森由里佳 19年2月17日放送
スープ スープの始まり
やわらかな湯気をまとうスープに浸した、ちぎったパン。
口に含むと、
麦の香ばしい薫りとスープのやさしい味が
ゆっくりとあたたかく拡がってゆく。
実は、これがスープのはじまりです。
もともと保存食だったパンは、
大きなものを焼いておいて、
食べるたびに切り出していたもの。
中世ヨーロッパでは、
硬くなったパンをおいしく食べるために
野菜や豆、肉の煮汁に浸して食べていたそうです。
じんわり、ひたひた、ぽかぽか、ほっ。
今日の夕食に、そんなスープはいかがですか?
森由里佳 19年2月17日放送
hey tiffany!
スープ ブイヤベース
色鮮やかな魚にトマト、ハーブ、サフランなどをお鍋でグツグツ。
見た目にも豪華な魚介スープと言えば、ブイヤベース。
フランス・マルセイユの名物料理だ。
実はマルセイユには、ブイヤベース憲章という
マルセイユ市が定めた公式レシピが存在する。
その一部を紹介しよう。
「ブイヤベースの具材にする魚は地中海の岩礁に生息するものに限定し、
タイ、ヒラメ、オマールエビ、貝類、タコ、イカは入れないものとする」
なるほど、これでは地中海以外の国々が再現するのは難しい。
多くの店でブイヤベース「風」、とされるのもうなずける。
ウィットにとんだプロヴァンスのシェフたちの
いたずらな笑顔が目に浮かぶ。
蛭田瑞穂 19年2月17日放送
スープ オニオンスープ
ニューヨークの55丁目に、
「LA BONNE SOUPE」というフレンチビストロがある。
看板メニューは「オニオンスープ」。
焦げ目のついたグリュイエールチーズがカップをフタのように覆う。
スプーンで割って、スープをすくうと、
タマネギとフレンチバゲット、トロトロに溶けたチーズが糸を引く。
少し冷まして口に運ぶと、濃厚でコクのあるスープがたまらなくおいしい。
「LA BONNE SOUPE」とはフランス語で「おいしいスープ」。
そして「良い人生」という意味もあるという。
おいしいスープのある人生はたしかに、良い人生に違いない。
蛭田瑞穂 19年2月17日放送
スープ ボーン・ブロス
ニューヨーク、イーストビレッジの一角に「brodo(ブロド)」という
テイクアウト専門の小さなスープスタンドがある。
この店のスープはすべてボーン・ブロスと呼ばれる骨の出し汁。
鶏ガラや牛骨からとられたスープは
さらりとして飲みやすく、お腹にも重くない。
それが紙のコーヒーカップで提供される。
この2月にマイナス16度を記録したニューヨーク。
街を歩きながら飲むスープが冬のニューヨークを少しだけ暖かくしてくれる。
星合摩美 19年2月17日放送
Foodista
スープ ポトフ
フランスの家庭料理、ポトフ。
ポトフとはフランス語で「火にかけた鍋」を意味する。
料理の起源を感じさせるその名の通り、
大きめにカットした肉と野菜を煮込むだけの素朴なスープ。
具材の種類や作り方にも、堅苦しい決まりはない。
とはいえ、そこは美食の国。
食べる時は、スープはスープ皿に、肉や野菜は別の皿に盛り付け、
塩やマスタードやサワークリームなどを添え、
味の変化を楽しむのが本場の流儀だという。
星合摩美 19年2月17日放送
スープ ベートーベンの愛したスープ
ドイツの偉大なる作曲家ベートーベンは、
食へのこだわりが強かったと言われている。
なかでも好んだメニューは、パンと卵のスープ。
パンをスープで煮込み、いくつもの生卵を混ぜ入れて食べる。
使う卵も家政婦に任せず、自ら品定めをしたという。
ベートーベンはこんな言葉を残している。
「純粋な心だけが、美味しいスープを作る」
原央海 19年2月16日放送
ラグビー 始まり
ラグビーを生み出したのは、たった1人の少年だった。
約200年前。とある学校でのフットボールの試合中。
興奮した1人の少年が
突然、ボールを手に持って走り出し、ゴールを駆け抜けた。
イングランドのラグビーという町で起きたこの出来事が、
ラグビーの始まりだ、といわれている。
そして、2019年。
日本でラグビーワールドカップが開催される。
熱くなった1人の少年が生み出したスポーツが、
今年、日本中を熱くさせるだろう。
原央海 19年2月16日放送
ラグビー ノーサイド
日本のラグビーでは、
試合終了を「ノーサイド」と呼ぶ。
身体をぶつけ戦った敵同士。
でも、試合が終われば関係ない。
健闘をたたえ合い、同じラガーマンとして1つの仲間になる時に、
敵も味方もどちらのサイドもない。
つまりは「ノーサイド」ということだ。
試合後には、両チームの選手やスタッフが
お酒を飲みながら交流を深めることも。
ゲームセットでもタイムアップでもなく、
すべての戦いの終わりが、ノーサイドであればいいと思う。
原央海 19年2月16日放送
Kirk Wilkinson
ラグビー 子どもとラグビー
ラグビーは、子どもを成長させる。
体力面やスポーツマンシップだけでなく、
「1人は皆のために、皆は1人のために」
といった自己犠牲の精神も学ぶことができる。
元フランス代表キャプテンのジャン・ピエール・リーブ選手はこう言った。
ラグビーは子どもをいち早く大人にし、
大人にいつまでも子どもの魂を抱かせる。
今年のラグビーワールドカップ、開催国は日本。
北海道から九州まで全国12カ所で試合が行われる。
せっかくの機会だ。親子で初めてのラグビー観戦はいかがだろう。
原央海 19年2月16日放送
ラグビー オールブラックス
オールブラックス。
その言葉がラグビーニュージーランド代表を表すことは、
聞いたことがあるかもしれない。
その名の通り、ユニフォームは全身黒。
世界ランキング1位の座は、
2009年から約10年守り続けている。
試合前の「ハカ」という迫力ある踊りも有名だ。
そんなオールブラックスの中でも伝説といえば、
2015年に引退を決めたリッチー・マコウ選手。
年間最優秀選手賞を3回獲得。
キャプテンとしてワールドカップを2度優勝。
華々しい現役時代を飾った彼は、こう言い残した。
魔法は信じない。
努力を信じてるんだ。
彼はいつだって、
限界の向こう側にトライし続けた選手だった。