礒部建多 19年6月16日放送


monicamüller
位を授かった和菓子

今日は、和菓子の日。

透明感があり、瑞々しいわらび餅。
これからの暑い季節を彩ってくれる。

一説によれば、
平安時代の醍醐天皇の好物であったのだ。
こんな逸話も存在する。

醍醐天皇はわらび餅の味を
ひどく気に入ったあまりに、
太夫の位を授けたとか。

上品な甘さ、モチっとした力強い弾力。
原料となるわらび粉は、希少価値も高い。

天皇ほどの人が、虜になるのも無理はない。

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奥村広乃 19年6月16日放送



羊羹の変遷

今日は和菓子の日。

特別な日の贈り物にも喜ばれる、羊羹。

この羊羹、
なぜ名前に「羊(ひつじ)」という漢字が使われているか
ご存じだろうか。

鎌倉時代から室町時代の頃
中国の禅僧が、日本へ伝えた羊羹。
当時の羊羹は、羊のお肉が入ったとろみのあるスープだった。

しかし、禅宗では肉食が禁止されていたため、
羊を小豆に見立てたものが広まったのだとか。

羊のスープのままだったら、
羊羹は、きっとここまで広まっていない。
和菓子の進化は面白い。

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松岡康 19年6月16日放送


Okayu2323
6月の和菓子

今日は和菓子の日。

4月は桜餅、5月は柏餅と誰もがしっているが、
6月を代表する和菓子といえば、何かご存知だろうか?

答えは「水無月」という三角型のお菓子。
白い半透明のういろうの上に、小豆を乗せた
どこか涼しげな姿のお菓子だ。

室町時代、旧暦6月1日の「氷の節句」の日に、
氷室から氷を切り出して食し
暑気払いをする宮中の風習があった。

当時氷は大変高価なもの。
庶民たちは見た目を氷に似せた水無月をつくり
みなで食したという説がある。

むしむしと熱さが増すこの季節。
平安時代に想いをはせながら、
水無月を食べて涼んでみてはいかがだろうか。

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礒部建多 19年6月16日放送



おかずだった和菓子

今日は和菓子の日。

元はポルトガルから伝来したカステラも、
日本人のアレンジによって確立した、立派な和菓子である。

そんなカステラは、お菓子ではなく、
おかずとして食されていた時期があった。

砂糖が貴重だった江戸時代。
今のように甘くはなく、
大根おろしをかけたり、お吸い物の具に入れて食す、
栄養食だったというのだ。

明治以降の経済成長と共に、
カステラの味は、今のような甘さ広がる、
豊かな味わいへと変わっていった。

カステラの歴史。
それはどこか、
この国の発展の歴史と重なるところがある。

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松岡康 19年6月16日放送



源氏物語のお菓子

今日は和菓子の日。

源氏物語に、日本最古といわれるお菓子が登場する。

餅を椿の葉で挟んだ、椿餅だ。

「若菜上」という帖で、
平安貴族たちが蹴鞠をした後
椿餅を食べる場面がでてくる。

今も食べられている椿餅。
平安を味わっていると考えると、
その味にも深みがでるだろう。

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佐藤理人 19年6月15日放送


Piefke La Belle
雪男って信じる?

イエティ、ビックフット、雪男。

呼び名は違っても、世界の山岳地帯に住む人々は、
古くから毛むくじゃらの大男の話を語り継いできた。

身長3m、体重140kg。
見かけはサルに似ており、2本足でよたよたと歩く。

雪男が初めて目撃されたのは1832年。

目撃者であるネパールの初代イギリス大使
B・H・ハドソンは、その日の日記に、

 黒くて長い毛に覆われた、
 未知の生物が歩いていた。

と記した。ちなみにしっぽはなかったそうだ。

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佐藤理人 19年6月15日放送



雪男って信じる?

梅雨には、たくさんの名前がある。
雪男が世界的に有名になったのは1951年。

イギリスの登山家エリック・シプトンが、
長さ33cm、幅20cmの人間に似た足跡を発見した。

クマにしては大きすぎるその足跡は、
人間では超えられない大きなクレバスを、
ひとまたぎで超えていた。

かくして、雪男狩りが流行の冒険になった。

ガイドたちは山に住む巨人の話を繰り返し語り、
雪男のものと称する骨や皮が土産物として人気を博した。

しかしそのどれもがヤギのものだった。

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佐藤理人 19年6月15日放送



雪男って信じる?

雪男の撮影に初めて成功したのは、
アメリカの農場主ロジャー・パターソンである。

彼は1967年カリフォルニアで、
川岸を歩く背が高くて毛深い動物の姿を、
114mの距離からフィルムに収めた。

映像は短くボケていたが、胸の形から雌であることはわかった。
直立して大股で歩く、巨大なサルに似たその生物は、
彼が撮影していることに気づくと、慌てて森に消えていった。

史上最も有名なこの雪男の映像をきっかけに、
世界中のテレビ局や新聞社に何百通も目撃情報が殺到した。

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佐藤理人 19年6月15日放送



雪男って信じる?

アメリカでは昔から雪男、
別名ビッグフットが数多く目撃されている。

1973年6月25日の深夜。
イリノイ州のマーフィーズボローという小さな村近くの森で、
ドライブ中のカップルが気味の悪い叫び声を聞いた。

やがて地響きを立てながら、
巨大な毛むくじゃらの生物が全身泥まみれで現れた。

その生物は

 マーフィーズボローの泥の化物

と名付けられ、警察が正式に調査にのりだした。

大規模な捜索隊が、森をしらみつぶしに探した。
しかし発見できたのは、広範囲に踏み潰された草木と、
泥の上に残る大きな足跡だけだった。

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佐藤理人 19年6月15日放送



雪男って信じる?

雪男の正体は何か。

もっとも有力なのは、
アメリカの研究家ハーラン・ソーキンの説だ。

彼はゴリラに似た大型の類人猿が、
突然変異を起こした結果だと言う。

 ゴリラは1800年代初めまで発見されなかった。
 初めてゴリラを見た人間がどう思ったか
 想像できるかね?

恐怖を抱いた人間たちが防衛のため、
類人猿たちを襲ったことは想像に難くない。

生存競争に破れ山岳地帯へ避難したその末裔が、
雪山で独自の進化を遂げ、雪男になったのだろうか。

その正体は、今も謎のままである。

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