erge
楽器の話 ポストホルン
笛を束ねた楽器が起源とされるパイプオルガン。
一方、角笛が起源とされるのが、ホルンです。
狩りの合図に使われていた角笛が、
金属製の狩猟用ホルンとなります。
管の部分をぐるりと巻いて、
馬上でも持ちやすいように工夫されました。
郵便馬車の到着や出発を知らせる、
ポストホルンという楽器も生まれました。
今でも、ドイツ郵便局のマークは、
ポストホルンをモチーフにしています。
それだけ身近だった、ということでしょう。
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楽器の話 ポストホルン
笛を束ねた楽器が起源とされるパイプオルガン。
一方、角笛が起源とされるのが、ホルンです。
狩りの合図に使われていた角笛が、
金属製の狩猟用ホルンとなります。
管の部分をぐるりと巻いて、
馬上でも持ちやすいように工夫されました。
郵便馬車の到着や出発を知らせる、
ポストホルンという楽器も生まれました。
今でも、ドイツ郵便局のマークは、
ポストホルンをモチーフにしています。
それだけ身近だった、ということでしょう。
Jean Louis Martenot
楽器の話 オンドマルトノ
オンドマルトノという楽器があります。
フランスの音楽家であり電気技師でもある
モーリス・マルトノが開発した電子楽器です。
鍵盤に弦が張られた本体と
大小のスピカーを組み合わせた楽器で、
電気回路で音を発生させる仕組みです。
20世紀初頭、電話やラジオなど電気回路を使った
装置が発明されました。
その装置がときに面白い音を発生させる。
それが音楽なるかもしれないと考えた人たちがいました。
マルトノも、その一人。
弦楽器のような音から宇宙的な音まで、
電気が生み出す音の不思議に耳を傾けてみませんか。
白石准
楽器の話 ワーグナーチューバ
ワーグナーチューバという金管楽器があります。
リュヒャルト・ワーグナーが作らせました。
彼は「ニーベルングの指環」、
序夜「ラインの黄金」の、
「神々のヴァルハラへの入城」のテーマに、
フレンチホルンとチューバの中間的な音色が欲しいと考えました。
けれども、彼が求める音色を実現することは難しく、
楽器メーカーも楽器職人も叶えることはできません。
「ラインの黄金」の初演にも間に合いませんでした。
完成したのは、構想から実に20年以上経ったとき。
そんな思いと時間をかけて作り上げた
ワーグナーチューバ。
なのに、リヒャルト・シュトラウスは
その音を「耳障り」と評したのです。
bvriesem
楽器の話 ダモーレ
「ダモーレ」と名がつく楽器があります。
ヴィオラ・ダモーレ、
フルート・ダモーレ、
オーボエ・ダモーレ。
イタリア語の「アモーレ」、愛から来ている名称で、
愛しい楽器、という意味です。
どの楽器も甘く柔らかい音色が特徴。
ヴィオラ・ダモーレは、
直接弾く演奏弦と長い余韻を響かせる共鳴弦があり、
独特な音色を奏でることができるそうです。
その反面、調弦の本数が多く、手間もかかります。
大きな愛が、必要です。
楽器の話 指揮棒
音楽を奏でる道具のひとつ、指揮棒が登場したのは、
1810年代とされています。
それ以前は、通奏低音を担う
チェンバロ奏者が主に指示を出していました。
1829年にメンデルスゾーンが
ロンドンで指揮棒を使ったときには、
とても驚かれたといいます。
それから200年余り、
現在では指揮棒を使わない指揮者もいます。
大切なのはどんな音楽を奏でるか、だからです。
額縁の話 歴史
西洋の額縁は、祭壇画から始まったと言われている。
絵板に描かれた宗教画を取り囲む画枠には、
装飾が施され、庇のようなものが備わっていることもある。
これには、ほこり除けの意味もあったようだ。
日本の額縁は、もともと神社や仏閣の「名」を彫り込んだ
横長の扁額(へんがく)で、
書を篆刻(てんこく)した木の板の縁に、
装飾を彫り込んだものが原型と言われる。
西洋でも東洋でも額縁が「祈り」の場から誕生したことは
とても興味深い。
額縁の話 タベルナクル額縁
左右に柱があり、土台と破風を持った、
聖堂のファサードのような形をした額縁がある。
タベルナクル額縁、という。
タベルナクルは、建築用語で聖人像を置く
壁のくぼみを指す。
ルネサンス期にイタリアで、様々な様式が発展した額縁だ。
植物の連続模様や、渦巻き装飾が施され、時には金も使われていた。
描かれた肖像画を「聖なるもの」として周囲の家具から
区別していたとされる。
ただの豪奢なインテリアではない、
役割があったのだ。
額縁の話 サンソヴィーノ額縁
建築物のような額縁、タベルナクル額縁の中でも、
一風変わった額縁がある。
サンソヴィーノ額縁、という。
ロンドン、ナショナル・ギャラリーのコレクションにある
「聖ヒロエニムスのいる風景」が飾られている額縁だ。
建物の屋根のような大胆な天辺の外枠の装飾、
下辺も両隅の外に突出している。
左右には柱の代わりに女性の胸像があしらわれている。
サンソヴィーノとは、ヴェネツイアの建築家の名で、
サン・マルコ図書館や造幣局を手がけた人物。
しかし、彼の作品とサンソヴィーノ額縁との
関連は見出せないという。
不思議な額縁の不思議なお話。
額縁の話 箱型額縁
16世紀になるとイタリアでは
「カセッタ」と呼ばれる額縁がポピュラーになる。
かセッタはイタリア語で「小箱」。
その名の通り箱型の額縁だ。
凹凸の少ない、幅の広い画枠が特徴で、
そこに装飾が施されている。
上塗りをかき削って、下地の金メッキを見せるように
模様を描いたスグラッフィートという技法がよく使われる。
箱型額縁は基本的にシンプルなデザイン。
けれども外縁の細工はとても細やかだ。
たとえばブリューゲルの「東方三博士の礼拝」が飾られていた
箱型額縁は、クルミ材で作られ、
外縁がカールするように立ち上がっている。
細部には金メッキで細かい模様が施されている。
ブリューゲルがそう望んだのか定かではないが、
控えめながら荘厳に絵を縁取っている。
額縁の話 オランダの額縁
17世紀のフランドル派とされる作品に、
「絵画を陳列した部屋の鑑定家たち」がある。
文字通り、部屋いっぱいに絵が飾られている。
絵画もさることながら、
さまざまなタイプの額縁を見ることができる。
当時この地方で人気のあった額縁だろう。
登場人物の一人が手元に小さな絵を持っている。
その額縁にはシャッターが取り付けられている。
持ち歩く際に絵を保護するためと、
シャッターを開いて絵を見せた時の驚きを楽しむためだろう。
海外の美術館を訪れる際は、
額縁にも注目してみたい。
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