小野麻利江 15年2月7日放送
名前のはなし ティラミス
日本でも根強い人気をほこる、
イタリアのチーズケーキ、ティラミス。
実はイタリア語で
「私を元気付けて!」という
意味を持っている。
北イタリアのトレヴィーゾという
町のレストランで、
妊娠中の女店主のために
考え出されたという。
卵黄、お砂糖、マスカルポーネチーズに、
エスプレッソ。
お腹の子を元気づけるには、
ちょっと大人な味わいだ。
小野麻利江 15年2月7日放送
663highland
名前のはなし 100万ドルの夜景
美しい夜景をたたえる時に使われる、
「100万ドルの夜景」という言葉がある。
ドルという単位なので、
外国で生まれた言い回しと思われがちだが、
実は日本、しかも神戸生まれ。
1953年。六甲山から見える夜景について
関西電力の副社長が
広報誌に書いたコラムのタイトルに
由来しているという。
さらに驚くべきは、その本当の意味。
「100万ドルもの価値がある夜景」
という意味で使われがちだが、
六甲山から見える神戸の電灯496万個にかかる
1ヶ月の電気代が、
当時のレートでおよそ100万ドルに
なったからだという。
実際に「100万ドルかかっている夜景」だった、
神戸の「100万ドルの夜景」。
時代が進み、1ドル=360円の固定相場制も終わり、
電灯の数も何倍にも増え、
今や「1000万ドルの夜景」なのではとも
ささやかれている。
大友美有紀 15年2月7日放送
「今夜は木星見物」イオ
2015年2月7日、今夜は木星が衝(しょう)となります。
衝とは外惑星が地球を挟んで太陽と正反対の位置に来ること。
晴れている場所では、一晩中、肉眼でもはっきり見ることができます。
天体望遠鏡があればガリレオ衛星も見えるかもしれません。
木星はジュピター。ギリシャ神話のゼウスの英語名。
1610年にガリレオ・ガリレイが発見した4つの衛星には、
ゼウスの愛人の名が付けられています。
一番内側を公転しているのは、イオ。
ゼウスの妻ヘラに使える女神官でした。
イオに夢中になったゼウスは、雲に姿を変え、
彼女と愛を交わします。
そして、ヘラの嫉妬を恐れてイオを白い牡牛に
変えてしまいます。
神話ではイオはヘラに追われ最後はエジプトに逃げのびます。
宇宙では、ゼウスの一番近くで回っているのです。
大友美有紀 15年2月7日放送
「今夜は木星見物」エウロパ
今夜、東南東の空、月の右斜め上あたり、
ひときわ明るく輝く木星がよく見えることでしょう。
ガリレオが発見した木星の4つの大きな衛星には、
ギリシャ神話の大神ゼウスの、愛人の名がつけられています。
ガリレオ衛星のうち二番目に内側を
公転しているのが、エウロパ。
ある時、天から地上を見ていたゼウスは、
海辺で遊ぶフェニキア王の娘、エウロパに
ひと目惚れをしてしまいます。
ゼウスは白いうつくしい牡牛の姿で地上に
降り立ち、エウロパに近づきます。
面白がったエウロパが背にまたがると
牡牛は風のように海を渡り
クレタ島までやってきてしまいます。
そしてゼウスの姿に戻り、おまえは世界一の幸せ者だよ、
永遠に名を残すことになるよ、とエウロパを口説き、
愛を交わし、3人の男の子をもうけました。
エウロパはヨーロッパの語源。
ゼウスの言葉どおりに名を残したのでした。
大友美有紀 15年2月7日放送
「今夜は木星が」ガニメデ
1610年にガリレオ・ガリレイが発見した木星の4つの衛星。
イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト。
すべてギリシャ神話に登場するゼウスの愛人の名です。
ガニメデはトロイアの王子、たいへんな美少年でした。
美貌に虜になったゼウスは鷲に姿を変え、
天の国へガニメデをさらってきてしまいます。
そして神の宴席で自分の盃に酒を注ぐ役目につかせます。
この役目は大変名誉なものでした。
本来は娘のヘベの役目だったため、
ゼウスの妻、ヘラは激怒してガニメデを殺そうとします。
愛する少年の命を救うため、ゼウスはガニメデを星に変えました。
水瓶を持った少年の姿が天に輝くことになったのです。
ガニメデは、水瓶座の星として酒を注ぎ
木星の衛星として、今でもゼウスのそばにいるのです。
大友美有紀 15年2月7日放送
「今夜は木星が」カリスト
今夜は木星が、地球を挟んで太陽の正反対の位置に来る夜です。
晴れた場所ならば、一晩中、肉眼でもよく見えるでしょう。
木星はジュピター。ギリシャ神話の大神ゼウスの英語名。
ガリレオが発見した木星の4つの大きな衛星には
すべてゼウスの愛人の名がつけられています。
4つの衛星の中で最も外側を回っているのが、カリスト。
最も美しい女、という意味で、ゼウスに愛された妖精でした。
カリストはゼウスの子、アルカスという男の子を産みます。
ゼウスの妻、ヘラはそのことに気づき、
カリストを熊に変えてしまいます。
森で暮らしていたカリストは、ある日、
立派に成長したアルカスに出会います。
懐かしさのあまり息子に駆け寄ると、
母とは知らず、アルカスは熊に弓を向けます。
それを見たゼウスは、不憫に思い、息子をこぐまに変え、
母子ともども空にほおりあげて、星座にしました。
それがおおぐま座とこぐま座になりました。
ヘラの嫉妬にもひるむことなく
たくさん恋をし、たくさん子をなしたゼウス。
その名にちなんだ木星には、
63の衛星が確認されています。
佐藤延夫 15年2月1日放送
大富豪のマネーライフ ジョン・ロックフェラー
アメリカの石油王、ジョン・ロックフェラー。
世界に名だたる大富豪であり、
保有する金融資産は3400億ドルにも達していた。
だが彼は、節約を愛した。
ウールの手袋が欲しかったのに
間違えて高価な毛皮の手袋を買ってしまうと、
3ドル程度の無駄遣いをひどく後悔したという。
彼のこんな言葉がある。
「私は煙草も紅茶もコーヒーも
欲しいと思ったことは一度もない。
なんであれ、欲しくてたまらないと思ったことはない」
無欲の大富豪は、庶民よりも慎ましい。
佐藤延夫 15年2月1日放送
大富豪のマネーライフ ジェームズ・ゴードン・ベネット
新聞社ニューヨーク・ヘラルドの社長、
ジェームズ・ゴードン・ベネットは
実に大富豪らしい金の使い方をした。
今では到底ありえないことだが、
電車に乗っているときに「もっとゆっくり走らせてくれ」と車掌に注文した。
願いが叶えられると、チップとばかりに1万4千ドルを手渡す。
その車掌はすぐに会社を辞めて店を開いたそうだ。
そして気に入っていたモンテカルロのレストランでも
自分の特等席に誰かが座っていると、
その店ごと買い占めてしまった。
亡くなる前に財産のほとんどを失っていたというのだから、
さぞ気持ちいい人生だったのだろう。
佐藤延夫 15年2月1日放送
大富豪のマネーライフ ウィリアム・ランドルフ・ハースト
アメリカの新聞王、ウィリアム・ランドルフ・ハースト。
最愛の妻と5人の子どもをもうけたが、
50歳のとき出会った若い女のため
湯水のように財産を使う。
愛人の名前は、18歳のショーガール、マリオン・デイビス。
ハーストは、彼女を大女優にするため
わざわざ映画会社を作り、
一緒に暮らすための豪邸まで建てた。
ハースト・キャッスルとも呼ばれるこのお屋敷は
165部屋もあり、プールは屋内と屋外にひとつずつ。
さらにテニスコートとエアポートまであった。
それでもまだ物足りなかったのか、動物園まで作ってしまった。
アフリカから野生動物を買い付け、
ライオン、ゾウ、キリンなど300種類以上の動物が
放し飼いにされていたという。
このお屋敷のために費やされた金額は、3000万ドル以上。
現在のレートだと、およそ3500億円にもなる。
うらやましいというレベルを超えた、呆れるほどのお金持ち。
佐藤延夫 15年2月1日放送
大富豪のマネーライフ アリストテレス・オナシス
ギリシャの海運王、アリストテレス・オナシス。
25歳から始めた海運業で莫大な財産を得た彼は、
ある日、ヨットを購入した。
もちろんただのヨットではない。
全長98メートル。
カナダ海軍に所属していた軍艦をヨット用に改造してしまった。
スイートルームが4部屋あり、
バスタブは大理石で作られ、
広間にはエル・グレコの絵画まで飾られた。
もちろんそれでは足りず、ギリシャ沿岸の島を買い
3つの豪邸を建てた。
金で買えないものはない、という生き方。