礒部建多 17年2月19日放送

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悪役の素顔

今日、2月19日は、プロレスの日。

悪役は、リングを降りても悪役でなければならない。
ただ、素顔はどうか。

190cm、120kgという大柄な体格。
「狂える虎」と呼ばれ、悪役として一世を風靡した、
タイガー・ジェット・シン。

プライベートで移動していたときのこと。
シンは、握手を求めてきたファンを蹴り倒したのだ。

バスに乗り込んでからのシンは俯き、無口のまま。
しかし少しして、スタッフにこう話しかけたと言う。

「さっきの彼、怪我しなかったかな。」

「稀代の悪役」であったことは、間違いない。
ただ、人の痛みが分かる人間であったことも、また事実なのだ。

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澁江俊一 17年2月19日放送

170219-03

プロレスの日

今日、2月19日は、プロレスの日。

日本のプロレス人気を支え続けた
ジャイアント馬場。

プロ野球選手という地位を
ケガで棒に振ってのプロレス入り。
挫折からのスタートだった。

若い頃はアメリカへの
武者修行で名を馳せた。
師匠の力道山が世を去ると、
本場アメリカでの定住を勧められた。
しかし馬場は当時の額で1億円という
破格の年棒を断り、
闘いの舞台を日本に定めた。

明るく、楽しく、激しく。

その言葉をモットーに
立ち上げた全日本プロレスは
ファンを裏切らない、
質の高い試合にこだわった。

16文キック、
ジャイアントバスター、
脳天唐竹割り、
2mを超える巨体が
繰り広げらる技の数々。
その強烈さは
馬場の誠実さでもあったのだ。

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礒部建多 17年2月19日放送

170219-04
NWharry
プロレスのテーマ

今日、2月19日は、プロレスの日。

ザ・ファンクスであれば、「スピニング・トーホールド」、
ジャイアント馬場であれば、「王者の魂」。

プロレスにとって欠かせない、
「選手のテーマ曲」という演出も、
最初からあったわけではない。

1977年2月、
仮面貴族と呼ばれたミル・マスラカスのテーマ曲として、
全日本プロレス中継のディレクター・板垣進が
「スカイハイ」を流したのが、
テーマ曲が注目されるきっかけとなった。

曲がかかれば、
観客から拍手と大歓声が生まれ、
選手の闘志に火がつく。
板垣のひょんなアイデアが、
会場の一体感を強固なものにした。

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澁江俊一 17年2月19日放送

170219-05

プロレスの日

今日、2月19日は、プロレスの日。

プロレスを題材にして、
一斉を風靡した人気漫画「タイガーマスク」。

主人公は伊達直人。
悪役レスラーであることを隠し、
その収入を、孤児院に寄付し続けた。

原作者・梶原一騎が生み出した
無敵の悪役ヒーローが、
マスクという匿名性に隔てられた
表のイメージと、裏の本心とのギャップに苦しむ、
その姿は多くの共感を集めた。

連載終了から
およそ30年経った2010年頃、
伊達直人を名乗る誰かが、
児童施設に様々な寄付を行うようになった。
架空の人物が、寄付という行動を起こしている。
その活動は全国へと広がり続け、大きな話題になった。

今日もどこかにいるたくさんの伊達直人は
当たり前の日々を生きている
普通の人の、マスクの裏の、素顔なのだ。

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奥村広乃 17年2月19日放送

170219-06

リンカーンとプロレス

今日、2月19日は、プロレスの日。

第16代米国大統領エイブラハムリンカーン。
彼は元レスラーだったという。

身長190センチを超える恵まれた体格。
地元の力自慢たちと戦い、
その強さに周囲は目を見張った。

しかし彼はこんな言葉を残している。

「敵が友となる時、
 敵を滅ぼしたとは言えないかね?」

奴隷解放の父、エイブラハムリンカーン。
彼は腕力ではなく政治で一国を変えた。

本当の強さは、
優しさの中にあるのかもしれない。

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松岡康 17年2月19日放送

170219-07
NWharry
阪神大震災とプロレス

今日、2月19日は、プロレスの日。

阪神大震災が起きた二日後の1995年1月19日。
被災地である大阪府立体育会館で、
全日本プロレスの大会が行われた。

都市を襲った未曾有の大災害。
水も電気も止まっている地域も多く、
プロレスを行えるような状況ではなかった。

だが全日本プロレスの代表だったジャイアント馬場は
「入場無料」「当日のファイトマネーを全額寄付」という条件で
大会を決行する判断をする。
「こんなときこそ、プロレスでみんなを励まそう!」

会場の入りは半分くらい。
だがいつもの大会より声援は大きく、
ジャイアント馬場をたたえるコールが
いつまでも続いていたという。

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松岡康 17年2月19日放送

170219-08

伝説のプロレスラー

今日、2月19日は、プロレスの日。

メキシコのプロレス、
ルチャリブレで伝説と呼ばれた人物がいる。

白銀のマスクマン「エル・サント」。
1934年にデビューした彼は40年近くルチャリブレ界に君臨。
漫画や映画にも描かれ
人々のヒーロー・正義のシンボルにまでなった。

エル・サント、実は子供を10人も設けている。
そのうちの一人はエル・イホ・デル・サントという名の
プロレスラーとなりルチャリブレで大活躍した。

そしてエル・サントがデビューしてから79年後の2013年、
彼の孫が日本のプロレス団体に留学することが発表された。

ルチャリブレの伝説は、これからも受け継がれていく。

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伊藤健一郎 17年2月18日放送

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ギターウルフの話 ロケット

日本が世界に誇るジェットロックンロールバンド、ギターウルフ。
メンバーの1人、ギターのセイジは言う。

 人生はロケットだ。
 一生なんて、宇宙の広大さの中では一瞬でしかないわけだし、
 俺たちは一生分の燃料を積み込んで、
 もの凄いスピードでぶっ飛ばさないともったいない。

セイジは、自分のことを、世界でも指折りの下手なギタリストだという。
だがしかし、テクニックはどうであれ、時代が彼らを無視できなかった。

 どんなにくだらない言葉でも、
 その人間の思い込みや思い入れを吹き込めば、
 それは命がある歌なんですよ。
 つまりロックンロールなんです。

結成から30年あまり。走り続ける狼は吠える。

 止まって得られるサティスファクションなどない。

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伊藤健一郎 17年2月18日放送

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ギターウルフの話 ベースウルフ

日本のガレージロックバンド、ギターウルフ。
ベースウルフことU.Gは、二代目のベーシストだ。
初代ベースウルフのビリーが急逝し、その後を継ぎ加わった。

加入当時のU.Gが好んだ音楽はヒップホップ。
ロックンロールは、ギターウルフしか知らなかった。

それでも新メンバーとして招かれたU.G。
採用理由は、実にシンプルだった。

 ベースを手にしたこともない。
 ただ、島根の田舎でたいそうな不良だった。

ギターウルフ曰く、ロックンロールは、
一にルックス、二に気合い、三にアクション!

唯一無二のベーシストに進化したU.Gは、
惜しまれつつも今年、ギターウルフを去る。
つまり、ギターウルフは新たにベーシストを募集するわけだが、
彼らの公式ホームページに打ち出された条件はただひとつ。

 海外でぶっ飛ばせる奴!

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伊藤健一郎 17年2月18日放送

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axlright
ギターウルフの話 キャロル

日本のガレージロックバンド、
ギターウルフはアメリカツアーの最中に、こう吠えた。

 ユー ハブ エルヴィス!
 ウィー ハブ キャロル!

本能むき出しの爆音で、全米を熱狂させたギターウルフ。
ジャパニーズロックの血を引く狼は、
最高にゴキゲンな夜、決まった曲でアンコールにこたえる。

YAZAWAの名曲“アイ・ラブ・ユー、OK”

 I love you, OK この世界に
 たった一人のおまえに 俺の愛のすべてを捧げる

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