川野康之 18年6月23日放送

180623-02

男と女の『古事記』

『古事記』が伝える日本神話。
そこには生き生きと愛し合う男と女の姿が描かれている。

イザナミが死んだ時、イザナギはどうしてもあきらめきれなくて、
死者の国にまで探しに行った。
でもそこで見つけた愛する人は変わり果てた醜い姿になっていた。

「見ないでって言ったのに」

その顔を見て、イザナギは怖くなって逃げた。
追いかけてくるイザナミ。
振り切ったイザナギは、黄泉の国の出口を岩でふさぎ、
こうして二人の間は永遠に終わりになった。

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川野康之 18年6月23日放送

180623-03

男と女の『古事記』

『古事記』が伝える日本神話。
そこには生き生きと愛し合う男と女の姿が描かれている。

スサノオは乱暴者であった。
田畑を壊し、用水路を埋め、神殿に汚物をまいた。
父を怒らせ、姉を困らせ、ついには神々に追放されてしまった。
そんなスサノオが遠い出雲の地で、
怪物への生け贄にされそうだった一人の少女と出会う。
彼女のために怪物と闘って、命を救った。
スサノオは誇らしいすがすがしい気分だった。
やっと自分のいる場所を見つけたような気がした。
その地に家を建て、少女クシナダヒメを妻にし、歌をうたった。

 八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣つくる その八重垣を

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川野康之 18年6月23日放送

180623-04
Flow in edgewise
男と女の『古事記』

『古事記』が伝える日本神話。
そこには生き生きと愛し合う男と女の姿が描かれている。

オオナムヂは末っ子で体が小さくて、兄達からひどくいじめられていた。
何度も殺されそうになって、とうとう逃げ出した。
助けを求めに行った家で、そこの娘スセリビメと出会った。
その瞬間、お互いに一目ぼれ。
二人はさっそく愛し合った。
それを聞いた娘の父は怒った。
無礼な若者に次々と過酷な試練を与える。
ひ弱だったオオナムヂは試練を克服するうちに、
しだいに強くたくましくなって行った。
とうとう娘を父の手から奪い取った。

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川野康之 18年6月23日放送

180623-05

男と女の『古事記』

『古事記』が伝える日本神話。
そこには生き生きと愛し合う男と女の姿が描かれている。

スセリビメを手に入れて自信満々のオオナムヂ。
自分をいじめた兄達を追い払い、
山のふもとに立派な宮殿を建てて、王となって国づくりを始めた。
日本中を歩きまわり、いい女を探して妻にした。
そんな彼を人はヤチホコと呼んだ。
正妻のスセリビメは嫉妬して、
ある日、馬に足をかけて出かけようとするヤチホコを引きとめ、
熱い思いを歌にして訴えた。
わたしにはあなた以外に男はいない、あなた以外に夫はいないと。
これにはヤチホコもくらっときた。
二人はお互いの首に手をかけあっていつまでも仲良く暮らしたとさ。

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澁江俊一 18年6月17日放送

180617-01

マンハッタンの語源

今日はニューヨークに
自由の女神が贈られた日。

ニューヨークにはかつて
先住民族レナペ族が住んでいた。
魚や貝、鳥や鹿などを狩り
トウモロコシやカボチャなどを栽培し。
限られた資源で豊かに暮らしていたレナペ族。
彼らの文化は今もまだ、
ニューヨークの地名として残っている。

例えばマンハッタン。
これは「丘の多い島」または
「我々がみな、酔っぱらいにされた島」
という意味だったという説がある。

確かにマンハッタンの人々は
いつも新しい刺激に酔っている。

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田中真輝 18年6月17日放送

180617-02
Susan NYC
ニューヨーク 街の通奏低音

今日はニューヨークに
自由の女神が贈られた日。

ニューヨークシティ。
その街角に立って、耳をすますと、
街の喧騒の最も奥に、途切れることのない
唸りのような音を感じることができるはずだ。

耳からというよりは、
全身の細胞を震わせる振動として伝わってくる。
一説よると、人の営みが生み出した音は、
地中深く打ち込まれた高層ビルの鉄骨を通じて
マンハッタン島の固い岩盤を振動させる。

その振動が共鳴しながら跳ね返され、
街全体に広がっていくのだと言う。
ニューヨークが常に高揚感に満ちているのは
この絶え間ないバイブレーションに人々の魂が
揺さぶられ続けているからなのかもしれない。

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澁江俊一 18年6月17日放送

180617-03
InfoMofo
街の両雄

今日はニューヨークに
自由の女神が贈られた日。

ニューヨーカーが
愛してやまないスポーツ、野球。
ニューヨークに在籍する
メジャーリーグのチームは2つ、
ヤンキースと、メッツだ。
リーグが異なる両チームが対戦する試合は
交流戦で年間4試合あり
サブウェイシリーズと呼ばれ
ニューヨーカーを熱狂させている。

地下鉄で移動できるほど近い両チームが
過去一度だけシーズン優勝をかけて争ったのは
20世紀最後の年、2000年のことである。

地下鉄にもそれぞれのチームカラーの
特別デザインが施され、
ニューヨークの街は熱狂した。

結果は4勝1敗でヤンキースの優勝。
メッツがリベンジできるのは、
いつになるだろう。

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澁江俊一 18年6月17日放送

180617-04
Chung Chu
都市の中の自然

今日はニューヨークに
自由の女神が贈られた日。

ニューヨーカーや
観光客から愛されつづける
セントラルパーク。
森があり、起伏があり
湖があり、花が咲き乱れ
まるで自然そのままの風景だ。

自然の景観と生態系を公園に取り入れる、
その形が決まったのはおよそ160年前
アメリカ造園界の父、
フレデリック・ロー・オルムステッドのプランによる。

しかしこの土地、岩、泥、沼が多く、
開拓するのは至難の技で、
完成まで20年近くもかかった。

人と自然の共同作業。
それが時を超えて愛される
大都会のオアシスをつくったのだ。

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澁江俊一 18年6月17日放送

180617-05

若き英世の思い出

今日はニューヨークに
自由の女神が贈られた日。

ニューヨークに
ゆかりのある日本人といえば、野口英世。

福島の農家に生まれた英世は
独学で医学を学び渡米し経験を積み
1904年にロックフェラー医学研究所で
働き始める。

寝る間を惜しんで研究に没頭し
その優れた研究成果が
幾度となくノーべル賞の候補にもなった英世。
その多くは彼のニューヨーク時代になされている。

真面目な印象で知られる英世だが
実は遊びにも酒にも
研究と同じくらい没頭していた。

当時のニューヨークは世界最先端の都市。
英世はその街を遊び歩きながら
何を語り、何を思っていたのだろう。

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田中真輝 18年6月17日放送

180617-06
image munky
マンハッタンヘンジ

今日はニューヨークに
自由の女神が贈られた日。

マンハッタンヘンジ
という現象をご存知だろうか。

マンハッタンには、
大きな通りが碁盤の目のように走っている。
年に二度、その東西の大通りに丁度沿うようにして、
太陽が沈む現象、それがマンハッタンヘンジだ。

その呼び名はもちろん、
春分、秋分の日の日没に沿うように
石が組まれたストーンヘンジに由来する。

かつて古代の人々は
ストーンヘンジに沈む太陽に向かって
神聖なるものへの謙虚な祈りを捧げた。
いま、世界の富と繁栄を象徴する場所に住む人々は
摩天楼を真っ赤に染めながら沈む太陽に、
何を思うのだろうか。

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