佐藤延夫(事務局)

佐藤延夫 18年2月3日放送

180203-01
Sulgenau
小説の舞台 ヨハンナ・シュペリ

スイスとリヒテンシュタイの国境にある小さな街、
マイエンフェルト。
そこからほど近いイェニンス村は、
「アルプスの少女ハイジ」の舞台と言われる場所だ。

作者のヨハンナ・シュピリも
チューリッヒ州の山村で育ったため、
作品の中には、彼女の愛したアルプスの大自然が描かれている。

私たちがよく知るアニメとは違い、
原作のハイジは、それほど平和な世界ではない。
ペーターは嫉妬深い少年であり、
セントバーナード犬も登場しない。

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佐藤延夫 18年2月3日放送

180203-02

小説の舞台 フランソワーズ・サガン

太陽の光を浴びて青く輝く海。
上から見下ろすと、白い模様のようにクルーザーが浮かぶ。

フランス南部、イタリアとの国境付近にあるリゾート地、
リヴィエラ海岸は、小説「悲しみよ こんにちは」の舞台となった場所だ。

当時、フランソワーズ・サガンは18歳。
作品がベストセラーとなりメディアの注目を浴びたが、
薬物やギャンブルで身を滅ぼすことになる。
サガンの有名な言葉をひとつ。

「ハッピーエンドで終わる偉大な小説はありません。」

それはまるで、彼女の生き様のようでもある。

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佐藤延夫 18年2月3日放送

180203-03
fui
小説の舞台 ヘルマン・ヘッセ

ドイツの南西部、バーデン=ヴェルテンベルク州に、
気高く佇む修道院がある。
マウルブロン修道院。
それは、小説「車輪の下」の舞台になった場所だ。
広大な敷地は城壁と壕に囲まれ、
礼拝堂のほかに診療所、食堂、宿泊所などの建物も並ぶ。
ヘルマン・ヘッセも14歳のとき、この神学校に入学したが、
わずか半年で脱走している。

「人生とは孤独であることだ。誰もほかの人を知らない。みんなひとりぼっちだ。」

そんな彼の言葉が似合う静謐な修道院は、
1993年、世界遺産に登録されている。

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佐藤延夫 18年2月3日放送

180203-04

小説の舞台 ルイス・キャロル

900年以上の伝統を誇るカレッジ。
煉瓦造りの建物、青空を刺すような教会の尖塔は、
眺めているだけで襟を正したくなる。

イギリスの大学都市、オックスフォード。
ここは「不思議の国のアリス」の作者、
ルイス・キャロルが暮らした場所だ。

本名は、チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン。
オックスフォードの数学講師でもあった彼は、
ある日、少女たちに奇想天外な物語を話して聞かせた。
即興でつくったストーリー「地下の国のアリス」は、
「不思議の国のアリス」というタイトルに変わり、
現在では200以上の言語で翻訳されている。
ルイス・キャロルは、こんな言葉を残した。

「どっちへ行きたいかわからなければ、どっちの道へ行ったって
大した違いはないさ。」

きっと、それが不思議の国で生き抜くヒント。

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佐藤延夫 18年2月3日放送

180203-05
LaurPhil
小説の舞台 アルベール・カミュ

リュベロン山地をのぞむ小さな村。
ぶどうやオリーブ、アーモンドの木が並ぶ。

フランス南部の村、ルールマラン。
ここは作家アルベール・カミュが晩年過ごした場所だ。

パリを拠点としていたカミュは、
結核の症状に悩まされるようになり、
プロヴァンス地方の小さな村をいたく気に入った。

「人生の意味ばかり探している人は、生きているとは言えない。」

そんな彼の言葉が似合う場所は、
フランスの最も美しい村に認定されている。

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佐藤延夫 18年1月6日放送

180106-01
Karsten Thormaehlen
日野原先生の言葉たち

2018年。
今年は、どんなことに挑戦しようか・・・。
頭の中で思いを巡らすのは簡単なのに、
実際に一歩目を踏み出すのはなかなか難しいですよね。
でも、
98歳で俳句、
100歳でストレッチ、
101歳でフェイスブックにチャレンジした方がいます。

「人は創めることを忘れなければ、いつまでも若くある」

これは日野原重明先生が、生前ずっと大切にしていた言葉。
今年、なにかをはじめてみよう。

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佐藤延夫 18年1月6日放送

180106-02
Adam
日野原先生の言葉たち

今年は、「生きる」という意味を深く考えてみませんか。
日野原重明先生は、
こんなことをおっしゃっています。

 生きる。それはすなわち呼吸をすること。
 息を吐くことを意識した呼吸こそが、良い呼吸法。

欲望のままなんでも吸い込むだけでは
呼吸は続きません。
自分の持てる力は、
できるだけ他の人のために提供する。
そうすると、心が満たされていく。

今年は、吐き切る1年にしよう。

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佐藤延夫 18年1月6日放送

180106-03
Propangas
日野原先生の言葉たち

リトリート、という言葉があります。
直訳すると、退却、避難。
そのほか、
仕事や家庭など日常生活から距離を置き
自分だけの時間を持つ、という意味もあるんです。

日野原重明先生は、
リトリートの大切さに触れています。
人生を川の流れにたとえるならば、
途中で一旦、淀みやくぼみに身を寄せて、
「ああ、こうやって自分が流れてきたのだなあ」と感じること。

年末年始のお休みは、まさにリトリートにぴったりの時間。
あなたは、自分自身と向き合えましたか?

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佐藤延夫 18年1月6日放送

180106-04
atacamaki
日野原先生の言葉たち

もう若くないから。
いい歳だから。

老化って、ネガティブに捉えがちですが
ちょっと考え方を変えれば、
「成長」でもありますよね。
日野原重明先生は、こうもおっしゃいます。

もの忘れが増えたとしても、
それは大したことではない。
くよくよしたり、思いわずらったりするのをやめる。
困ったことがあったら誰かに頼めばいい。
失ったものを未練がましく思うより、
手の中にあるものに目を向ける。
それが、心のしなやかさ。

年の初めに、自分に言い聞かせたいこと。

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佐藤延夫 18年1月6日放送

180106-05

日野原先生の言葉たち

どこかで聞いた言葉。
既視感のある風景。

年齢を重ねるほど、
物事の新鮮味が薄れていく。
でも、そこで諦めずに
より深く関わろうとすれば、
まったく違って見えてくる。
日野原重明先生は、「二度目の感動」と表現しています。
かつて読んだ文章でも、その本当の意味が、ひらめくようにわかる。
早春の梅の花に、凛とした美しさを感じる。
初めて味わったときよりも、ずっと深く、あたたかく。

歳をとるほど、感動できる人になりたい。

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