佐藤延夫 19年7月6日放送
Mecanoo
世界の図書館 デルフト工科大学図書館
図書館の屋根で昼寝ができる。
それはオランダにあるデルフト工科大学図書館だ。
正面から見ると、モダンデザインの図書館。
裏手にまわると、緑一面の芝生が広がっている。
図書館の屋根が、なだらかな丘のように傾斜しており、
人々はサンドイッチを頬張ったり、
寝そべって本を読んだりすることもできる。
きっと学生たちは、
思い出の中に、この図書館を刻むことだろう。
石橋涼子 19年6月30日放送
半分のはなし 半分のカタカナで
データ容量の単位に「ギガバイト」「テラバイト」が
当然のように使われている昨今だが、
誰もが知っているRPGゲームの草分け
初代「ドラゴンクエスト」は、その容量、わずか64キロバイトだった。
容量削減のための工夫のひとつとして、
なんと、カタカナの半分を制限したという。
あの独特の呪文やモンスターの名前はすべて、
わずか20個のカタカナで構成されている。
たった半分でできることも、前向きに挑戦すれば
意外とたくさんあるのかもしれない。
さあ、2019年も、残り半分です。
石橋涼子 19年6月30日放送
半分のはなし 残り半分への心構え
マラソンでは、42.195キロの中間地点付近に
折り返し点が置かれることが多い。
急なターンを走り抜けるために
意外とパワーが必要なポイントだが、
辛かった向かい風が追い風に変化したりもする。
無事に折り返しを過ぎれば後半戦。
希望が見えてくるだろうか。
それでもまだ半分かと、絶望するだろうか。
マラソンの起源は、
古代マラトンの戦いで伝令係が走ったと言われている距離。
もちろん中間地点の案内などはなかった。
希望でも絶望でも、残り半分への心構えができるのは
ありがたいことかもしれない。
今日6月30日は、2019年の中間地点。
今年の後半戦が、始まりますよ。
小野麻利江 19年6月30日放送
半分のはなし スタンダールの恋と情熱
僕の魂は、もし燃え上がらなければ苦しむ業火なのです。
フランスの小説家・スタンダール。
『赤と黒』の作者として知られる彼の生涯は、
いくつもの情熱で彩られていた。
7歳の時に失った、母への渇愛。
ナポレオンへの、心酔。
そのナポレオンの遠征軍に参加し
ミラノの土を踏んだことで、
イタリア人のような生き方に傾倒したこと。
女優から人妻に至るまでの、数々の恋愛。
そして、ミラノでの
マチルデ・デンボウスキとの実らぬ恋…
憧れと絶望を繰り返しながらも、
スタンダールは生きて、書いて、そして愛した。
彼は、こんなことも言っている。
情熱を持って恋したことのない人間には、
人生の半分、それも美しいほうの半分が隠されている
美しいほうの半分も、醜いほうの半分も。
知りつくした作家だからこそ、
作品たちは、今も色あせない輝きを放っている。
茂木彩海 19年6月30日放送
半分のはなし シラーの友達
ドイツを代表する詩人、シラー。
日本人には馴染みのない名前かもしれないが、
ベートーヴェンの交響曲第9番「歓喜の歌」の
大元となる「自由讃歌」の作詞を行った人物である。
22歳の時に匿名で発表した処女作では
権力に抗う犯罪者を主人公にした物語に多くの若者が熱狂。
このことがきっかけで貴族から追われる身となり、亡命生活へ突入する。
困窮する生活を支えたのが、大親友、ケルナー。
彼を想ってか、シラーはこんな言葉を残している。
友情は、喜びを二倍にし、悲しみを半分にしてくれる。
素敵な半分こが、彼の人生を支えていた。
薄景子 19年6月30日放送
半分のはなし モンゴメリの言葉
今年もあっという間に半分が終わり
気がつけば、夏休みはもうすぐそこ。
旅をするならどこに行くか。
誰に会いに行くか。
そんな計画を立てている時間も
楽しみのひとつ。
「赤毛のアン」の作者、
ルーシー・モード・モンゴメリは
小説の中で、こんな名言を残している。
何かを楽しみに待つということが、
そのうれしいことの半分にあたるのよ。
そのことはほんとうにならないかもしれないけれど、
でもそれを待つときの楽しさだけはまちがいなく自分のものですもの。
なるほど。
実現できるかはさておいて
今年は最高の夏休みを妄想してみよう。
楽しみを待つ時間を、思いっきり楽しめば
人生は2倍楽しめるのだから。
熊埜御堂由香 19年6月30日放送
半分のはなし ハーフバースデー
赤ちゃんの6ヶ月の誕生お祝いをする、
ハーフバースデーが流行っている。
元々は、アメリカやイギリスの習慣だ。
子どもの誕生日が、学校の長期休暇と重なった時に、
半年前後に、友達も呼んでお祝いをしていたことからきている。
成長をみんなで見守りたい。
その心は日本版、ハーフバースデーも同じ。
ちょうどその頃、寝返りがうてるようになって視野が広がる。
授乳に並行して離乳食も始まり、食への興味も生まれる。
生まれたての赤ちゃんを守っていた母親からの免疫が、
切れて、病気にかかりやすくなる時期とも言われる。
まさに、自立の半歩を踏み出す、ハーフバースデー。
1年待たずに祝福したい、
赤ちゃんの命の輝きがその時間には満ちている。
茂木彩海 19年6月30日放送
半分のはなし 1年の半分
1年もすでに半分が過ぎようとしている6月。
毎日忙しく過ごしているうちに、
気づいたらあっという間に終わってしまったという方も多いはず。
そんなみなさんに、希望を持って
イギリスの元首相であるスタンリー・ボールドウィンの言葉を捧げたい。
人間、志を立てるのに遅すぎるということはない。
伊能忠敬も50歳から測量を学び始め、測量の旅に出たのは56歳。
徳川家康も豊臣秀吉からその座を奪ったのは62歳になってから。
1年のもう半分をどう過ごそうか。
今から今年の抱負を考え直すのも、悪くない。
小野麻利江 19年6月30日放送
半分のはなし 石田三成と島左近
石田三成には、
自分が秀吉から貰った
禄高の半分を与えて
召抱えた家臣がいた。
羽柴秀吉に賢さを気に入られていた
三成だったが、
戦の経験がないため、
軍事の才能に長けた人材を欲していた。
そこで白羽の矢を立てたのが、
名将・島左近。
左近は当初何度か断ったが、
三成の情熱に
ついには首を縦に振ったという。
もしあなたが、
人生を共にしたい人と出会った時。
自らの半分を、果たして賭けられるだろうか。
渋谷三紀 19年6月29日放送
argyadiptya
雨音を聞きながら「雨粒の形」
雨粒の形というと「涙粒の形」を思い浮かべませんか?
それは間違い。
実際は「肉まんの形」なのだそうです。
雨の落下速度は秒速6mから8mあり、
落下するうち地面側がへしゃげて
肉まんのような底ができるのです。
空から降る肉まんを思い浮かべてにやりとすれば
雨降りの憂鬱も少し晴れるかもしれません。