三國菜恵 14年12月28日放送
kenmat
さようなら2014 今年の漢字
年末に発表される『今年の漢字』。
2014年の漢字は、税金の「税」だった。
実はこの文字、全国の一般公募から決められている。
ちなみに今年の第2位には
「熱」という字がノミネート。
デング熱、エボラ出血熱の流行。
ソチ五輪や錦織選手の熱戦。
夏の甲子園の延長50回の熱戦。
言われてみると、確かに熱い一年。
今年も残り数日。こころとからだをあたたかに。
三國菜恵 14年12月28日放送
Lisandro M. Enrique
さようなら2014 高倉健
映画「あなたへ」の中で共演した
大滝秀治と高倉健。
高倉は晩年、大滝からもらったある言葉を胸に
カメラの前に立っていた。
それは、二人が文通をしていた便せんに
したためられていた言葉。
僕にとって一つの仕事は、いつも一つの事件です
三國菜恵 14年12月28日放送
Rs1421
さようなら2014 岩崎俊一
今年の終わりのありがとう、
お歳暮で伝える人もきっと多いことだろう。
西武百貨店などの広告コピーで知られる
コピーライター・岩崎俊一。
こんな言葉をのこしている。
うまいことを言う人より、
うまいものをくれる人を、
信じなさい。
「おいしいね」を分けてくれる人をたいせつに、
来年も、よいお年を。
佐藤理人 14年12月27日放送
カルティエ・デザイン①「トリニティとコクトー」
この世にまだない指輪が欲しい
1923年のある日、詩人ジャン・コクトーが
フランスの高級ブランド、カルティエを訪れた。
小説「肉体の悪魔」の作者にして最愛の恋人、
レイモン・ラディゲへの贈り物。
そうして生まれたのが、
クリスマスプレゼントとして
日本でも人気の高い
トリニティリング
トリニティとは「三位一体」のこと。
絡み合う白、黄色、ピンクのゴールドは、
「友情」「忠誠」「愛」を意味する。
しかしラディゲは病のため、
指輪の完成を待たずに
二十歳の若さでこの世を去る。
哀しんだコクトーは
ラディゲと自分の2つのトリニティリングを
終生同じ指にはめ続けたという。
佐藤理人 14年12月27日放送
カルティエ・デザイン②「サントスと飛行機」
飛行中でも操縦桿から
手を離さずに時間を見たい
1906年のある日、
ブラジルの飛行機王サントス・デュモンが
フランスの高級ブランド、カルティエを訪れた。
時計といえばまだ懐中時計が一般的な時代。
腕時計は小さな懐中時計に革ひもをつけただけの
女性のアクセサリーでしかなかった。
デザインも機能も妥協しない、
男性が堂々と使える腕時計を作りたい。
そうして生まれたのが世界初の紳士用腕時計、
サントスウォッチ
現在、多くの高級時計で使われている
金属製の留め金具、通称「Dバックル」も、
カルティエの発明である。
今を告げる時計に、
カルティエは未来を見ていた。
佐藤理人 14年12月27日放送
カルティエ・デザイン③「タンクと戦車」
戦車は武器じゃない。平和の象徴だ。
少なくとも第一次大戦直後の
パリ市民にとってはそうだった。
迫りくるドイツ軍から
パリを守り抜いてくれた連合軍の戦車。
フランスの高級ブランド、
カルティエの三代目ルイ・カルティエもまた、
その勇姿に感銘を受けた一人だ。
彼は戦車のキャタピラーからヒラメキを得て、
腕時計を作った。その名も、
タンク
発表から100年近く経つ今も、
基本のデザインは変わらない。
過去の名作を復活させるメーカーは多い。
しかしデザインがこれほど古びずに
生き続けているブランドはカルティエしかない。
美しさの耐久力もまた、戦車の名にふさわしい。
佐藤理人 14年12月27日放送
カルティエ・デザイン④「チプロと釘と貞操帯」
新しいのに普遍的。シンプルなのに華やか。
フランスの高級ブランド、カルティエのデザインが
いつまでも古びない秘訣は、
時空を超えた美学
にある。
1970年代、ニューヨーク。
夜な夜なディスコで催されるパーティには
もっとインパクトのあるアクセサリーが必要だ。
カルティエニューヨークのデザイナー、
アルド・チプロは考えた。
彼は釘や貞操帯などメッセージ性の強いアイテムを
敢えてデザインのモチーフに選んだ。
王たちの宝石商であり、宝石商の中の王。
かつてイギリス王エドワード7世は
カルティエをそう評した。
それから100年後のアメリカで、
カルティエの進歩的なデザインに
まっ先に飛びついたのは、
ウォーホールやカポーティなど、
夜遊びの帝王たちだった。
茂木彩海 14年12月21日放送
jjay69
クリスマスのはなし 「ホーム・アローン」のクリスマス
コピーライターから映画界入りしたことで知られる
脚本家、ジョン・ヒューズ。
クリスマスを題材とした作品『ホーム・アローン』で、
主人公の少年にこんな台詞を言わせている。
今年は僕、クリスマスプレゼントを欲しがらないから、
その代わり家族を返してください。
ごちそうも、プレゼントも、一人じゃ心は埋まらない。
大切な人と、ただゆっくり時間を過ごす。
そんなクリスマスが、今年はいいかも。
茂木彩海 14年12月21日放送
torbakhopper HE DEAD
クリスマスのはなし ナンニモナイクリスマス
パトリック・マクドネルの著書
「おくりものはナンニモナイ」。
特別な日クリスマスに、ネコのムーチが
おもちゃもベッドも、何でも持っている友達、イヌのアールに
プレゼントを見つけにいくはなしだ。
何をあげたら喜んでくれるんだろう。
たくさん考えたムーチはついに
「ナンニモナイ」をプレゼントすることを思いつく。
大きな空の箱をリボンでつつんで
「ナンニモナイ」を詰め込んだムーチは、アールに渡して、言う。
ナンニモナイ・・・
きみと ぼくの ほかにはね
なんにもないからこそ、なにかが見える。
大事なものが見えるクリスマスは、きっとあたたかい。
熊埜御堂由香 14年12月21日放送
クリスマスのはなし クリスマスツリー農園
カナダやアメリカでは、クリスマスツリーに
自然のもみの木を使う家庭も多い。
そのため、クリスマスツリー農園とよばれる林で、
毎日、毎日、ツリーになるためのもみの木を大切に育てている。
11月になるといよいよ、お客さんが農園にやってくる。
さぁ、どうぞと、農園の地図を渡して、
のこぎり、ものさし、そりやカートも用意する。
自分にピンとくる最愛の1本を、
お客さんみずからが探し出すスタイルなのだ。
そして収穫あとには、
小屋で、あたたかいリンゴジュースや、
クリスマスクッキーをふるまう。
アメリカ、メイン州のある農園主は、
お客さんが農園のなかにはいっていくのを見送りながら
いつもこう祈るそうだ。
わたしたちは、そっと思います。
どうか、すてきツリーが見つかりますように。
そう、クリスマスツリー農園のもみの木、1本1本には、
メリークリスマス!の思いがつまっている。