宝塚受験
定員40名前後の狭き門に、
応募者は全国から1000人を越える、宝塚音楽学校。
天海祐希は、同校を代表するトップスターだ。
当時通っていた高校の先生に薦められ、
宝塚を目指すようになった天海。
バレエや歌のレッスンに通い始めると、
すぐに才能を開花させ、「10年に1人の逸材」とも呼ばれた。
しかし、誰もが天海の受験を後押しする中
レッスンの先生だけは、こう言った。
「今、あなたが宝塚を受験したら、
受かってしまうかもしれない。
それでは入学してから、あなたが大変な苦労をする。」
天海は、その年の受験を見送り、
翌年の試験でトップ通過を果たす。
そして、最年少で月組トップスターに就任するなど
輝かしい実績を収めた。
ゴールは目先の合格だけではない。
ずっと先の人生と、真摯に向き合うこと。
それを受験と呼ぶのだろう。