遊びの話 すぎやまこういち
讃美歌をうたってくれた祖母。
麻雀名人の父と母。
チンドン屋のおにいさん達。
作曲家・すぎやまこういちは
あそびを愛する大人たちに囲まれて育った。
彼は、ロールプレイングゲーム
『ドラゴンクエスト』の音楽を担当し、
そのメインテーマ曲ができたときのことを
みずからの半生に感謝するかのように
こんな言葉でつづっている。
あれは、五十四年と五分でできた曲だ
遊びの話 岩谷徹
1980年にヒットしたゲーム、パックマン。
あの特徴的なキャラクターは
ある食べものがきっかけで生まれた。
その食べ物は、ピザ。
開発者の岩谷徹(いわたにとおる)は
一切れ食べたときのかたちを見て
「これだ!」と思ったのだという。
最初に女性をターゲットにしようとは決めていて、
「女の子って、ケーキとかデザートとか好きだよなあ」と。
じゃあ“食べる”ことが、なんかゲームにならないかなって。
誰に届けたいだろう。
何をやればその人は喜ぶだろう。
それを四六時中考えていたから、
岩谷には、シェーキーズのピザがパックマンに見えたのだと思う。