道山智之 15年9月20日放送
halfrain
松本隆 8 ~ 言葉と声
作詞家、松本隆。
活動45周年を記念して、ゆかりのアーティストたちが歌詞を朗読した。
あなたを・もっと・知りたくて
離れても心は君の
そばにある そう言ったでしょ
星空に逢いに来てって
頼んでも風の音だけ
「もしもし うん まだ切らないで」 ・・・
明るくさわやかなポップスであるこの曲の、
別の側面を提示してみせたのは薬師丸ひろ子。
歌の詩を、声に出して朗読することで、
まったくちがった意味を帯びることに、松本本人も驚いた。
別世界と交信するようなせつなさに、録音スタッフはみんな涙した。
もう、全然知らなかったよ。ぼくは、明るくてさわやかな歌書いたつもりだった。
・・・あの人が発掘した魅力。
言葉は音楽といっしょになるたびに、
そして声といっしょになるごとに、思わぬ光をはなつ。
万葉の頃からそうなのだ、と松本はほほえむ。
もっともっと あなたを
もっともっと 知りたい
いま何してるの? いま何処にいるの?
そして愛してる人は誰ですか?
阿部友紀 15年9月19日放送
Keith Lehwald
テイラー・スウィフト いじめ
幼い頃、壮絶なイジメを経験したテイラー・スウィフト。
同じ状況に立たされているファンのひとりに、
こんな力強い言葉を送ったことがある。
もしあなたがいじめられているなら、2つの道があるわ。
自暴自棄になってしまうことと、それを燃料にして立ち上がることよ。
より大きな夢を持って、精一杯闘って欲しいの
「カントリーソングが好き」という理由だけでいじめられた幼少期を乗り越え、
グラミー賞受賞歌手として一世を風靡するようになったテイラー・スウィフト。
彼女の歌声は、今、
いじめに悩むティーンエイジャーたちの心の支えになっている。
阿部友紀 15年9月19日放送
Paolo Villanueva
テイラー・スウィフト チャリティ
2012年から3年連続で、最も熱心なチャリティセレブに選ばれている
テイラー・スウィフト。
急性白血病に倒れ、コンサートに来られなくなってしまった
11歳の女の子に約600万円の寄付金を贈ったことがある。
更には、自身のシングル曲”ウェルカム・トゥ・ニューヨーク”の収益金をすべて、
ニューヨークの公立学校に寄付したことでも有名だ。
その優しいエピソードが、
彼女の人気に拍車をかけていると言っても過言ではない。
どんな事が起こっても人には優しくしなさい。
それは後々、あなたの大きな財産となるから。
彼女の名言の一つである。
阿部友紀 15年9月19日放送
Hoffnungsschimmer
テイラー・スウィフト 恋
恋のカリスマ、テイラー・スウィフトは、ロマンチストだ。
ほかの女の子はみんな 美人だけど
彼女たちは こんな風にあなたに曲をかけるかしら?
テイラー・スウィフトが片思いの男性に向けて作った
「Hey Stephen」という曲の一節である。
失恋ソングが多いテイラーにしては珍しい、告白ソングの一曲である。
曲がリリースされた日、
彼女は片思いの相手、スティーブンに「5番を聴いて」とショートメールを送ったそうだ。
彼女の恋は、成就したのだろうか。
彼女の曲は、裏のストーリーも面白い。
阿部友紀 15年9月19日放送
Self_Same_Self
テイラー・スウィフト サプライズ
ファンに熱烈に愛され、ファンを熱烈に愛するテイラー・スウィフト。
彼女は、ファンのソーシャルメディアを日々細かくチェックし、
最新のツールを活用して様々なサプライズを仕掛けている。
例えば、ニューアルバム「1989」の販売前、
あらかじめインターネットで選定したファン30人を自宅に招き、シークレットパーティーを行った。
そして、アルバムをいち早く聞かせてあげた他に、
手作りクッキーをふるまったり
ペットの猫、メレディスと遊んだり、
2ショット写真を一緒に取ってあげる等、
ファンにとっては夢のような時間をプレゼントした。
ソーシャルメディアを使ったファンとの親密なコミュニケーションこそが、
音楽業界の新世代と呼ばれる所以である。
そんな彼女のソーシャルメディアをフォローするファン、
通称スイフティーズは、3000万人を超える。
高阪まどか 15年9月13日放送
NAPARAZZI
エディー・ジョーンズ タックル
ラグビー日本代表監督エディー・ジョーンズ。
彼が指揮をとることになったのは、弱小国、日本。
中でも、タックルは、体の小さい日本人にとって最大の課題だった。
ところが、エディーがタックル強化のために招いたのは、
ラグビーの名コーチでも名選手でもなく、
総合格闘技の元選手。
ラグビーで勝つために、ラグビーの枠を超えていく。
エディーは監督であり、開拓者なのだ。
高阪まどか 15年9月13日放送
エディー・ジョーンズ 失敗からしか学べない
「日本ラグビーの歴史を変える」と宣言した
日本代表監督、エディー・ジョーンズ。
練習試合の際、使うように指示したのは、
ラグビーボールではなく、アメフトのボール。
アタック練習になると、
ボールは、白い生卵にすり変えられた。
形の違う“ボール”に、選手達は困惑しミスを連発した。
「日本人が間違っているのは、失敗を避けること。失敗からしか学べないのに。」
こう言うエディーは、巧みにミスを作り出すユニークな練習方法を生み出した。
彼は、監督業を、アートと呼んでいる。
高阪まどか 15年9月13日放送
Jean Francois Beausejour
エディー・ジョーンズ 自主性
「趣味は日本人観察」と、公言するオーストラリア人がいる。
日本人の強みも弱みも知り尽くす、
ラグビー日本代表監督、エディー・ジョーンズだ。
彼が指揮をとるチームは、日本中から集められた精鋭ぞろい。
しかし、世界の強豪から見れば、体格も、パワーも、そしてスピードも劣る。
体と体がぶつかり合うラグビーで日本人は圧倒的に不利と思われていた。
しかしエディーはいう。
「体の小ささなど、私は一度も問題にしたことがない。
それより、自主性に欠けていることの方が深刻だ。」
彼は、選手たちの「自主性」を引き出すため、
思いつくと、すぐに練習を止め、選手に向かい、
なぜそのプレーをしたのか、選手自身に考えをとことん聞く。
さらにミーティングでは、
通常コーチが行う「戦術の説明」を、選手に任せることすらある。
幼少期からの日本の教育の中で選手達が不得意としていた、自己主張。
それを引き出された日本代表チームは、
体格のハンデをものともせず、初の世界ランクTop10入りを果たした。
誇り高きサムライを育てるエディーのリーダー論は、
スポーツ界からビジネス界に至るまで多くの注目を集め、
最強の組織をつくる教訓となっている。
高阪まどか 15年9月13日放送
Steve_C
エディー・ジョーンズ 選手のストレス
選手のストレスになる。
それがラグビー日本代表監督である、エディー・ジョーズのやり方だ。
選抜メンバーの発表の日。
チームを引っ張ってきた中心選手を、突然レギュラーから外した。
「選手には失望してほしい。それを乗り越えてチームを支え続けてもらいたい。」
エディーは後にこう話している。
選手の心を刺激し、揺さぶり、不安と緊張感をつくりだすことで、
100%の安心を与えない。
エディーはこの信念を貫き、組織を戦う集団へと進化させた。
坂本弥光 15年9月13日放送
Gordito1869
フェラン・アドリア エル・ブリ
「エル・ブリ」。
45席しかないシートに、年間200万人もの予約希望が殺到する、
伝説のレストラン。
バルセロナから約160キロ、
カラ・モン ジョイという風光明媚な入り江にその店はあった。
エル・ブリで出されるのは、20皿以上にものぼるコース料理。
9種類の”スナック”、8種類の”タパス”、3種類の”メイン”、
そして少量ずつのデザートだ。
例えば。
上が熱く、下が冷たい2層構造のグリーンピースのスープ。
色が白く、トマトを使っているようには全く見えない、
でも味はトマトの、トマト料理。
初めての感動を与えることこそが創造性だ、という思想である。
1997年に、エル・ブリはミシュラン3ツ星に昇格。
「世界のベスト・レストラン50」でも、5度世界一の栄誉を獲得するなど、
その名は年々知れわたっていった。
その「エル・ブリ」の主宰者こそが、フェラン・アドリア。
『タイム』誌の表紙を飾ったこともある、世界の有名人100人のひとりだ。
しかしアドリアは、2010年1月に世界を激震させる。
エル・ブリ閉店、というニュースだった。