとの交流を思い出すだろう。
ガンディーと一冊の本
なにかどうしようもなく助けがほしいときに
「神様」の名前を呼んでしまったこと、ありませんか。
ガンディーも、神のありかについて
考えつづけたひとだった。
そして彼はあるとき、運命を変える一冊に出会う。
その本は、こんなタイトルだった。
『神の国は汝自身のうちにあり』
あなたを救うものはきっと、あなた自身のなかにある。
ガンディーと手紙
ガンディーは18歳のときイギリスに留学していた。
そこで出会ったある人に、
ガンディーはとにかくお世話になる。
日々の食事から、友だち探し、そして、女の子の紹介まで。
しかし、実はこのときガンディーには妻がいた。
「勉学にはげむ留学生に恋人がいるはずない」と思われていたので、
言い出せなかったのだ。
真面目なガンディーは
このことにたえられなくなり、
事実を明かそうと決めた。
彼がえらんだ手段は、手紙。
相手を傷つけないよう、
できるだけ誠実に伝えられるよう、
何度も、何度も書き直したという。
その手紙を受けとった人からは、こんな返事がきた。
「ウソのない手紙をもらってうれしい」
うまく伝えきれない気持ちは、
一言一句、ゆっくり、紙にしたためて伝えればいい。