佐藤延夫 20年6月6日放送



楽器の日  楽器じゃなくても

楽器と名のつくものだけが、楽器ではない。
ビリヤードの玉。
笑い袋。
バケツ。
塩化ビニールの管。
音の出るおもちゃ。
グラス。
鍋。
フライパン。
自転車。
野菜。

叩いた瞬間、吹いた瞬間、音が出れば、
それはもう立派な楽器だ。
R.E.M.、デヴィッド・ボウイ、キング・クリムゾン。
何人ものアーティストが、
楽器ではない楽器を使い、
新しい音楽を切り開いた。

今日6月6日は、楽器の日。
とりあえず目の前のものを叩いてみよう。

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薄景子 20年5月31日放送



音楽の力 世界のリモートライブ

音楽には力がある。
それを改めて実感した2020年春。

世界中のミュージシャンたちが
リモートでセッションし、合唱し、つながりあう。
前代未聞のライブの数々に、
どれだけ多くの人が胸を熱くしたことだろう。

フランスの詩人、ヴィクトル・ユーゴーは言った。
音楽は人間が言葉で言えないことで、
 しかも黙ってはいられない事柄を表現する
」と。

言葉にならない想いを届ける人類応援ラプソディ。
世界がライブ配信し続ける数々の曲を味方につければ
きっと希望が見えてくる。

さあ、音楽の力を、明日の力に。

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薄景子 20年5月31日放送



音楽の力 歌うこと

気持ちがふさぐとき、
先の見えない未来に、不安に駆られるとき。
自分を癒し、勇気づける歌がある。

子どもの頃好きだった、アニメのテーマソング。
初めてお小遣いで買ったCDのあの曲。
ライブに行くたび、勇気をもらった大好きなメロディ。

ふと口ずさむだけで、
気持ちを別の世界へ連れて行ってくれる歌。
そんな曲を歌ううちに、
なんとかなるさという気分になる不思議。
実際、声をだして歌うことで、エンドルフィンという
幸せホルモンが分泌され、免疫力も高まるという。

アメリカの哲学者、ウィリアム・ジェームスは言った。
「人は幸せだから歌うのではない。歌うから幸せなのだ」と。

自分を幸福にする歌を一番知っているのは、自分自身。
さあ、音楽の力を、あなたの力に。

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小野麻利江 20年5月31日放送



音楽の力 歌う国・イタリア

歌う国、イタリア。

古くからイタリア人は
「歌うこと」や「旋律をつくること」が得意だとされ、
西洋音楽の歴史の中で、
数多くの声楽曲を生み出してきた。

「グレゴリオ聖歌」などの聖歌を皮切りに、
中世の典礼劇、ラウダと呼ばれる宗教歌、
マドリガーレやバッラータ、カッチャと呼ばれる多声音楽、
近世に入って生まれたオペラ、
そして、カンタータ・・・

時代を経て音楽の様式は変わっても、
伝わりやすい歌詞と、流麗で抒情的な旋律。
この2つを愛する心が、失われることはなかった。

そして、2020年3月。
新型コロナウイルスの感染拡大で
イタリア全土が封鎖状態にある中、
ナポリやシエナで、
自宅に閉じ込められた住民が
窓から一斉に合唱する姿が報道された。
トリノでは、オペラ歌手が
ベランダからアリアを歌い上げる様子も話題になった。

歌う国、イタリア。
どんな状況にあっても、彼らは彼らの人生の中に、
美しい旋律が流れていることを忘れない。
さあ、音楽の力を、日々の力に。

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若杉茜 20年5月31日放送



音楽の力 音のニッチ仮説

夏の足音が聞こえてきた今日この頃、
生き物たちの声がそこかしこから聞こえてくる。

「音のニッチ仮説」という考え方がある。
生き物たちはそれぞれに違った周波数帯で、互いに被らないように鳴き声を発しているというものだ。

豊かな自然に行けば行くほど、
耳に届く生き物たちの声は重層的になる。

さながらオーケストラを聴いているように
感じたことが、1度はおありではないだろうか。

遠出が難しい今こそ、
身近な生き物たちのオーケストラに耳をすませて見よう。
さあ、音楽の力を、日々の力に。

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茂木彩海 20年5月31日放送



音楽の力 音楽がもたらすもの

時間に追われ、せわしなく過ごしていた毎日から一転。
急な変化で、おうち時間が増えたこの頃。

好きな音楽を聴きながら仕事をしたり、読書をしたり、運動したり。
音楽のある生活を楽しんでいる人も多いのではないだろうか。

かのシェイクスピアも、
音楽は脳みそに刻まれた厄介ごとを消し去ることができる、と
400年前に言っているし、音楽には実際にドーパミンの量を増やし、
ストレス関連のホルモンを軽減させる力があることは周知の事実である。

まさにいま、私たちは人類総出で、
音楽の力を借りていると言ってもいいだろう。
国境を超えて、ジャンルを超えて、いま世界中が音楽に助けられている。

さあ、音楽の力を、あなたの力に。

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熊埜御堂由香 20年5月31日放送



音楽の力 手洗い動画の歌

♪Happy Birthday to you
この曲を2回歌う間、
しっかり手を洗おう。
そうすればウイルスも怖くない。
世界中でそんな呼びかけが広がった。

世界中で一番歌われている曲としてギネス登録もされている
「Happy Birthday to you」。
このメロディは、音楽著作権で史上最も稼いだ曲とも
言われている。
なんと、その額、3000万ポンド、約42億円。
2016年に権利を持っていたワーナーが、
著作権の無効を裁判で受け入れて、
今では、パブリックドメインとなっている。

みんなのものになった、この歌が
手洗い動画として拡散されて、家の中を明るくした。
ありがとう、
♪Happy Birthday to you

さあ、音楽の力を、希望の力に。

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石橋涼子 20年5月31日放送


Gérard Janot
音楽の力 不眠のためのクラシック

ヨハン・セバスティアン・バッハによる
「アリアと種々の変奏」という曲がある。

この音楽は、とある不眠症の伯爵のために
作曲されたという逸話でも知られている。

伯爵が眠れぬ夜は、14歳のチェンバロ奏者
ゴルトベルクがこの曲を奏でたということから、
この曲は「ゴルトベルク変奏曲」と呼ばれるようになった。

残念ながら、
このエピソードは信憑性が低いといわれているが
一方で、
クラシックを聴くと心と脳がリラックスするという
研究結果は近年、実証されている。

気持ちが疲れた夜は、クラシックでゆったり一休み。
途中で眠ってしまったって良いじゃないですか。
さあ、音楽の力を、癒しの力に。

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石橋涼子 20年5月31日放送



音楽の力 宇宙を旅する音楽

1977年にNASAが打ち上げた宇宙探査機、
ボイジャー1号、2号には
黄金色のレコードが積まれている。

そこには地球の文明を伝える音や画像とともに、
様々な音楽が収録されている。
ベートーベンから、アボリジニーの歌、
セネガルの打楽器、日本の尺八まで。

ボイジャー探査機は、すでに太陽系を超え、
運が良ければ10億年先まで宇宙を旅すると言う。

今日、ラジオからお届けしている音楽も、
いつか宇宙の生命体と共有できるのかもしれない。
さあ、音楽の力を、繋がる力に。

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佐藤理人 20年5月30日放送



ペスト 発生

1347年10月、イタリアのシチリー島に12隻の貿易船が到着した。
積荷は毛皮と、ペストに感染した数百万匹のノミだった。

ノミはネズミに寄生すると、
その機動力を借りて瞬く間にヨーロッパ中に広がり、
2500万人もの命を奪った。

ペスト患者の皮膚はどす黒く変色したことから、

 黒死病

と恐れられた。

検疫は英語で40を意味する「quarantine」と言う。
これは感染の疑いがある人を40日間隔離したことに由来する。

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