茂木彩海 13年2月3日放送
noriqnub
ユーモアの話 黒柳徹子のユーモア
よこしまで腹黒の奴は、善良な縞馬を見習うがよい。
なぜなら縞馬は腹白で、たてしま、なのだから。
自身の著書、『トットの動物劇場』の中で
ユーモアたっぷりに動物たちを観察する黒柳徹子。
その目は鋭くて斬新。
「もう秋だよ!」と喋る九官鳥に感動したり
キリンの首に掛かる血圧の心配をしたりと、忙しい。
そんな彼女の言葉。
変わりたければ、
「私、これじゃなきゃダメなの」と決め込んだりしないことが大切ね。
いくつになっても変われる可能性があると思うと、
ワクワクするじゃない?
ユーモアのある人。それは
世の中を自由な角度で見ることができる人、
とも言える。
石橋涼子 13年2月3日放送
ユーモアの話 ニーチェの笑い
人間だけが涙を流す生き物である。
とはよく言われるが、
他にも人間だけが持つ特徴があるらしい。
ドイツの哲学者、ニーチェ曰く、
人間のみが、この世で苦しんでいるので
笑いを発明せざるを得なかった。
なるほど。
秀逸なユーモアに触れて、涙が出るまで笑って。
それが人間の特権。
石橋涼子 13年2月3日放送
ユーモアの話 ガンジーとユーモア
もし、私にユーモアがなければ、
これほど長く苦しい戦いには
耐えられなかったでしょう。
これは、インド独立の父と呼ばれている
ガンジーの言葉だ。
生涯、暴力を否定し続けたガンジーは、
厳格で真面目な印象を抱かれがちだ。
しかし、弟子たちによると
ガンジーはにこにことよく笑い、よくしゃべる、
人懐こい人物だったと言う。
思想も目標も大事。
だがやはり、
人は、楽しそうな人のもとに集まる。
熊埜御堂由香 13年2月3日放送
riacale
ユーモアの話 ミヤコ蝶々と南都雄二
芸人・ミヤコ蝶々。
昭和50年まで20年間放送された
長寿番組『夫婦善哉』の司会で名をはせた。
一般の夫婦をゲストに
蝶々の弟子だった南都雄二(なんとゆうじ)と、
漫才のようにエピソードをひきだしていった。
ある回、実は、司会の2人が夫婦であることを
番組内で明かすと、まるで結婚式のように
観客から祝福の歓声が飛んだ。
しかし番組開始から4年、
雄二の浮気が発覚し蝶々は離婚を決意する。
今度は離婚を隠し、おしどり夫婦を演じて司会を続けた。
数年後、思い切って離婚を明かすと、蝶々に同情があつまった。
口達者な蝶々さんと、浮気者でダメな雄さんという
新しい芸風でさらに司会を続けていく。
蝶々は雄二が48歳でなくなるまで家族以上に親身に世話をし、
最後には『夫婦善哉』の司会をひとりでつとめあげた。
男と女のおかしさを伝え続けた番組だった。
蝶々がよくサインに記していたフレーズがある。
おもろうて、やがて哀し。
薄 景子 13年2月3日放送
ruoshin
ユーモアの話 スヌーピー
子どもは1日300回笑うと言う。
大人になった私たちは、
1日に何回、心から笑っているだろう。
スヌーピーは言う。
気が滅入るだって?
きみの生活にはユーモアが足りないのかも。
そっか。笑い飛ばしちゃえばいいんだ。
大人だってみんな
昔は子どもだったのだから。
小野麻利江 13年2月3日放送
ユーモアの話 星野源と「ようこちゃん」
俳優・歌手など、マルチに活躍するアーティスト、星野源。
彼には、自分のことを「ようこちゃん」と
名前で呼ばせる母親がいる。
星野が子どもの時。
「源、助けて!」という声を聴き、星野が風呂場に駆けつけると、
「排水溝に、吸い込まれるー!」
湯船の中で「ようこちゃん」が、迫真の演技。
パニックになった星野が、泣きじゃくりながら助けようとすると、
「どうも、ありがとうございます」と、
「ようこちゃん」は息子に敬語で、お礼を言った。
なぜあんなことをして、自分で遊んでいたのか?
星野が尋ねると、「ようこちゃん」はこう答えた。
だって、学校行って帰ってくるたびに
源の顔が暗くなっていくんだもん。
それを無理に頑張れって言うのも嫌だし、
だからせめて家の中だけは
楽しくいてもらおうと思って、いろいろしたの。
それを聞いて、星野は思う。
私は、遊ばれていたのではなく、遊んでもらっていたのだ。
ユーモアも、感謝も。
毎日のできごとを、ひとつ大きな視点からとらえなおす、
いとおしい、方法。
薄 景子 13年2月3日放送
k14
ユーモアの話 加藤千恵
泣きたいと 思っているのに 電話とか
宅配便に ジャマされている
加藤千恵。
高校生歌人としてデビューして以来、
日常の心の揺らぎや、それが転じたユーモアを、
ありのままに謡い、短歌界に新しい風を吹かせる。
まっピンクの カバンを持って 走ってる
楽しいほうが あたしの道だ
そんな自由なコトダマに
きょうもだれかがニヤリとなる。
茂木彩海 13年2月3日放送
ユーモアの話 長新太のユーモア
たくさんのユーモアを描いた絵本作家、長新太。
彼の死後に出版された絵本「プアー」は、
息を吸うとしっぽと耳と鼻が膨らんで、「スー」と息を吐くと元に戻る犬の物語。
プアー
スー
もとに もどったよ ワン
深呼吸するみたいに、たまには力の抜けたユーモアを。
佐藤延夫 13年2月2日放送
noriqnub
五味太郎とは1
絵本作家、五味太郎さんは
400冊を超える絵本を世に出している。
正確な数字がわからないのは、
数えるのをやめてしまったからだ。
本人曰く、絵本をつくるのはカンタン。
もちろんそれには彼なりの理屈がある。
生まれつき得意なことをやるのは楽。
楽しくやっていると、だいたいうまくゆく。
とてもわかりやすい、人生のルール。
佐藤延夫 13年2月2日放送
絵本作家、五味太郎さんは
若いときに、いろいろな仕事を経験した。
浴衣カタログのモデル。
運送会社の運転手。
建設現場の交通整理。
どの職業もそれなりに楽しかったけど、
彼には向いていなかった。
もちろん理屈は一緒だ。
楽しくやっているつもりでは、だんだん辛くなる。
自分に嘘をついて頑張っても、得られるものは少ない。