東京生まれの上京
恋人よ 僕は旅立つ 東へと向かう列車で
このフレーズではじまる「木綿のハンカチーフ」。
松本隆が作詞し
太田裕美が歌うこの曲は、
1972年に発売され大ヒットとなった。
東京の都会的な空気に触れ、変わっていく男。
故郷にいたころのように、彼に変わらないでいてほしいと願う女。
松本は、上京にまつわる別れのさみしさを見事に描ききった。
実は、松本には上京経験などない。
東京のど真ん中、港区青山生まれ。
歌詞にはこうある。
都会の絵の具に 染まらないで帰って
東京という大都会をいちばんよく知る松本。
彼が言う「都会の絵の具」とは、
どんな色だったのだろう。