T.Kiya
100年の一滴 安奈淳
両親が宝塚の大ファンで、
生まれた娘が宝塚歌劇団に入る。
そしてトップスターとして輝く。
そんな夢みたいな話がある。
51期生の安奈淳は、
熱烈な両親の思いとは反し、
クールな口数の少ないタカラジェンヌだった。
セリフが苦手、と自分で告白するほどの芝居下手で
人付き合いも得意ではなかった少女は、
自然体のまま、トップスターの座を守り続けた。
ただ辞めたくなり、目先のことも考えずに辞めた。
宝塚を去った理由も、実に彼女らしいと言える。
宝塚歌劇は、今年で100周年。
妖精のように繊細なトップスターも、
その歴史の一部を彩っている。