佐藤理人 14年3月30日放送
Mark
哲学でRestart! 「アラン」
もしも将来に不安を抱いたら、
フランスの哲学者アランの言葉を
思い出してください。
恐怖は危険にのみ癒される
本当に悲しいときは、泣いてる暇がない。
後で泣いても、もう取り返しがつかない。
病気になった人はもう病気になる心配がなく、
人は生きてる自分についてしか考えられない。
幸福は気持ちの問題であり、
悲しむなんてムダだと言うのだ。
残酷なのではない。
それは必死で悲しみと闘うための知恵。
彼は言う。天気の悪い日こそ笑え、と。
いけないのは考えるだけで何もしないこと。
せっかくの、春。
新しい自分を探しに出かけてみませんか。
佐藤理人 14年3月30日放送
Dave Bledsoe
哲学でRestart! 「レヴィナス」
もしも人付き合いに悩んだら、
フランスの哲学者レヴィナスの言葉を
思い出してください。
他人がいるから自分もいる
ナチスの捕虜として番号で管理された体験から、
彼は人間の個性を人一倍大切にした。
他人のいない世界は、
皆同じ意見をもつ全体主義の世界。
自分と違う誰かが存在する。
そこに価値があると彼は説いた。
さあ、春。思い切って、
あの人をお花見に誘ってみませんか。
佐藤理人 14年3月30日放送
Mark
哲学でRestart! 「ヘーゲル」
何をやってもうまくいかないと感じたら、
ドイツの哲学者ヘーゲルの言葉を
思い出してください。
理想こそ現実であり、
現実こそ理想である。
あらゆる問題は見方を変えれば解決できる。
そう考えた彼は、
弁証法
を編み出した。
問題が起きたら嘆くのではなく取り入れる。
むしろ好都合だとさえ考える。
さあ、春。
時の早さを嘆くか、暖かな日差しを楽しむか。
幸せの鍵はあなたが握っています。
佐藤理人 14年3月30日放送
やっぴー
哲学でRestart! 「サルトル」
ルールに縛られて息苦しいと感じたら、
フランスの哲学者サルトルの言葉を
思い出してください。
人間は「自由の刑」に処せられている
彼は人間の本質はその人の中にあるのではなく、
これから何をするかで決まると考えた。
選択こそ、人生。
何をしてもいいと言われると、
何をすればいいかわからなくなるように。
本当の自由とは制約の中にあるのかもしれません。
「何食べたい?」って聞かれたら
「なんでもいい」とは答えない。
そんな春を始めませんか。
佐藤理人 14年3月30日放送
ひでわく
哲学でRestart! 「プラトン」
もしも愛が醒めてしまったら、
古代ギリシャの哲学者プラトンの言葉を
思い出してください。
離れるから、求め合う
昔々、あるところに
アンドロギュノスという怪物がいました。
それは顔が二つ、手足が四本ずつのすごいやつ。
悪さばかりしていたら神様の怒りをかって、
ある日まっ二つにされてしまいました。
そうして出来上がったのが、顔が一つ、
手足が二本ずつの二人の人間。
二人は元の体に戻りたくて
互いを求め合うようになったそうです。
これが愛し合う男女のはじまり。
二人の求めあう姿をプラトンは
エロス
と名付けた。
春は出会いの季節。
消えかけた愛に火をつけるなら、
新しい出会いが有効かもしれません。
佐藤理人 14年3月30日放送
哲学でRestart! 「キルケゴール」
もしも絶望してしまったら、
デンマークの哲学者キルケゴールの言葉を
思い出してください。
絶望は死に至る病である
彼は絶望を三つに分類した。
一つ目は、お金や愛や名誉など、
欲しいものが手に入らない絶望。
二つ目は、自分自身が抱える劣等感への絶望。
そして最悪なのが三つ目の、無意識の絶望。
絶望を感じる人にはまだ救いがある。
本当に絶望している人は
自分が絶望してることさえ気づかない。
そんな鈍感な人を彼は、
無邪気な人
と呼んだ。
隣の芝生は見た目ほど青くない。
何も悩みなんて無さそうな人に限って、
誰より深い悩みを抱えているのかもしれません。
さあ、春。幸せはきっと
あなたの芝生で芽吹いています。
佐藤理人 14年3月30日放送
akemi
哲学でRestart! 「ニーチェ」
もしも人生の目的を見失ったら、
ドイツの哲学者ニーチェの言葉を
思い出してください。
神は死んだ
神は誰も救わないし、人生に意味なんてない。
生きている、そのことをただ楽しもう。
宗教に頼らなくても人は強くなれる。
彼はそう言いたかったのだ。
散るからこそ、桜は美しい。
きっとニーチェも賛成してくれるはず。
佐藤理人 14年3月30日放送
KYR
哲学でRestart! 「デリダ」
もしも難しい選択を迫られたら、
フランスの哲学者デリダの言葉を
思い出してください。
脱構築
真実か嘘か。正義か悪か。自分か他人か。
すべての価値感は対立する二つの概念でできている。
でも本当にそうだろうか、と彼は考えた。
過去の自分だって他人と言えるのではないか。
脱構築とは問題の構造に疑問を提示して、
問題そのものを無力化してしまうこと。
どちらも「正解」。そう思えば選ぶのは容易い。
花を愛でる人も、団子を楽しむ人も、
お花見においてはどちらも正解であるように。
名雪祐平 14年3月29日放送
© Mary Ellen Mark
その人になる ジョニー・デップ
愛してる、以外の告白の仕方。
映画『妹の恋人』で
風変わりな主人公のジョニー・デップが、
「愛してる、ジューン」
という場面がある。
それをジョニー・デップは
こんなふうに変えたかった。
「ジューン、僕はオネショするんだ」
彼の考えは、こう。
笑っちゃうほどバカっぽいけど、正直だろ。
オネショするなんて告白するのは
愛してる、というのと同じ。
ほんとうに愛してるからこそ、
誰にも言えないような秘密を告白するんだから。
でも、その提案は却下され、
ストレートな、愛してる、になった。
名雪祐平 14年3月29日放送
その人になる ハーヴェイ・カイテル
映画『デンジャラス・ゲーム』で
俳優ハーヴェイ・カイテルが告白するセリフ。
「人を殺したいという衝動があったから
海兵隊に入った」
このセリフは海兵隊経験のある
ハーヴェイ・カイテルの本心だった。
人を殺したいと
思ったことがない人間なんて
信用できない。
人間の原始の感情を探求することこそ人生。
俳優として、
情感や考えを表現することについて
こう話した。
ぞくぞくする。
銃をとる以上に勇気がいることだ。