中村組・三國菜恵

敵はそっちじゃない 20110619-1

あーでもない、こーでもない
と言っているうちに、朝。

「〆切近づいた」「やばい・・」という気持ちよりも
「朝だ~」「明るい」の気持ちのほうが先にくる。


                 朝

会場に入ると、
パーテーションで各国ごとに分けられたブースがつくられていて
そこに Mac が一台ずつ配置。
このパソコンで作業をします。


       ユーちゃんの雄姿

会場内では他の PC の持込みは不可。
サイトも getty 以外には接続不可、なので
途中で調べものが必要になると退室しなきゃいけないのが
ちょっとだけめんどう。でも、

ブースはひらけてるので、
他の国の途中経過はチラッと見にいける。

わたしたちは何案かつくっていて、
「どれにしようかな~」状態だったのでこそっと見にいきました。

で、「水」と「アフリカ人」の写真がかなり多かったので
この手の案は避けよう。と、この時決めました。
(それがよかったのかはわからないけども・・
(パッと見、「カブってない」っていうのは大事・・と思う

さて、作業はというと
イラレのバージョンが新しすぎて
ユーちゃんはひと苦労。
わたしは抑えのコピーがなかなか書けず
ずうっと電子辞書と対話していました。

getty の画像検索も、
イメージ通りの画像を見つけたいけど
ベストな検索ワードがなかなか思いつかない。
(辞書片手でも、英語のニュアンスを知らないと
(画像検索はなかなかきつい

あと、€ (ユーロ)マークの出し方がわからなくて
おとなりの韓国の子たちに教えてもらったり。

いろんなことに翻弄されすぎ。
ハード面が万全でないと、こんなにも
何とたたかっているのかわからなくなるのか・・

でも、てんやわんやな中
とりあえず、完成。


         まわりはみんな帰っていた

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24時間たたかいますよ 20110618-4

腹がへってはいくさはできぬ
てなことで、ブリーフィングが終わってとりあえずごはん。
食べる勤勉さだけなら世界一になれそうなわたしたち。


      シェアしようとしたら量が多かった

ホテルにもどって、オリエンシートを改めて読みます。
基本的にはこのシートをちゃんと読めばだいじょうぶ。
ヒアリングが多少できなくても、だいじょうぶ。

パソコンもちゃんと持ってきました。
情報収集のため、
若しくは万が一の助けをもとめるため、
Wifi もちゃんと使えるように手配してきました。
(でも、ホテルも会場も Wifi バリバリ。
(iPad も Facebook もバッチリの人たちが集まるお祭りだもんね

あとは、過去のカンヌの代表事例とか
おもしろいなーと思う広告事例のコピーも
ユーちゃんが持ってきてくれました。

行きづまったときにはチラチラ見ながら
「こういう解決法いいよねえ」とか
「このビジュアルは今回のに近いかもねえ」とか
アイデアの手ざわりみたいなものを二人で共有。
お互いの整理にもなるし、目指す方向を握りやすくなる?
ひとりでつくるわけじゃなくて、ふたりでつくるから
そういうの大事なんじゃないかと思っている。


         でも、もう、ねむさの限界

お部屋にいると空気もこもるし、煮詰まっても来るので
途中、気分転換のためにマクドナルドに出かけました。
※夜1時までやってることを事前に確認

注文内容:
コーヒー(わたし)
アイスティー(ユーちゃん)

カンヌには無糖のアイスティーというものが無いらしく
おいしいけど・・がぶ飲みはできないぞというシロモノでした。
紅茶派の人はちょっとくるしい思いをするかも。


      あたまのなかのもろもろを貼り出す

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やっとこオリエン 20110618-3

牛歩のあゆみで書きすすめています

17時。やっとこオリエン(ブリーフィング)です。

ヤングライオンのお題は
参加国すべての人が理解できるもの
であるべきだというスタンスなので、
基本的に「ソーシャル」ネタが多いです。

動物愛護とか、こどもの人権とか。
オリンピックの誘致、なんてのも過去にありました。
(えーしーとかユニセフみたいなトーンをイメージしてもらうと
(わかりやすいと思います

で、今回のお題はというと「水」。

PumpAid という、
「アフリカに安全な飲み水を提供するために井戸をつくっている団体」が
クライアントになってくれ、実際にオリエンにも来てくださいました。

About Pump Aid (動画あります)

・アフリカの人たちはいま、森の奥地の汚ない水たまりのようなところから飲み水を確保している
・水の確保には下手すると半日ぐらいの時間がかかる
・主に水の確保にあたっているのは子どもたちや女性である
・その道中で危険な目にあうことも多い(強姦など)
・その仕事があるがゆえに学校に行けてない子どももいる
・井戸がたったひとつでも生活の中心地にできると、上記の問題の多くが解決される
・だから、井戸をできるだけたくさんつくりたい。でも、資金が足りない。


お題 :

①井戸をつくるだけで、かなりのアフリカ人の生活を救えるのだということを伝えたい
②そのための寄付金(ひとりあたり月3ユーロ)を募りたい

---

これがオリエン。

想定媒体は 雑誌広告見開き。

ブリーフィング終了から約24時間後の
翌日20時に提出。

さて、どうするかなあ

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レクチャータイム 20110618-2

ざわ、ざわ、しているうちにカンヌ事務局のひとが登場。

ヤングカンヌのプレス部門には
Adobeとgettyimageが協賛してくださってるので
オリエンの前に、そのレクチャーがあるんです。

イラレもその年の最新のバージョンのものを使えるし、
(ADのひとには、実はこれ、けっこう厄介。
(普段会社で使ってるバージョンのよりもかなり新しくて
(機能が多かったり、配置がちがっていたりするから。

ゲッティの写真もすべて使わせてくれる。
(ゲッティの画像しか使ってはいけない、という制約でもある。
(コンペで使うPCでゲッティ以外のサイトに接続すると
(失格になってしまうのです。

提出形式のはなしもこの時に聞きます。

いやー しかしね、
英語聞きとるのムズかったです。
リスニングが苦手なひとは、出発前に
提出形式の基本事項は
前の年に出たひとから聞いておいた方がよいです。
わたしたちはそれで、何とかなったようなもんでした。

ADのユーちゃんは、
マック上の日本語表記(「保存」とか「上書き」とかいろいろあるですよね)を
PrintScreen して持ってきていました。
向こうで使うPCは、文字列の並びは同じでも
当然、英語表記なので勝手がちがうわけです。
一昨年のチームも去年のチームも、
そうして日本語表記の一覧を持っていったと聞いて
わたしたちもそうしました。

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コンペはじまり 20110618-1

コンペの日の朝。
といっても、レクチャー15時。オリエン17時。だったので
9時半ぐらいにゆっくりと起きる。
朝ごはんつきのホテルだったので、ご厚意に甘えました。


        屋上だからきもちがよいのです

栄養もばっちりつけて、いざ会場へ。
ホテルから徒歩5分もかからない距離。


           / じゃーん!\

赤じゅうたあああああああん! ほんものです。
これが見れただけでも、来たかいあったなあ・・
と、早くも目的を達成した気に。

コンペコンペ。
すぐに本番はやってきました。

各国の若者たちがずらーり。
月並みすぎる感想だけれど
「ホントにいろんな国の人がいる・・!」

しばし、ただひたすらドキドキする時間が到来。
そしたら、となりに座ったカナダの女の子が
話しかけてくれました。(自分からはむりだった)

どっから来たの?と言われたので
日本だよと言ったら
TSUNAMIだいじょうぶ?と。
日本のトウホクというところはたくさん被害をうけたけれど
わたしはトウキョウから来たよ。トウキョウは無事。
みんな元気だよ。がんばってるよ。
的なことを一生懸命返す。
そしたら、わたし寄付したよーたいへんだったね。
と返してくれた。本当にやさしいと思った。

今度は前の女の子(たしか、フロム・コスタリカ)から
トーキョーから来たの?わたしトーキョー大好き!
日本語も勉強してるんだよ。と話しかけられる。
「わたしの名前はマルちゃんです」と自己紹介までしてくれた。
マルちゃん!すごい!マルちゃん!

日本が好き!と言ってくれる人は
じつはこのあとも思った以上に多くて、
おもしろいカルチャーを持ってる都市として思われてるみたいだ、
ということが感じられました。

つづく

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出発の日のこと 20110617

わたしは浅草線の沿線に住んでいるのですが
ありがたいことに京成線直通の「スカイアクセス」というものがあって
それで成田空港へ。

朝5時ぐらいに出たのでとてもねむく、
「なりたゆかわ」という駅を「なりたゆたか」と空目。
(ついに愛社心がめばえたのか)
成田周辺の田んぼは朝もやでとてもきれいだったです。

そんなこんなで空港へ。
カンヌへは直行便がないので、
フランクフルトを経由。(ルフトハンザドイツ航空でした)
みんな昼からドイツビール飲んでていいなあ。
でもコンペがあるのでがまんしました。

本屋さんにもちょろっと寄ったら
日本のマンガが翻訳されていっぱい売られてました。

そしてニースへ。
これがニースか!まぶしい!南仏!という日差し。
これが「晴れ」なら日本はいつもちょっと
曇天気味なんじゃないかと思った。

カンヌについたのは現地時間の18時ごろ。
まだすっごく明るい。
22時ぐらいにならないと暗くならないと聞いて驚愕。

機内食を2回も食べたのに
なぜか二人しておなかがすいたので、

(二人というのはわたしと、
(コンペの相方であるユーちゃんのことです。

ホテルの近くのチャイニーズレストランでごはん。
わたしたちがジャパニーズであることを見越してか
店員さんの対応がやたらによい。
一日の最後にやさしい人に会えたので
明日に向けて気持ちよく寝ることができました。

翌日にはもうコンペ。
もう一日ぐらいゆっくり寝たかったのだけれど
容赦がない。「たたかいはもうはじまっている」感。

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そもそもなんでカンヌに行ったのか、の話

カンヌ(広告)祭には、
ヤングカンヌという部門があり
28歳以下のヤングが参加できるコンペというのがあるのです。
http://www.canneslions.com/young_lions/young_lions_competition.cfm

・プレス
・フィルム
・サイバー
・メディア
・ヤングマーケター

と、いろいろ部門がありまして
わたしはプレスの代表として派遣されたということなのです。
いっしょにチームを組んだADの女の子と二人で。

その道中のこととか、コンペのこととか、現地のこととか、
(広告)祭の中身のこととか
書いていけたらなとおもいます(三國菜恵)

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三國菜恵 11年7月17日放送



ヨーロッパの芸術家/フジ子・ヘミング

日本とヨーロッパを股にかけるピアニスト、フジ子・ヘミング。
彼女は、実は絵を描くのも得意。
しかも、その楽しみ方がとてもユニークなのだ。

フジ子は、いちど描いた絵をふたたび取り出し、手を加える。
チョウチョや花を描き足したり、
女の人のスカートを、ちがう色に塗りかえたり。

だから彼女をおとずれた人は、時折ふしぎな顔をする。
いちど見たことのある絵なのに、どこか前とちがうから。

彼女は、いたずらげにこう語ってみせる。

ピアノも絵も今に満足しないで、
もっと上をめざすのが、フジコ流よ。

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三國菜恵 11年7月17日放送



ヨーロッパの芸術家/ランドフスカ

音楽のなかで
つい、もう一回、もう一回と聴きたくなる曲に出会ったこと、ありませんか。

ポーランドうまれのチェンバロ奏者、ランドフスカにも
そんな曲があった。彼女の場合は、バッハ。
その魔力について、こう語っている。

このもう一度と願わせる何かは、
われわれに永遠なるものを
ほのかに感知させているのである。

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三國菜恵 11年7月17日放送



ヨーロッパにゆかりのある芸術家/ロートレック

この人は自分と同じだ。
そう思える人に出会えたとき、
人の運命は大きく動くのではないかと思う。

フランスの画家、ロートレックも
ある日、運命的な出会いを果たす。
モンマルトルのキャバレー、「ムーラン・ルージュ」で。

お金持ちの家に生まれた彼とは
無縁の世界を生きているように見える、娼婦や踊り子たち。
そんな彼女たちと、彼はなぜか仲良くなった。

彼女たちは、人の肩書や見た目を気にしない。
小人のような背丈のロートレックにとって、
それははじめてのことだった。

やっとぼくは、ぼくと同じ背丈の娘たちを見つけたよ。

彼女たちを描いた、たくさんのポスターは
やがてロートレックの代表作となる。

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