人体と会話した男たち ロナルド・ロス
マラリアの語源はイタリア語である。
直訳すると「悪い空気」。
その病原菌は、蚊によって媒介されるが
全ての蚊が犯人ではない。
全世界で2500種類と言われる蚊の中から
真犯人のハマダラカを発見したのが、
イギリスの医学者ロナルド・ロスだった。
それは、小さな蚊の小さな胃の中を調べるという
気の遠くなるほどミクロな作業。
人体と会話した男たち ロナルド・ロス
マラリアの語源はイタリア語である。
直訳すると「悪い空気」。
その病原菌は、蚊によって媒介されるが
全ての蚊が犯人ではない。
全世界で2500種類と言われる蚊の中から
真犯人のハマダラカを発見したのが、
イギリスの医学者ロナルド・ロスだった。
それは、小さな蚊の小さな胃の中を調べるという
気の遠くなるほどミクロな作業。
人体と会話した男たち イワン・パブロフ
犬に餌を与えるとき必ずベルを鳴らすと、
やがて犬はベルの音を聞いただけでよだれを流す。
「パブロフの犬」という
あまりにも有名な条件反射の話だが、
ロシアの生理学者イワン・パブロフは、
その後も実験を繰り返した。
ベルの音を聞かせるだけで餌を与えなかったらどうなるか。
ベルを鳴らしたあとに犬の気を散らすような刺激を与えると、どんな結果になるか。
年数にして30年。
亡くなる3年前までパブロフは、このような実験を繰り返した。
ちなみに、パブロフがノーベル賞を受賞したのは
食べ物を消化する「消化腺」のはたらきについてなのだが、
壇上でのスピーチでは、条件反射の話ばかりしていたそうだ。
大富豪のマネーライフ ジョン・ロックフェラー
アメリカの石油王、ジョン・ロックフェラー。
世界に名だたる大富豪であり、
保有する金融資産は3400億ドルにも達していた。
だが彼は、節約を愛した。
ウールの手袋が欲しかったのに
間違えて高価な毛皮の手袋を買ってしまうと、
3ドル程度の無駄遣いをひどく後悔したという。
彼のこんな言葉がある。
「私は煙草も紅茶もコーヒーも
欲しいと思ったことは一度もない。
なんであれ、欲しくてたまらないと思ったことはない」
無欲の大富豪は、庶民よりも慎ましい。
大富豪のマネーライフ ジェームズ・ゴードン・ベネット
新聞社ニューヨーク・ヘラルドの社長、
ジェームズ・ゴードン・ベネットは
実に大富豪らしい金の使い方をした。
今では到底ありえないことだが、
電車に乗っているときに「もっとゆっくり走らせてくれ」と車掌に注文した。
願いが叶えられると、チップとばかりに1万4千ドルを手渡す。
その車掌はすぐに会社を辞めて店を開いたそうだ。
そして気に入っていたモンテカルロのレストランでも
自分の特等席に誰かが座っていると、
その店ごと買い占めてしまった。
亡くなる前に財産のほとんどを失っていたというのだから、
さぞ気持ちいい人生だったのだろう。
大富豪のマネーライフ ウィリアム・ランドルフ・ハースト
アメリカの新聞王、ウィリアム・ランドルフ・ハースト。
最愛の妻と5人の子どもをもうけたが、
50歳のとき出会った若い女のため
湯水のように財産を使う。
愛人の名前は、18歳のショーガール、マリオン・デイビス。
ハーストは、彼女を大女優にするため
わざわざ映画会社を作り、
一緒に暮らすための豪邸まで建てた。
ハースト・キャッスルとも呼ばれるこのお屋敷は
165部屋もあり、プールは屋内と屋外にひとつずつ。
さらにテニスコートとエアポートまであった。
それでもまだ物足りなかったのか、動物園まで作ってしまった。
アフリカから野生動物を買い付け、
ライオン、ゾウ、キリンなど300種類以上の動物が
放し飼いにされていたという。
このお屋敷のために費やされた金額は、3000万ドル以上。
現在のレートだと、およそ3500億円にもなる。
うらやましいというレベルを超えた、呆れるほどのお金持ち。
大富豪のマネーライフ アリストテレス・オナシス
ギリシャの海運王、アリストテレス・オナシス。
25歳から始めた海運業で莫大な財産を得た彼は、
ある日、ヨットを購入した。
もちろんただのヨットではない。
全長98メートル。
カナダ海軍に所属していた軍艦をヨット用に改造してしまった。
スイートルームが4部屋あり、
バスタブは大理石で作られ、
広間にはエル・グレコの絵画まで飾られた。
もちろんそれでは足りず、ギリシャ沿岸の島を買い
3つの豪邸を建てた。
金で買えないものはない、という生き方。
大富豪のマネーライフ ヘンリー・フォード
アメリカの自動車王、ヘンリー・フォード。
それまで高級品だった自動車を低価格で販売し、
自動車業界に革命を起こした。
総資産1990億ドルとも言われた彼が
次に目をつけたのは、天然ゴムだった。
自動車用のタイヤを自給自足するために
アマゾン川付近の密林を買い占め、
フォード・フロンティアと名付けた。
広さは200万エーカーとも言われる。
この場所に、労働者のために住宅をつくり
病院や学校のみならず
道路や消防署、ホテルまで建設したというから徹底的だ。
しかし現実は無情だった。
アマゾン特有の伝染病や害虫に悩まされ、
さらに現地労働者の反発、未熟な技術などが重なり、
フォードは何も得ることなく撤退する。
ただ、彼の資産を考えると、
蚊が刺したほどのダメージもなかっただろう。
大富豪のマネーライフ アンドリュー・カーネギー
アメリカの実業家、アンドリュー・カーネギー。
製鉄事業で財を成し、鉄鋼王とも言われる男は、
金持ちのまま死ぬのは恥だと考えていた。
33歳で会社を設立した際に、こんなメモを残したという。
「年収は5万ドル。
財産はこれ以上増やさず、余った金は慈善事業に寄付をする」
言葉の通り、晩年には世界中に図書館を寄付した。
その数は、2811にも及ぶ。
何か裏があるのでは?と疑われてしまうのも
大富豪の有名税というものだろう。
Commonwealth Secretariat
大富豪のマネーライフ ハサナル・ボルキア
ブルネイ国王、ハサナル・ボルキア。
資産総額は200億ドルにもなる彼の趣味は、車だった。
メルセデス・ベンツを531台、
フェラーリを367台、
BMWが185台、
ジャガーは177台。
合計5000台以上の高級車を所有していたという。
もちろん、「ぜんぶ乗れませんよね?」
という質問は、野暮だ。
大富豪のマネーライフ アルフレッド・ショシャール
パリのデパート王と呼ばれた、アルフレッド・ショシャール。
ルーブル百貨店創業者のひとりで
絵画のコレクションでは、金に糸目を付けなかった。
そして驚くべきは、自分の葬式の計画を綿密に立てていたことだった。
墓地の場所、墓の形はもちろんのこと、
死装束、霊柩車の飾り付け、
さらに葬儀屋の格好にも口を出した。
髭を剃らせ、召使いの衣装まで着せてしまったという。
葬儀費用は100年前の50万フラン。
現在の貨幣価値では、38億円にもなるそうだ。
しかし賄賂とも言える献金が明らかになり、
安い賃金で働かされる従業員たちの不満と相まって
実際の葬儀のときは、
市民に罵倒されながら旅立ったようだ。
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