大友美有紀 18年8月5日放送
Rita Willaert
「遠いアフリカ」ブルキナファソ 2つの祭典
今日は、ブルキナファソの独立記念日。
西アフリカの内陸にある、あまり知られていない国。
日本の約70%の国土を持ち、人口は約1800万人。
60以上の部族。失業率は3%。
主な輸出品は、金と綿と胡麻。
この国には2つの文化の祭典があります。
偶数年の10月に開催される国際工芸見本市。
各部族の伝統工芸品、木の彫刻やろうけつ染め、
銀細工を目当てにアフリカ各国から人が訪れます。
奇数年の2月に開催される、パン・アフリカ国際映画祭。
40年以上の歴史があり、多くのアフリカ出身の映画監督が
ここで注目を浴び有名になっていきました。
今年は偶数年、そして来年は奇数年。
秋の休暇か、冬の休暇に、遠い遠い西アフリカの国、
ブルキナファソを訪れるのもいいかもしれません。
佐藤延夫 18年8月4日放送
G_o_o_f_y
花火について 割物
打ち上げ花火の代表的な形を割物と呼び、
「菊」と「牡丹」の2種類に分けられる。
「菊」は、中心から外に向かって長く尾をひく。
一方「牡丹」は、開花したらすぐ、特定の色になっている。
それは、花火玉の中に「引き」という火薬の層があるかないかの違いだそうだ。
余韻の残る花火がいいか、潔くパッと消える花火か。
そんなことを考えながら眺める夜空も、いいものだ。
今日8月4日は、
全国で多くの花火大会が開催される。
佐藤延夫 18年8月4日放送
花火について 工程
花火の玉の中には、
2種類の火薬が詰められる。
ひとつは、花火を爆発させるための「割火薬」。
もうひとつは、光や色を発する火薬で、「星」と呼ばれる。
割火薬と星の間には、
お互いが混ざらないように「間断紙」という和紙を挟み、
さらに全体を「玉皮」という丈夫な紙で包み込む。
もちろん、ほとんど手作業で行われる。
花火は、夏の夜に一瞬で消えてしまう
日本の伝統工芸品なのだ。
佐藤延夫 18年8月4日放送
花火について 浮世絵
江戸時代の錦絵を見ると、
当時の花火の様子を知ることができる。
たとえば、五雲亭貞秀による
「東都両国ばし夏景色」。
何艘もの船が隅田川を埋め尽くし、
いたるところに出店があり、
橋の上には人の群れ。
しかし、一晩に点火される花火は、
わずか20基くらいだったという。
時代は変わり、
今では2万発、3万発も珍しくない。
浮世絵師が見たら、さぞ驚くことだろう。
佐藤延夫 18年8月4日放送
花火について 色
夜空を見上げれば、赤、青、緑。
さまざまな輝きを放つ現代の花火と違い、
江戸時代の花火は、地味で暗めの橙色だった。
その理由は明快で、
派手に燃焼する材料がなかったからだ。
当時使用した黒色火薬の原料は、
木炭、硫黄、硝石が基本となり、
やがて鉄粉や樟脳、松ヤニなどを混ぜるなど
工夫を凝らした。
マッチのように鮮やかな色を出す
強力な酸化剤、塩素酸カリウムや
金属化合物が手に入ったのは、
明治時代以降となる。
テレビの時代劇で花火のシーンに出くわしたら、
その色を見てみよう。
あまりに鮮やかな花火だったら、
それは偽りの花火だ。
佐藤延夫 18年8月4日放送
花火のこと 歴史
日本で最初に花火を見たのは、
徳川家康、または伊達政宗、という2つの説がある。
三代将軍、徳川家光も花火を好んだが、
そのブームは庶民にまで広がり、火事が多発する。
家光は5回にわたり、花火禁止令を出す羽目になった。
両国の花火が始まったのは、八代将軍、吉宗のころだ。
大飢饉とコレラの流行で亡くなった人々を弔う水神祭が、
その始まりとされている。
多くの人が夢中になれる花火だが、
夜空を見上げる一瞬、悲しいことを忘れられるのも、花火だ。
松岡康 18年7月29日放送
craigdietrich
世界一小さい公園
アメリカ、オレゴン州
ポートランドの中央分離帯に、
直径約70cmの小さな植え込みがある。
この小さな植え込み、
実は公式に市からも認定されている
れっきとした公園なのだ。
もともと街灯が建つはずだった穴に、
新聞のライターが植物を植えたのが始まりだった。
彼はこの場所を、
妖精が暮らす公園とし、新聞にコラムを書き始めた。
コラムは地元の人から愛され、
行政もここを公園として認めたのだった。
すべり台もジャングルジムも要らない。
物語さえあれば、そこはみんなから愛される
公園になるのかもしれない。
松岡康 18年7月29日放送
読書のための公園
休みの日は、ゆっくりしたい。
けど、だらだら家で過ごすのは嫌だ。
そんな人におすすめなのが「外読書」だ。
東京都杉並区中央図書館に隣接する「読書の森公園」。
ここは読書を楽しむために作られた公園だ。
気持ちの良い広々とした芝生。
それを囲むように置かれたベンチ。
池のほとりに立つ東屋。
図書館で借りた本を広げ、自然を感じながら読むと、
読書の時間がもっと大切な時間になる。
日常につかれたら、是非でかけてみてはいかがだろう。
読書のための公園が、あなたをきっと癒してくれる。
澁江俊一 18年7月29日放送
公園の父
本多静六(ほんだせいろく)
という男を、知っているだろうか?
日比谷公園や明治神宮、
埼玉の羊山公園や福岡の大濠公園など
日本を代表する公園をいくつも設計した
「公園の父」と呼ばれる人物だ。
静六はたいへんな倹約家で
収入の1/4は必ず貯蓄をし、
株式や山林へ投資して巨額の富を得た。
倹約の理由は、
いつでも仕事を辞められる財産があれば、
やりたくない仕事はやらずに、
自由に働けるから。
しかし退官を機に静六は、ほぼすべての資産を
匿名で教育、公共機関に寄付する。
その理由は、子どもの教育によくないから。
本多静六。
こんなにも気持ちのいい男が
日本の名だたる公園をつくってくれていたなんて。
いつもの公園で、いつもより
気持ちいい時間が過ごせそうだ。
奥村広乃 18年7月29日放送
Aimaimyi
タイヤ公園
東京都、大田区、蒲田。
ここに一風変わった公園があるという。
その名も西六郷公園。
通称タイヤ公園だ。
名前の通り、公園内はタイヤだらけ。
タイヤのブランコ、
タイヤの道、
タイヤのジャングルジム。
園内には、3000あまりものタイヤがあるという。
中でも目を引くのは、
高さ8メートルもある、タイヤ怪獣。
この公園のシンボルだ。
使われなくなったタイヤを集めて作ったというこの公園。
ただ面白いだけでなく、エコでもあるのだ。