熊埜御堂由香 19年12月29日放送



年の瀬のはなし  年の瀬の元号チェック

5月1日に始まった令和元年。
元号で有効期限が示される運転免許証は、
少し時差があり5月5日から反映されるようになった。

きっと、いま手元にある運転免許証には
あるはずのない、平成31年以降の平成年度が
有効期限に記されている人も多いはず。

さて、令和元年も、そろそろ終わり。
ゆっくりできる年の瀬こそ、
令和を数えて、うっかりしないように
免許の更新期限をチェックしていただきたいものです。

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薄景子 19年12月29日放送


norak のら
年の瀬のはなし  年の瀬の語源

一年で一番慌ただしいのが、年の瀬。
「年の瀬」の瀬という字は、
「川の瀬」から来ている。

川の中でも浅い「瀬」の部分は、
水流が急に勢いを増し、
波がたってざわめいている。
そんな様子を
年末の慌ただしさと重ねたのだ。

「年の瀬」にこめられたもうひとつの意味は
江戸時代に広まった「ツケ払い」である。

年内に溜まったツケを精算しないと
翌年から何も売ってもらえない。
とはいえお金の調達はむづかしい。
急な流れを渡るような危うさで年を越すから
「年の瀬」という表現が生まれた。

さて、令和元年も、そろそろ終わり。
今年の「ツケ」は今年中におさめて、
新しい年を気持ちよく迎えたい。

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小野麻利江 19年12月29日放送


MO
年の瀬のはなし  俳人と年の暮れ

ちび墨と 我とありけり 年の暮

幸田露伴が詠んだ、年の瀬にまつわる一句。
1年の終わりを、静かに過ごす様子が目に浮かぶ。

しかし、この時期に家族親戚が
集まることも多い我が国。
露伴の句のように静謐な時間を
手に入れることは、中々に難しく。

夏目漱石の場合。
 やかましき 姑健なり 年の暮

尾崎紅葉の場合。
 癇癪よ 小言よ金よ 年の暮

服部嵐雪の場合。
 いづれもの 猫なで声に 年の暮 

そんな状況に置かれると、
もはや自分ひとりの手に負えず、
ままよ、とう気持ちになるもの。

小林一茶の場合。
 ともかくも あなたまかせの 年の暮

松尾芭蕉の場合。
 なりにけり なりのけりまで 年の暮

そんな年の暮の
人の心のあり方を、
正岡子規は、冷静でいて
どこかあたたかな眼差しで、
このように詠んでいる。

 人間を 笑ふが如し 年の暮

さて、令和元年も、そろそろ終わり。

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茂木彩海 19年12月29日放送



年の瀬のはなし  年越しそばの願い

年の瀬に食べる食べ物といえば。
そう、年越しそばだ。

この年越しそば。
実はきちんと起源があるものではないようで。

細く長く伸びることから長寿を願って食べるようになった。
という一般的に言い伝えられている説に加え、
そばは切れやすいので一年の苦労を綺麗さっぱり切り捨てられるから。
金細工をするときに飛び散った金をそば粉を使って集めるため
縁起が良いから。

などなど、諸説あるようだが
ここまで色々な説があると、単に
美味しいそばを食べるための言い訳にすぎないような気もしてくる。

令和元年の締めくくりには、はてさて、どんな蕎麦を食べようか。

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茂木彩海 19年12月29日放送


zinc362
年の瀬のはなし  年の瀬のことわざ

あっという間に今年も年の瀬。

来年こそはもっと時間を有効活用しなければと
焦る気持ちはどうやら世界共通らしい。

海外に目を向けてみると、
イタリアにはこんなことわざがあるそうだ。

 時間は人間のために作られており、
 人間が時間のために作られているわけではない。

あれも、これも。やることが多くてバタバタしてしまう年の瀬にこそ
残された「今年」の時間を大事にしたい。

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川野康之 19年12月28日放送



焚き火の話

地球上で焚き火が行われ始めたのはいつ頃だろうか。
50万年前の北京原人の遺跡には焚き火の後が残っている。
30万年前から3万年前まで地球に住んでいたネアンデルタール人は、
焚き火で煮炊きまでしていたという。

動物の皮や樹の皮を鍋代わりに使っていたらしい。
そんなものを火にかけたら燃えてしまわないかと心配になるが、
水が入っていれば沸点以上には温度が上がらないからだいじょうぶなんだそうです。

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川野康之 19年12月28日放送



焚き火の話

ネアンデルタール人は言葉をしゃべっていた。
発見された舌の骨からそう推測されている。
彼らは毎晩、焚き火を囲んで語り合っていたのだろうか。
何を語り合っていたのか、どんな言葉をしゃべっていたのかは明らかになっていない。

その後に現れたホモ・サピエンスも、
もちろん毎晩、焚き火を囲んで語り合っていた。
私たちが焚き火を見るとつい囲みたくなるのは、
地球人のDNAなのかもしれない。

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川野康之 19年12月28日放送



焚き火の話

落ち葉や枯れ枝を集めて燃やす焚き火は
晩秋から冬にかけての日本の風物詩だった。
焚き火を見ると囲まずにはいられない私たちの気持ちを唄った歌がある。

 たきびだ たきびだ おちばたき
 あたろうか あたろうよ

北風の中、子供たちは火を見つめていつまでもおしゃべりしていた。
たいてい、焚き火の中にはサツマイモが入っていた。

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川野康之 19年12月28日放送



焚き火の話

キャンプファイヤー。
焚き火を囲んで踊るオクラホマミキサーは
アメリカで生まれたフォークダンス。
曲名ではなくダンスの名前である。
日本には戦後アメリカから伝えられた。
その時の振り付けは現在のオクラホマミキサーとは異なり、
男女が2列に向かい合って踊るものだったという。

どうやって今の形に変化したのだろう。
ちなみに多くの人が「オクラホマミキサー」だと思っている曲のタイトルは
「わらの中の七面鳥」である。

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川野康之 19年12月28日放送



焚き火の話

仕事納めの日。
大掃除で出てきたゴミや不要な書類を
昔はこの日に焚き火で燃やしていたという。
一日中かけて盛大に燃える火の様子を描写した句がある。

 ひねもすを御用納めの大焚火

一年の仕事を終えてスカッとする気持ちが伝わってきますね。
昨日は仕事納めでした。
スカッとして来年の仕事始めを迎えましょう。

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