つくる人のことば/菊池敬一
こんな本屋、アリなんだ。
そんな声が聞こえてきそうな本屋、
ビレッジバンガード。
創始者である菊池敬一さんは、
自らの店を「遊べる本屋」と称する。
棚を作っていくことを「編集」と呼んでいます。
SFマンガのとなりに、星座の本。
その隣には、地球儀。
連想ゲームのような本棚に、最初は拒絶を示す人もいた。
けれど、今では全国に300店舗。
誰かのルールで並べるのではなく、
自分のルールであたらしくつくる。
そんな本棚は、みんなの心をたのしませた。
つくる人のことば/萩尾望都
「ポーの一族」などで知られる
少女漫画家・萩尾望都(はぎお・もと)。
彼女は、漫画についてこんな考え方をしている。
少年漫画のほうが、比較的ドラマの起伏、事件が起こることが大事。
でも、心理が細かくないと女の子は読んでくれない。
彼女はきっと
男女の違いに気づいてるからこそ、
女の子のための漫画が描ける。
つくる人のことば/藤牧義夫
その人は、東京を描いた。
毎日のように、同じ場所から。
群馬県・館林生まれの版画家、藤牧義夫。
故郷を離れ、出てきた東京で
いくつかの版画を残している。
鉄橋、給油所、沈む夕陽。
その多くは、隅田川からの景色ばかり。
彼は、こんな言葉を残している。
強烈な光が、音響が、色彩が、間断なく迫るその中に、
不安な気持ちで生存する事実
それを唄いつつ 自分は常に強く行く。
生きていることを実感できる景色。
それは、故郷を出てはじめて出会うものなのかもしれない。