大友美有紀 19年6月2日放送
Jon Baldock nz
路地の話 繁華街の路地
今日は、6月2日。路地の日。
東京の路地には、いろいろな顔がある。
下町の路地には人情が、
山手の路地には無口なシェフのレストランが、
繁華街の路地にはドラマがある、気がする。
路地は隠れ家。
路地は冒険。
路地は異世界への入り口。
目的地に最短距離で行くのもいいけれど、
路地にちょっと入り込んで、
見たいことのない景色に出会いたい。
佐藤延夫 19年6月1日放送
気象記念日 雨の話
今日から6月。梅雨の季節です。
一口に梅雨と言っても、
さまざまな名前があることをご存知でしょうか。
まずは梅雨に入る雨、入梅(にゅうばい)。
梅の実が熟すころの雨です。
そして栗の花が落ちると書いて、栗花落(ついり)。
そのほかにも、男梅雨(おとこづゆ)、女梅雨(おんなづゆ)。
戻り梅雨、送り梅雨、枯れ梅雨(かれつゆ)なんて言葉もあります。
だんだん恋しくなってくるのが、
初夏のやわらかな南風、凱風(がいふう)。
今日6月1日は、気象記念日。
今年の梅雨は、雨を楽しんでみませんか。
佐藤延夫 19年6月1日放送
気象記念日 雲の話
気象学的に、雲は形や高度に基づき
10種類に分類されるそうだ。
下層雲は、地上から2000mまで。
ただし積乱雲のような巨大なものは
上層まで広がっていることもある。
中層雲は、2000mから7000m。
灰色の乱層雲、ひつじ雲は、
このカテゴリーに入る。
7000m以上の上層雲は、うろこ雲、すじ雲など
薄くて上品そうな雲が多い。
今日6月1日は、気象記念日。
たまには空を見上げてみませんか。
佐藤延夫 19年6月1日放送
気象記念日 風の話
日本には、さまざまな風の名前がある。
その地域だけ吹く風。
特定の季節にしか吹かない風。
そんな風を日本中から集めると、
2000種類に及ぶという説もある。
今の季節で言えば、
青葉のころに吹く強い南風、青嵐。
梅雨のあたりに吹く湿った南風、流し。
そして白南風。
だんだん恋しくなってくるのが、
初夏のやわらかな南風、凱風。
今日6月1日は、気象記念日。
窓を開けて、風を感じてみませんか。
佐藤延夫 19年6月1日放送
気象記念日 天気予報の話
科学的な天気予報の始まりは、
17世紀に遡る。
水銀温度計の実用化、
ガリレオの弟子トリチェリにより気圧が発見され、
パスカルがそれを証明してみせた。
19世紀の初めには、
ドイツの気象学者ブランデスが
世界で初めて天気図を発表した。
それは等圧線と風向きだけが書かれた
シンプルなものだった。
その後、クリミア戦争に参加した
英仏の艦隊が嵐で被害に遭い、
ナポレオン3世はフランス各地に測候所を建てたという。
そして日本でも、1884年の今日6月1日、
最初の天気予報が発表された。
全国一般 風ノ向キハ定リナシ
天気ハ変リ易シ 但シ雨天勝チ
漠然とした予報でも、それは大きな一歩だった。
今日は、気象記念日。
佐藤延夫 19年6月1日放送
mrlins
気象記念日 虹の話
虹は、
空中に浮かぶ雨粒に太陽の光が当たり、
水滴の内部で屈折と反射をすることにより生じる。
虹がふたつ現れた場合、
明るい内側のものを主虹(しゅにじ)、
少しぼやけた虹を副虹(ふくにじ)という。
主虹と副虹では、色の配列が逆になっている。
主虹の内側に縞模様が重なったものを、過剰虹(かじょうにじ)。
太陽よりも天頂に、虹のような光の帯が現れる現象は、環天頂アーク(かんてんちょうあーく)。
もしかしたら梅雨の晴れ間に、鮮やかな虹が見えるかもしれない。
今日6月1日は、気象記念日。
石橋涼子 19年5月26日放送
Beautiful Harmony 仕事と植物
平成が終わる頃には、だいぶ浸透した
ワーク・ライフ・バランス。
とはいえ、生きている以上は、
それなりのワークタイムが必要なわけで。
海外のとある調査では、労働環境の過半数は
自然の光や緑のない人工的な環境だという。
一方、オフィスに植物など自然物があると
生産性と幸福度が上昇するという調査報告もある。
難しいことはさておき、
自然に触れて「ホッとした」経験は
多くの人にあるものではないだろうか。
デスクに小さな観葉植物を置くだけでも、
ストレス軽減には十分だという。
令和は英語でBeautiful Harmony。
一人ひとりの心身の美しい調和が、
きっと、新しい時代の調和をつくる。
石橋涼子 19年5月26日放送
seq
Beautiful Harmony 進化する歌舞伎
400年以上の歴史を持つ歌舞伎は、
伝統芸能でありながら、進化する大衆文化でもある。
客との距離を縮める花道や、
ひとりが何役も演じる早変わりなど
舞台演出的な発明だけではない。
回り舞台や床が上下するセリなど、
時代の先端技術も積極的に活用し続けている。
現在でも、アニメを題材とした演目や、
プロジェクションマッピングなどの
最新テクノロジーを駆使した演出が話題を集めている。
古典から数えて1000以上の演目がある歌舞伎だが、
今でも年に数本ずつ新作が生まれ続けている。
安定と調和という言葉は、一見すると似ている。
しかし、安定には変化がない。
そして、調和はバランスを取る努力を要するが、
水の流れのように常に変化があり、進化がある。
令和は英語でBeautiful Harmony。
過去と現代の美しい調和で
進化をたのしむ時代が始まった。
熊埜御堂由香 19年5月26日放送
puffyjet
Beautiful Harmony 幼老複合施設
宮崎駿監督の映画、崖の上のポニョ。
主人公の宗介は、老人ホーム「ひまわりの家」の
お隣りの保育園、「ひまわり園」に通う。
これは宮崎さんが、ずっと構想していた
理想郷、イーハトーブ町を映画の設定にしたという。
そんな宮崎さんの未来予測がいま、
「幼老複合施設」と呼ばれ現実になっている。
老人ホームと、保育園や小学生の学童保育を併設するような、
子どもと高齢者が一緒に過ごせる施設だ。
そこではさまざまな調和が生まれている。
仕事で、お母さんの帰りが遅くなる時には
おばあちゃんが面倒を見てくれる。
昔あそびを教えてくれたり、
時には厳しく叱ってくれることもある。
学校が終わり、子どもたちが「ただいま」と言って
ホームに入ってくるとみんなで「おかえり」と出迎える。
すると、いままで、家に帰りたいと落ち込んでいた
おじいちゃんの表情がガラッと明るくなる。
令和は英語でBeautiful Harmony。
少子高齢化をネガティブに捉える見方もある。
でも、光の当て方を変えれば、
みんなが協力して生きていく時代とも言える。
さぁ、和気藹々と。令和の時が流れますように。
薄景子 19年5月26日放送
Sugikats
Beautiful Harmony 二十四節気七十二候
自然を愛しむ国、日本には、
季節の変化を細やかに表現する暦がある。
一年を二十四の季節に分けて表す暦、
二十四節気(にじゅうしせっき)。
そして、それをさらに約5日ごとに分けて
より繊細に季節のうつろいを表現する、
七十二候(しちじゅうにこう)。
春夏秋冬ですら、味わいきれずに
時の流れが加速してゆく現代に
こうした暦は教えてくれる。
自然の微細な変化を感じとる心があれば、
時は美しく穏やかに流れてゆくのだと。
令和は英語でBeautiful Harmony。
美しい自然と調和して生きた先人の感性を
この時代にこそ味わいたい。