小林慎一 16年9月18日放送
座布団のプロ篇
1973年に歌手デビュー。
紅白に出場。
歌手をやめると
ボクシングのC級ライセンスを取得。
1987年には
スティーブン・スピルバーク監督の
「太陽の帝国」に出演し
5代名鈴々舎馬風の弟子で
高座名は鈴々舎鈴丸。
数多くの肩書きを持つその人の名は、山田隆夫。
笑点の座布団を運んで32年。
座布団運びのプロ中のプロである。
笑点の「ちびっこ大喜利」のレギュラーで
座布団10枚のご褒美として
レコードデビューの権利を獲得。
「ちびっこ大喜利」の人気メンバー4人でバンドを結成し
「ずうとるび」として歌手デビューを果たす。
笑点という番組に、
一番幸福を運んでもらったのは山田隆夫
本人なのだ。
小林慎一 16年9月18日放送
asobitsuchiya
半世紀の出演者篇
2016年5月22日。
桂歌丸は、笑点からついに勇退した。
番組は生放送。
歌丸の笑点最後の日に、
努めて明るく振る舞った回答者だったが、
どうにもいつもと様子が違う。
次々と座布団がもらえる。
山田くんは大忙し。
いつもと違う大判振る舞いに、回答者にも笑顔があふれ、
回答の舌も滑らかに、会場も大いに盛り上がった。
そして迎えた最後のお題は「歌丸に贈る言葉」。
小遊三はこう答えた。
「抱いてください!」
それを受けて歌丸はこう言った。
「山田くん。気持ち悪いから全員の全部持って行って!」
歌丸の最高で最後の演出であったが、
自分の痕跡を残さず、後輩に自由にやれという
メッセージでもあった。
宮田知明 16年9月17日放送
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台風 台風を形容する言葉
2016年は、台風の被害が大きかった年として
記憶されそうだ。
台風を形容する言葉として、
「猛烈な」「大型の」という言葉はよく聞くが、
「弱い」「小さい」といった言葉を耳にすることはない。
それは、台風を過小評価することで、
人の心が安心してしまい、
被害につながることを防ぐためだそうだ。
もし、次に来る台風が
たとえ大きくなかったとしても、台風は台風。
万全の準備を。
宮田知明 16年9月17日放送
台風 車内アナウンス
聞き慣れた電車のアナウンスも、
台風が直撃するような緊急時には、
その言葉は少し変わる。
台風によって大きくダイヤが乱れ、
家まで帰れるのか分からない
と不安がる乗客たち。
とある車掌さんの発した言葉に、
乗客たちは気持ちを和まされたという。
横浜線、この電車のみ運転致します。
行けるところまで参ります!
ご乗車になってお待ちください。
マニュアル化された言葉の中に、
車掌さんの気持ちが入ったとたん、
みんなを元気づける言葉に変わる。
宮田知明 16年9月17日放送
台風 台風の由来
英語のTyphoonの語源は、日本語の台風から来ているのではないか、
と思っている方も多いかもしれないが。
諸説あるが、起源は中国語の「大きい風」と書いて
「大風」から来ていると言われている。
日本では、昔、台風のことを「野分き」とか「野分け」と言った。
つまり、「野を分けるほどの強い風」という意味だ。
日本語から来ているのかと思って、ちょっと残念、
と思った方もいるかもしれない。
でも、日本語が起源の言葉が、うれしいことなのか、どうか。
TSUNAMIは、日本語が起源だ。
宮田知明 16年9月17日放送
きんちゃん
台風 台風でも会社に行く人々
南の島の大王は、子どもの名前もハメハメハ
学校ぎらいの子どもらで
風がふいたら遅刻して 雨が降ったらお休みで
ハメハメハ ハメハメハ ハメハメハメハメハ
かの有名な、「南の島のハメハメハ大王」の3番。
雨が降ったらお休みする、
は日本ではあり得ないにしても、
台風でも多くの日本サラリーマンが、会社に出勤していく。
台風が来るのを予測して、
台風が来る前に会社に着こうとしたりする。
ハメハメハ大王から見ると、
日本人は真面目に映るのか、
それとも・・・。
澁江俊一 16年9月11日放送
割れ窓理論
割れ窓理論という言葉がある。
9.11のテロで
迅速かつ冷静に指揮をとり、
ニューヨーク市民に高く評価された
ジュリアーニ市長。
彼は就任当初、
街じゅうの割れた窓をなくすことで
最悪だったニューヨークの治安を向上させた。
窓が割れている街は、
犯罪が生まれやすい空気を生む。
テロもきっと同じだ。
人々の心の中に割れた窓がある限り、
憎しみ、争いたくなる空気が生まれる。
今こそ、曇りなき窓から、
世界を見直してみよう。
澁江俊一 16年9月11日放送
Adrian Cabrero (Mustagrapho)
考えさせる形
9.11後のアメリカのシンボルとして
グラウンドゼロにそびえ立つ
ワンワールドトレードセンター。
そのかたわらに
ニューヨーク市民から
長く愛され続けるオブジェがある。
イサム・ノグチ作、レッドキューブ。
倒れそうで、倒れない。
鮮やかに赤い巨大な正方形が
その角一点で立っている。
その正方形を貫く
大きな丸い穴。
赤いキューブは
シンプルだからこそ
答えがない問いそのもの。
9.11から15年。
そのオブジェは世界に何を
問いかけているのか?
考え続けよう。
私たちにできるのは、それだけだから。
澁江俊一 16年9月11日放送
スポーツにしかできないこと
2001年、9月11日。
2本の高層ビルが崩壊し、
アメリカのすべての日常が止まった。
1週間後の9月17日
メジャーリーグは再開され、
ニューヨークメッツの選手たちは
テロに立ち向かった勇気に敬意を表して
ニューヨーク警察と消防局の
帽子をかぶってプレーした。
ニューヨークヤンキースも
この年、シーズンを通して
神がかったような大躍進を見せた。
この年、新人王とMVPを獲得した
イチローはこう語っている。
野球どころではない、
という気持ちは当然皆が持っている。
その反面、僕達にできることも
野球しかないということです
阪神淡路大震災の年に
日本一になったオリックス。
東日本大震災の年に
ワールドカップを制したなでしこジャパン。
人知を超えた悲劇と向き会う時、
スポーツは大きな回復力をくれるのだ。
田中真輝 16年9月11日放送
Joao Carlos Medau
悼む人
今日、9月11日は、
アメリカ同時多発テロ事件が
発生した日。
この事件をきっかけにして紡がれた物語がある。
作家、天童荒太による「悼む人」。
911以降、世界中に広がる怒りの連鎖への
無力感の中で生まれたのが、
死者を悼んで旅する男の物語だった。
「なぜ、私たちは、すべての死者を平等に
追悼することができないのか」
その問いかけを胸に、天童は実際に、
各地で亡くなった人を悼む旅に出る。
そして、実に7年という歳月の果てに、
天童は「悼む人」を上梓する。
そこに描かれているのは、怒りに包まれる
世界への、天童からの静かだが、
力強いメッセージだ。