河田紗弥 19年3月17日放送



ちいさなフルコース 日の丸弁当

弁当箱いっぱいに詰められた白いご飯に、
アクセントとなる酸味と赤い色を添える梅干し。

平安時代から漢方薬として扱われてきた梅干しは
保存性に優れ、抗菌・防腐作用があり、
解熱や疲労回復にも効果があるとされる。

そして、日露戦争が始まったころには、
軍需用としても需要が高まり、
ご飯の真ん中に梅干しを埋めた
日本の国旗のデザインに似た日の丸弁当が食された。

今となっては、質素なお弁当のイメージである日の丸弁当だが、
当時は、貧しい家の子どもは、
ご飯に野菜屑などを混ぜて量を水増ししていた。
そのため、白いご飯に、良質な梅干しのお弁当を持参できる
豊かな家の子どもの弁当は
羨望や憎しみの対象になったんだとか。

topへ

河田紗弥 19年3月17日放送



ちいさなフルコース 花見弁当

古くから、上流階級の貴族たちの間で楽しまれてきたお花見が
庶民のものになったのは江戸時代のこと。
徳川吉宗が、庶民の娯楽をつくるために、
隅田川堤や江戸の飛鳥山に桜を植えたことで普及していった。

当時のお弁当箱は、
提重(さげじゅう)と呼ばれる
今の重箱のようなもの。
食事を入れる塗り箱、
それと揃いで作られた取り皿、箸、酒器などを
コンパクトにまとめることができるものであった。

1801年に醍醐散人によって書かれた「料理早指南」には
花見弁当の献立が残されている。
玉子焼き、かまぼこ、蒸しかれい、さくら鯛、ひらめの刺身、
焼きおにぎり
さらには、そして椿餅やきんとんなども用意されていたんだとか。

鮮やかな料理とお酒を片手に、
桜を見上げ、楽しげに語らう姿は
今も昔も変わらない。

topへ

河田紗弥 19年3月17日放送


Joe-Zachs
ちいさなフルコース インドのお弁当

インドの食事といえば、カレー。
もちろん、お弁当の中身もカレーが主流だ。

インドでは、温かく調理された食事を
三食きちんと食べる食文化を大切にしている。

そんなインドだからこそ生まれたシステム
「ダッバーワーラー」というものがある。

インドの最大都市ムンバイで100年以上前に誕生したシステムで、
毎朝ダッバーワーラーが各家を周り、
中身が入ったお弁当箱を回収し、
次々と他のスタッフに引き継いでいき。
お昼の希望時間に熱々のお弁当を届けるというもの。

携帯やGPSがない時代から現在もなお、
電車や自転車、徒歩を駆使し、
お弁当の回収から宅配まで、5〜6人の配達員を挟みながら、
時間通りにお弁当を届けているんだとか。

topへ

河田紗弥 19年3月17日放送



ちいさなフルコース 中国のお弁当

同じアジア圏で、お米もよく食べるお隣の国、中国。

中国では一般的に冷めたご飯を食べる文化がない。
冷めたご飯は、お腹を壊すなど、
体に悪いという考えが古くからあるため、
朝昼晩問わず、あたたかいものを食べる人が多い。

そんな食文化が根付く中国では、
日本のコンビニチェーンのお弁当がオープン当初
全く売れずに苦戦した。

しかし、店内で出来たてのあたたかいお弁当を
買えるようにしたところ大ヒット!

食文化が違えば、お弁当も違う。
ただ、蓋をあけたときの笑顔は世界共通なのだろう。

topへ

厚焼玉子 19年3月16日放送


©️Paul Ashwin
働く猫 ウイスキーキャット

ウイスキーキャットは
スコットランドの蒸留所で働く猫のことで、
「害獣駆除員」として職員名簿に名を連ね、
原料の大麦をネズミから守るのが仕事だった。

ギネスブックに載っているタウザーという
1963年生まれの雌猫は
19年の間に28899匹のネズミを捕まえた記録がある。
これは本人が申告した分を数えただけなので、
申告漏れを入れるともっと多いはずだ。

タウザーは24歳まで長生きをし、
亡くなる1年前には
女王陛下からバースデーカードをもらっている。

topへ

厚焼玉子 19年3月16日放送



働く猫 猫駅長

三毛猫の「たま」は
和歌山電鉄貴志川線貴志駅の初代猫駅長だった。

最初はお隣の商店に飼われていたのが
商店が立ち退きになり、
2006年に貴志駅の駅長に就任。
わずか2年で11億円の経済効果をもたらした。

「たま」を引き取ることに決めた和歌山電鉄の小嶋社長は
「たまちゃん目があった瞬間、
 ピカッとたまちゃんの駅長姿がひらめきました」と
語っている。

2015年、「たま」駅長が亡くなったときは
和歌山電鉄で社葬が行われ、小嶋社長が弔辞を読んだ。
現在、貴志駅では
スーパー駅長ニタマが勤務についている。

topへ

厚焼玉子 19年3月16日放送


bethom33
働く猫 猫殿さま

さんじゅーろーは備中松山城、
つまり岡山県高梁市にある天空の城、
松山城の猫ご城主さまだ。

ご城主さまということは、つまりお殿さまなのだが、
実はこのお殿さま、
2018年7月にお城の三の丸あたりで保護されたらしい。

城主としてのデビューは去年の12月。
いまはお城の管理事務所にいて
一日2回は城内の見まわりを行っている。

殿さまの快適な猫ライフのために
「さんじゅーろープロジェクト会議」も
開かれたそうだ。

topへ

厚焼玉子 19年3月16日放送



働く猫 猫交通指導員

ワシントン州に住むモリソンさんは
今の家に引っ越してきてから
飼い猫のセーブルが仕事を始めたのに気づいた。

近くにある中学校の新学期が始まると
セーブルは交通指導員が来る時間に合わせて
雨の日も風の日も通学路にたたずみ、
生徒の登下校を見守るようになったのだ。

セーブルは名誉指導員として学校にも受け入れられ、
ニュースでも紹介されている。

topへ

厚焼玉子 19年3月16日放送



働く猫 ネズミバスターズ

シカゴのあるビール工場は
原料である麦芽を食い荒らす
ネズミの被害に悩まされていた。

ネズミといえば当然ながら猫。
そこで4匹の猫がやってきた。

たった4匹の猫は驚くべき成果をあげた。
専門の業者が音をあげたネズミの大群を
わずか数日で駆逐してしまったのだ。

この4匹は、昼間は工場を自由に走りまわり
夜は経営者の家でゆったりくつろぎ、
ベッドにトイレ、おもちゃにおやつという
福利厚生も手厚い勤務条件でいまも働いており
その様子がホームページで紹介されている。

topへ

佐藤日登美 19年3月10日放送


udono
浅草、神谷バー

浅草一丁目一番地一号。
この特等席に佇むのは、明治13年に創業した日本初のバー、神谷バー。
ブランデーベースのデンキブランが売りだが、
そのレトロな建物も名物の一つだ。
アーチがあしらわれた丸い窓を持つ神谷ビルは、
東京大空襲にも耐え抜いたという。

周りが焼け野原に変わり果てたなか、奇跡的に
神谷ビルと松屋デパートだけが破壊されず残った。

酒が飲める場所は変わらずそこにある。
その姿は、戦後の人々の希望になった。

今日3月10日は、74年前に東京大空襲があった日。

topへ


login