ミィ
金原まさ子 A子とB子
明治44年生まれの俳人、金原まさ子は、
良妻賢母になるための女学校に通い、
17歳のときに読んだ谷崎純一郎の「痴人の愛」の
主人公、河合譲治に「なんて不道徳な!」と憤る。
「清く正しく」暮らし、結婚していい母親として、
生きていた。その「わたし」はA子。
しかし、30代で妻としても母としても失格と
宣告されるような体験をする。
自分で自分の心を蹂躙するような毎日。
その時のわたしには、避難所が必要になりました。
清く正しく、道徳的で常識的な「わたし」A子に対するB子。
不道徳で非常識な「わたし」。異常者や死体が出てくる本を好んで読む。
不健全な世界で遊んでいると精神が健やかになる。
そんなB子。それは必要な癒しだった。
A子さんの受け持ちである明るさや健全さは、
暗くあやしい世界を楽しむためにも必要です。
ずっと日に当たらないでいると、人間、衰えてしまいますからね。