石橋涼子 17年12月31日放送
大晦日の話し 大晦日
江戸時代では、大晦日と言えば、
ツケ払いをした買い物の支払いを清算する日でもあった。
井原西鶴の書いた『世間胸算用(せけんむねさんよう)』は、
大晦日に借金取りと奮闘する町人たちの物語だ。
居留守や仮病、ケンカなど、あらゆる手段で商人から逃げようとする
人間臭い駆け引きが、ユーモアたっぷりに描写され
西鶴晩年の傑作とも言われている。
西鶴は、大晦日にまつわるこんな句も残している
大晦日 定めなき世の 定めかな
当時は徳川綱吉の治世で変化の慌ただしい世の中。
それでも大晦日は定め通りにやってくる。と、解釈することもできるが、
それでも大晦日の借金取りだけはちゃんとやってくる
と解釈することもできる。
人気者の西鶴先生も、町人と同じ苦労をしていたと考えれば
親しみも倍増するというものだ。
今日は大晦日。
2017年最後の日。
茂木彩海 17年12月31日放送
大晦日の話し 大晦日の決意
大晦日に立てた新年の目標を達成できた人は、
実際のところどれほどいるのだろう。
大抵は、ほこりを被った去年の目標をもう一度発掘したり、
大きな目標を新調したり。
進歩しているやら、していないやらで行ったり来たりしてしまう。
そんなあなたに、
女優、カレン・ラムの言葉を捧げたい。
あなたは一年後、今日始めなかったことを後悔しているかもしれない
小さくても明日からすぐ始められる目標を考える。
今年はそんな大晦日でも良いかもしれない。
小野麻利江 17年12月31日放送
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大晦日の話し 蕎麦
大晦日に蕎麦を食べる由来には、諸説ある。
「細くて長いから、長寿につながる」とか、
逆に「切れやすいから、災いを断ち切れる」とか。
さらには、
金細工で飛び散った金粉を蕎麦粉で集めたことから、
「金(かね)を集めるもの」と縁起を担がれた、
という由来も有力だという。
今日は大晦日。
あなたはどんな願いをこめて
お蕎麦をすすりますか?
小野麻利江 17年12月31日放送
大晦日の話し 世界の大晦日
今日は大晦日。
日本では年越し蕎麦を食べ、
除夜の鐘をつきに、お寺に出かける人もいる。
今日は大晦日。
スイスでは、アイスクリームをスプーンですくって床に落とす。
「新しい年も幸運や平和、豊かさであふれるように」
という意味があるという。
今日は大晦日。
ルーマニアの一部の地域では悪霊を払うために、
クマの衣装に身を包み、ダンスをして年を越す。
今日は大晦日。
エストニアでは今日1日だけ、
7回・9回・12回など、何度も食事をする。
7・9・12が、エストニアの人にとっての
ラッキーナンバーだからだという。
国や地域によって過ごし方に違いはあれど、
「来年も良い年になるように」という願いは、世界共通。
今日は大晦日。
2017年最後の日。
薄景子 17年12月31日放送
大晦日の話し マザー・テレサの言葉
今年もあっという間だったなぁ…。
1年の終わりを迎えるたび、加速していくばかりの
時間の速さにため息がこぼれる。
できたこと、できなかったこと、
いろいろあるけれど、それはもう過ぎた話。
来年はどんな年にしようかと
思いをめぐらせていると、
ふと、マザーテレサの言葉を思い出す。
大切なのは、
どれだけたくさんのことをしたかではなく、
どれだけ心をこめたかです。
あと少しで2018年。
来年は、心をこめて
何かをなしとげる年にしよう。
何をするかはさておいて。
茂木彩海 17年12月31日放送
大晦日の話し 除夜の鐘の音
大晦日の風物詩、除夜の鐘。
今年を振り返ったり、来年に思いを馳せたり。
鐘の音を聞いていよいよ年が変わることを実感するものである。
ところがこの鐘の音も、第二次世界大戦中には金属回収令により
釣鐘が失われ、聞くことができなかった。
鐘の音が無い大晦日を過ごした
歌人、高田保馬はその静けさをこんな短歌で表現している。
除夜の鐘遂にをならず夜更けて今さらなれやこのゆゆしさは
大晦日。
響く鐘の音は、平和の証。
佐藤理人 17年12月30日放送
Adam Jones, Ph.D. – Global Photo Archive
パーティアニマルズ 「フレディ」
最も豪華なパーティを開いたロックスターは誰か。
答えはクイーンのフレディ・マーキュリー。
退屈は罪だ
そう言って彼は35歳の誕生日、
飛行機をチャーターし、
友人たちをニューヨークまで呼び寄せた。
ホテルのスウィートルームを貸し切った、
5日間のパーティの総額は8000万円。
2016年の、生きていれば70歳の誕生日。
バンドのギタリスト、ブライアン・メイが彼を偲び、
火星と木星の間の小惑星に彼の名をつけた。
フレディは本物のスターとして
夜空で輝き続けている。
佐藤理人 17年12月30日放送
パーティアニマルズ 「ペイジ」
レッド・ツェッペリンのギタリスト、
ジミー・ペイジは人気絶頂だった1974年、
オカルトにとりつかれていた。
20世紀で最も悪名高い魔術師
と呼ばれたアレイスター・クロウリーの別荘で、
幽霊が出るという曰くつきの屋敷、
ボーレスキンハウス
を買い取り、
夜な夜な怪しげな黒魔術パーティを開いた。
すると不思議なことに、
バンドの関係者が次々と謎の死を遂げ始めた。
ドラマーのジョン・ボーナムが亡くなると、
さすがのペイジも怖くなり、
屋敷を手放しオカルトと縁を切った。
佐藤理人 17年12月30日放送
yuichi.sakuraba
パーティアニマルズ 「タイラー」
ホテルのベランダからテレビを投げる。
ロックバンドにお約束のこの行為も、
エアロスミスのスティーブン・タイラーにかかると、
アートになる。
延長コードをつないで画面をつけたまま落とすんだ。
プールに飛び込んだとき、きれいに爆発するんだよ。
長いコードを特注で作る熱の入れよう。
それに飽きるとチェーンソーで家具を切り刻んだ。
ギタリストのジョー・ペリーが、
マシンガンでシンバルをバラバラにし始めると、
スタッフにはこんな指令が飛んだ。
姿を24時間見かけなかったら生死を確認しろ。
佐藤理人 17年12月30日放送
パーティアニマルズ 「ムーン」
1964年から1978年にかけて
世界中のホテルに恐れられた男、キース・ムーン。
ロックバンド、ザ・フーのドラマーだった彼は、
ツアーのたびにホテルを徹底的に破壊した。
壁に食べ物を投げる。廊下に消火器を撒く。
ピアノを粉々にする。爆竹でドアを吹き飛ばす。
車でプールにダイブする。
乱痴気騒ぎは留まるところを知らず、
警察が駆けつけ、威嚇射撃をすることさえあった。
そんな彼を人は、
壊し屋
と呼んだ。14年間の被害総額、1億4000万円。
年をとる前に死にたい
そう嘯いた男は薬の過剰摂取が原因で、
32歳でこの世を去った。新聞は、
現代音楽で最も才能あるドラマーの死
と悼んだ。