三國菜恵 14年3月16日放送
Tom.Bricker
夢みるおとなたち ウォルト・ディズニー
夢の国に行ってきます
大人までもがこう口にする。
千葉県・浦安市 東京ディズニーランド。
この地に魔法をかけた張本人、ウォルト・ディズニーは
人間についてこんなまなざしを持っていた。
笑い声は時代を超え、想像力は年を取らない。そして、夢は永遠のものだ。
三國菜恵 14年3月16日放送
Atom Malchick
夢みるおとなたち 中村有志
舞台俳優や、大食い番組のレポーターなど、
幅広い活躍をしている俳優・中村有志(なかむらゆうじ)。
北九州出身の彼は、高校3年のとき上京する決意を固めた。
そして、2つのことを準備する。
ひとつは、ひもじさに慣れること。
東京での貧乏生活はさぞ厳しいだろうから、一年間、大好物の白米を断った。
そしてもうひとつ、圧倒的な暴力に備える準備をした。
新聞やテレビで見る東京には、血の気の多い若者がウヨウヨしていたから、
トレーニングを重ねて、拳を磨いた。
準備は万端。東京へ。
バイトはいくらでもあった。
280円で満腹になれる定食屋も見つけてしまった。
ストリップ劇場の裏で輩にからまれたとき、
「拳を試す時が来た」とばかりに相手を殴ったら
あっけなく病院送りにできてしまった。
「あれ?」中村は首をかしげる。
血湧き肉踊る東京は、どこに行った?
その為に準備したのに!
夢見た街で起こることが全部ドラマチックとは限らない。
小林慎一 14年3月15日放送
peterjr1961
キック vs ボクシング
1995年にK-1グランプリを2連覇した
元キックボクサー、ピーター・アーツはこういった。
「このルールならマイク・タイソンにも勝てる」と。
キックとボクシングのチャンピオンが戦ったらどちらが勝つか。
世界中の格闘ファンが、いろいろな場所で議論したことだろう。
しかし、アーツが言うように、ポイントはルールの設定だ。
ボクサーがK-1ルールで戦う場合、
踏み込んだ脚へのローキック対策が必要になる。
また、首をつかまれ、膝蹴りを入れられる首相撲の対策も必要だ。
ローキックをブロックする練習、首をつかまれない練習、
つかまれたらそれを解く練習、
それらをボクシングの練習時間を減らしてやらなければならない。
ボクシングヘビー級チャンピオンの
フロイド・メイウェザーの年収は、約90億円。
そんな努力を彼がするとは思えない。
小林慎一 14年3月15日放送
柔道
もしも、路上でケンカをすることになった時
相手が柔道家だったら
すぐにあやまるか、逃げ出すのが得策である。
柔道家は路上では危険な相手だ。
路上では、投げられたその先は畳ではなく、アスファルトだからだ。
また、路上では、当たり前だがみな服を着ている。
柔道家なら、服をつかみ、簡単に投げることができる。
服を利用した絞め技も脅威だ。
吉田秀彦は、ホイス・グレーシーとの戦いで、
袖車締(そでくるまじめ)めによって、ホイスを落とした。
そして、ホイス・グレーシーは、
吉田秀彦とのリベンジマッチに、上半身裸で望んだ。
判定は引き分けではあったが、その試合内容はホイスが圧倒していた。
もしも、路上で柔道家とケンカをすることになったら。
あやまるか、逃げるか、それとも、ホイスのように、
すぐ裸になるのが得策である。
小林慎一 14年3月15日放送
塩田剛三
身長154cm、体重46kg。
合気道家塩田剛三の演舞を見た事があるだろうか。
その小柄な体格ながら、ほぼ姿勢を崩すことなく、
手首の返しだけで、 何人もの大人を投げたり、押さえつける。
座ったままの塩田を押してもびくともせず、
そのまま投げ飛ばされる。
ケネディ大統領がその演舞を見学してあまりの凄さに、
やらせではないかと疑い、
「私のボディガードは心身ともに鍛え上げた人間だから、ぜひ相手をして欲しい」
と頼み、戦わせた話しは有名である。
ケネディのボディガードは、座ったままの塩田に手首をとられ、
簡単に制圧されてしまった。
塩田の拓殖大学の後輩で史上最強の柔道家と言われる木村政彦は
腕相撲では負けたことがないと豪語していた。
しかし、体重46kgの塩田は、
木村と腕相撲を3回行い、そのうち2回勝っている。
小林慎一 14年3月15日放送
空手
伝説の格闘家は、現代に生きていたらどのくらい強いのか。
格闘技ファンの好きな議題である。
例えば、極真空手の創始者、大山倍達の場合。
もし、全盛期の大山倍達が、現代にタイムスリップし、
総合格闘技に参戦したとしたら、もちろん勝つ事はできないだろう。
理由は明白だ。
総合格闘技ルールを想定した、トレーニングをしていないからだ。
では、大山倍達が総合格闘技のトレーニングをしていたら勝てるのかどうか、
という仮定は、想像の余地があまりにも多く意味がない。
では、ノールール、つまり、ケンカをしたらどうだろうか。
全盛期のロシアの王者ヒョードルや、
クロアチアのミルコ・クロコップが相手であれば、
体格も違うし、技術の洗練度も違うため、
勝つことは難しい、と結論づけることは簡単だ。
しかし、極真空手ルールをつくる前、大山倍達が得意としていたのは、
変幻自在の目つぶし攻撃と、
どんな角度からも打ち込むことができる急所蹴りだったという。
時代は変わり、格闘技のルールと技術は洗練され、
そして、実践を極めようとする格闘家は少なくなった。
熊埜御堂由香 14年3月9日放送
ercolemarchi
からだの話 ピナ・バウシュの問い
ドイツの前衛的な女性舞踏家、
ピナ・バウシュ。
彼女は若いダンサーたちの指導に当たる時
つねにこう問い続けた。
あなたは、誰ですか?
自分の存在を、身体だけで表現する。
その厳しい問いかけは、彼女が亡き今も、
舞台の上で生き続けている。
熊埜御堂由香 14年3月9日放送
komehachi888
からだの話 よしもとばななの健康
作家、よしもとばなな。
小さいときから体が弱かった彼女が、
健康について対談した時にこんな話がでた。
風邪をひく勇気がないと健康じゃない。
病気をしても、大丈夫だってどこかで思える、
そういう魂そのものが健康なんじゃないか。
大人になり、いつの間にか、
「よしもとさんは、健康そうですね」と
周りから言われるようになったという。
きっと彼女の中では、
からだと心の歯車がぴたっと合って
ゆっくりでも、きちんと、今日も動いている。
茂木彩海 14年3月9日放送
InfoMofo
からだの話 池谷裕二
こんな実験がある。
一人には、お箸を横にした状態のままくわえてもらい、
もう一人には、お箸を縦にした状態のまま唇ではさんでもらう。
そのまま同じマンガを読んでもらい、その面白さを点数で評価してもらうのだ。
結果、高得点を出したのは、お箸を横にしてくわえた人のほう。
これは、口を横に開くという笑顔に似た状態を、
からだのほうに強制的につくることで
それを脳が「マンガは面白い」と勘違いしてしまうからだという。
最新の脳科学をわかりやすく書籍にし、
講義活動を行っている脳科学者の池谷(いけがや)裕二は言う。
脳はからだに引っ張られる形で活性化される。
人間は脳から変わらない。からだからしか変えられないと私は考えます。
脳みそでじっと考えるより、からだを動かして感じるままに。
正直に生活してみると
探していた答えが、案外簡単に見つかるのかもしれない。
小野麻利江 14年3月9日放送
Matthew
からだの話 マイケル・ジョーダン
バスケットボールの神様、マイケル・ジョーダンは
試合開始早々、何本かシュートをはずしても、
ことさらに、気にしたりはしなかった。
「よし、リズムはつかめているぞ。これからだ。」
からだにそう言い聞かせて、プレーを続けていたという。
意志の力で、からだはきっと、いい方に動く。