石橋涼子 20年2月23日放送
1. 富士山のはなし 銭湯の富士山
今日は富士山の日。
初夢で「一富士二鷹三茄子」と言うように
富士山は昔から縁起の良いものと決まっている。
富士山といえばお風呂屋さんの壁を思い出す人も
多いのではないだろうか。
銭湯の壁画には、商売繁盛の願掛けも込められている。
末広がりのカタチが運気を上げるということで
多くの銭湯で富士山の絵が好まれた
逆に、お客が去るを意味する動物の猿や、
運気が下がると言われる夕日などは描かれない。
銭湯の壁に初めて富士山を描いたのは、東京のとある店だった。
その始まりは、こどもたちに喜んで湯船に入ってほしいから、
という、意外にもシンプルな理由だった。
藤曲旦子 20年2月22日放送
2月22日は、食器洗い乾燥機の日。
2月22日といえば、
にゃん(2)にゃん(2)にゃん(2)の語呂合わせから
「猫の日」を思い浮かべる人も多いだろう。
だが調べてみると、
他にもいくつかの記念日が制定されている。
その一つが「食器洗い乾燥機の日」である。
日本電機工業会が制定。
食器洗い乾燥機によって、食後にゆとりができ、
夫婦だんらんの時間ができるということから、
ふう(2)ふ(2)にっ(2)こりの語呂合わせだ。
昔から忙しいときには、
猫の手も借りたいといったものだが、
現代では、食器洗い乾燥機がその役目を果たしてくれているようだ。
藤曲旦子 20年2月22日放送
2月22日は、おでんの日。
おでんの人気具材の一つである、
「白滝」と「糸こんにゃく」の違いはご存知だろうか。
どちらも生まれは、江戸時代。
「白滝」は関東。「糸こんにゃく」は関西が発祥地だ。
当時は別々のものだったが、
今では製法も同じになり、呼び名だけが残ったそうだ。
名前は違っても、おいしさは一緒。
具材一つ一つに歴史があるのも、
おでんの魅力のひとつかもしれない。
今日、2月22日は
フー(2)フー(2)フー(2)でおでんの日。
堀井沙也佳 20年2月22日放送
MrSnooks
スタンリー・キューブリック
数々の名作を生み出してきた
鬼才 スタンリー・キューブリック監督。
「シャイニング」「フルメタル・ジャケット」「時計じかけのオレンジ」
作品のなかには度々、
精神が崩壊していく人間、
あるいは予め精神に異常をきたしている奇人が登場するのだが、
彼らにはみな「笑う」という共通点がある。
いろいろな感情を、涙で水に流す機能が失われたとき
人間は、泣くのではなく、笑う。
SOSのサインは、涙ではなく笑いの裏に
隠れているかもしれない。
堀井沙也佳 20年2月22日放送
tojulius
レザボア・ドッグス
クエンティン・タランティーノ作の映画「レザボア・ドッグス」。
強盗をするギャング集団のなかに、
おとり操作を行う警官が紛れ込む物語は、
最後に思いもよらぬ、実に不条理な結末を迎える。
監督は、物語についてこう言及している。
「クライマックスの役者の心情を表す言葉は、英語にはない。
ただし、日本語にはある。それは、仁義だ」と。
レザボア・ドッグス。邦題は「仁義なき男たち」。
かつて中国より伝わった『仁義』という思想は、
2020年の今、世界のどこをさまよっているのだろう。
川田琢磨 20年2月22日放送
ありがとうの形
チェコの作曲家、ボフスラフ・マルチヌーが書いた作品の一つに、
「5つの連作マドリガル」という小品集がある。
これは、彼の友人だった、とあるヴァイオリニストが演奏するために、
特別に書き下ろされたものだ。
そのヴァイオリニストは、曲を作ってくれたお礼にと、
相対性理論の特別講義を行った。
だが、チェコの偉大な作曲家には、さっぱり理解されなかったという。
この不思議なヴァイオリニストの名は、
かの天才科学者、アルベルト・アインシュタイン。
ありがとうの気持ちを伝える理論はまだまだ未完成だったようだ。
奥村広乃 20年2月15日放送
tamaki
発酵か腐敗か
もう半分しかないと考えるか。
まだ半分あると考えるか。
同じものを見ても、全ては捉え方次第。
発酵と腐敗。
この2つの現象はとてもよく似ている。
どちらもカビや菌の力で、
食品の匂いや見た目が変化する。
納豆は微妙なラインの発酵食品だ。
海外では腐っていると食べるのを拒む人もいる。
納豆が発酵食品として受け入れられている日本。
ポジティブな人が多かったのか。
もったいない精神が旺盛だったのか。
全ては捉え方次第なのだ。
澁江俊一 20年2月15日放送
心にも発酵を
発酵という現象がある。
自然の中の微生物の力を借りて
パンやチーズ、ビール、日本酒や漬物、納豆など
おいしい食べものを生み出してくれる
人類の食文化に欠かせないもの。それが発酵。
腐敗と発酵は実は「同じ」現象。
人間にとって、いいか悪いか、
ただそれだけの違いだ。
それをヒントにして
人の心も発酵すると、考えてみてはどうだろう?
何もかも上手くいかないで
やる気が起きなくなった人がいたら…
「あいつは今、腐っている」
と言ってしまうのではなく、
「あいつは今、発酵しているんだよ」
と言って見守ってみる。
その後、月日が経てばきっと
いいことが起こるはず。
そんな気が、しないだろうか?
澁江俊一 20年2月15日放送
Allagash Brewing
発酵の発見
発酵という現象がある。
自然の中の微生物の力を借りて
パンやチーズ、ビール、日本酒や漬物、納豆など
おいしい食べものを生み出してくれる
人類の食文化に欠かせないもの。それが発酵。
微生物はまた
食物にカビを生やさせたり、腐らせたりもする。
では腐敗と発酵とは何が違うのか。
正解は、「同じ」。
人間にとって、いいか悪いか、
ただそれだけの違いだ。
それだけ? いやいや。
人間にとっていいか悪いか、
その境界線を見分けてきた私たちの祖先の
観察力たるや、相当なものじゃないか。
顕微鏡もない時代に、目に見えない
微生物の働きをじっくり観察して
それを恐る恐る口にして
いいか悪いかを判断してくれたのだから。
今宵は祖先たちの努力に乾杯しよう!
ビールで乾杯? それともワイン? 日本酒?
つまみはチーズ? 塩から? キムチもいい?
うーん、発酵とはなんと楽しい食文化だろう。
松岡康 20年2月15日放送
HAMACHI!
良い菌? 悪い菌?
日本の家庭に根付いた発酵食品といえば糠漬けだろう。
糠床の中にいる乳酸菌を中心とした微生物の働きによって、
美味しい糠漬けが出来上がる。
だがこの糠漬け、
そもそも何の菌で発酵しているのかよくわかっていない。
乳酸菌と並んでぬか漬け独特の風味をつくっている微生物として、
カンジダ種の酵母の働きが報告されている。
このカンジダ種の酵母は、時に感染症の原因になる。
しかし一方で、おいしい糠漬けが食べられるのは、
彼らの働きが欠かせないのだ。
菌の世界には、いいヤツ、悪いヤツなんていない。
どの菌にも役割があって、意外なところで意外な働きをしたりする。
私たち人間が糠床から学ぶことは多そうだ。