澁江俊一 18年12月9日放送
GGG
雪の名前
日本語には雨にも
いろいろ名前があるけれど
雪にもまたたくさんの名前がある。
細雪
粉雪
泡雪
名残雪
などの文学的な名前から
ざらめ雪
どか雪
しおり雪
など、積もりかたでついた名前。
こんこんと
しんしんと
はらはらと
など、降りかたの名前まで。
そのひとつで
覚えておきたい名前は、風花(かざはな)。
山などに降り積もった雪が風で飛ばされ、
晴れているのに小雪がちらつく様子。
からっ風で知られる群馬や静岡でよく見られる。
すぐに溶けてしまう、風に舞う白い花。
ぜひ一度見てみたい。
澁江俊一 18年12月9日放送
江戸の雪だるま
日本は雪の多い国。
日本人と雪には
昔から深いつながりがある。
江戸時代の雪だるまの形をご存じだろうか?
描いたのは江戸後期の浮世絵師、
歌川広景(うたがわひろかげ)。
これはとても貴重な文化資料だ。
その雪だるま、
人の背丈よりかなり大きく
あの赤いだるまと同じ形。
顔の前には魚などの
お供え物が置かれている。
どうやら縁起物だったようだ。
江戸時代の浮世絵には他にも
雪で大きなガマ蛙や仔犬を
つくる様子も描かれている。
子どもだけではなく
大人たちも楽しそうに
雪の中を動き回っている。
いつか溶けてなくなる雪で
愛らしい形をつくりだす。
雪と遊ぶ日本の粋な心がここにある。
奥村広乃 18年12月9日放送
kazutan3@YCC
雪だるま選手権
真っ白な雪は、想像力を刺激する。
「雪だるま選手権」
SNSでこのハッシュタグを検索すると
雪だるまの概念が覆る。
愛らしい動物の姿、
有名なキャラクター、
ちょっぴり怖い人間の像まで。
様々な雪だるまを見ることができる。
雪だるまも多様性の時代。
丸いボールのような雪玉を
重ねるだけが雪だるまではないのだ。
あなただったら
どんな雪だるまで、
「#雪だるま選手権」に参加するだろうか。
松岡康 18年12月9日放送
天然の冷蔵庫
雪国で昔から活用されてきた、雪室(ゆきむろ)。
雪を高く積み上げ、藁などで囲むと、
中は温度0℃湿度90%以上と、年間を通して一定となる。
そこに穴をあければ雪室の完成だ。
それはまさに、天然の冷蔵庫。
実は近年、この雪室が持つすごさが科学的に証明されてきている。
例えばじゃがいも。
実験では貯蔵8カ月で糖度が2倍にもなった。
これは一定の温度・湿度かつ、電気による振動が無いために
植物をストレスなく熟成できるためだという。
じゃがいもだけでなく、日本酒、肉、コーヒーまで雪室で眠ることで
抜群に美味しくなるという。
雪が降ったら思い出してみてほしい。
今日も雪室の中で美味しいが育っている。
礒部建多 18年12月9日放送
alanmayers
南国の雪景色
常夏の島にも、雪は降る。
南国の楽園として知られるハワイ島。
標高4205mと富士山よりも高いマウナ・ケアの
山頂付近は雪に覆われることがある。
頂上には、氷河時代の名残である永久凍土もあると言う。
冬に雪が降るのはもちろんだが、
2015年の7月には、夏にも関わらず暴風雪に見舞われた。
気象センターさえ予想できないマウナ・ケアの天気を、
現地の人々は神の仕業だと言う。
その山は、神聖な場所として崇められており、
「ポリアフ」と言う
雪の女神が住んでいると伝えられている。
ハワイ神話に登場する女神の中で、
「最も美しい」と称されるポリアフ。
そんな女神が山肌に施す雪化粧は、
神秘的で、息をのむほどに美しい。
礒部建多 18年12月9日放送
Aozora-UmiDaichi-(青空海大地)
雪の知らせ
雪の結晶の形は、
35種類に分類されると言う。
しかし分子レベルで見れば、同じ結晶はひとつもない。
中谷宇吉郎は、その美しさに魅せられ、
雪について研究を重ねた物理学者だ。
上空の湿度や温度、
様々な条件によって、結晶の形は少しずつ変わる。
つまり、その形を見れば、
気象状態などがつぶさにわかると言う。
3000枚もの結晶の写真を収集してきた中谷は、
こんな言葉を残している。
「雪は天から送られてきた手紙である。」
静かに降り注ぐ雪も、
中谷にとっては雄弁であったのだ。
松岡康 18年12月9日放送
火星の雪
火星にも雪が降るといわれている。
地球から6,700㎞離れている火星は、
平均気温が-43℃と極寒。
地球のように雨が降ることはなく、海や川もない。
ただ、雪は降るのだという。
雪は凍った水と二酸化炭素の化合物。
火星で雪が降るのは南極だけで、
さらに、ある一定の期間だけだという。
それはまるで、地球の冬の様に。
いつか、人類が火星に降る雪を見られる時代が来るかもしれない。
四宮拓真 18年12月8日放送
中岑 范姜
トイレの神様~
外国人からすると、
日本人のトイレへの思い入れは
驚きでしかないらしい。
中国のある新聞は、
日本人のトイレへのこだわりはもはや「文化」であり、
日本においてトイレは「神格化」されている、と報じた。
そういえば、「トイレの神様」なんて歌もあった。
忙しい日常のなかで、
完全にひとりになれるのがトイレ。
神様に少し近づける場所、なのかもしれない。
四宮拓真 18年12月8日放送
本屋でトイレ~
本屋に入ると、
妙にトイレに行きたくなる。
そんな経験はないだろうか。
ある調査によれば、
約5割の人が経験しているらしい。
実はこの現象、名前がついている。
その名も、「青木まりこ現象」。
かつて、この事実を雑誌に投書した女性の名前だそうだ。
「マリコ・アオキ・フェノメノン」として、
海外でも報じられた。
あ、トイレに行きたくなったら、ゴメンナサイ。
四宮拓真 18年12月8日放送
Staff Sgt. Alexander Cedillo
トイレをすべての人に~
トイレがある生活はあたりまえ。
しかし、ユニセフによれば、
いまでも地球上の3人に1人は、
トイレがない生活を送っている。
そんな状況を変えるかもしれない発明がある。
簡易トイレ「SaTo」(サトー)。
Safe Toiletの頭文字を取ったこのトイレは、
簡単に設置できて、わずかな水で清潔に保てて、
そしてなにより、安い。
5ドル以下で購入できるそうだ。
トイレメーカーの技術者は語る。
人間は、みんなトイレを持つ権利がある
今日も世界のどこかで、
トイレに情熱を注ぐ人がいる。