グルメな浮世絵
美味いものを食べたい。
そんな時、ネットを見れば色んな飲食店の情報を
写真と口コミで見ることができる。
江戸時代、その役割を担っていたのは浮世絵だった。
歌川芳艶が描いた御府内流行名物案内双六では、
双六の形式を取りながら当時江戸で流行していた名物を描いている。
蕎麦、蒲焼、すし、天ぷら。
色鮮やかな食べ物や飲食店の名前も数多く見ることができる。
今の時代も江戸の時代も
グルメな国民性は変わっていない。
グルメな浮世絵
美味いものを食べたい。
そんな時、ネットを見れば色んな飲食店の情報を
写真と口コミで見ることができる。
江戸時代、その役割を担っていたのは浮世絵だった。
歌川芳艶が描いた御府内流行名物案内双六では、
双六の形式を取りながら当時江戸で流行していた名物を描いている。
蕎麦、蒲焼、すし、天ぷら。
色鮮やかな食べ物や飲食店の名前も数多く見ることができる。
今の時代も江戸の時代も
グルメな国民性は変わっていない。
江戸の大物プロデューサー
広重、北斎、歌麿、写楽。
浮世絵師と聞けば、著名な天才絵師が何人も思い浮かぶ。
この誰もが知る浮世絵師たちの陰に、
江戸時代の敏腕プロデューサーがついていたということは
あまり知られていない。
蔦屋重三郎。
浮世絵や本を出版する版元をしていた彼は、
時代をいち早く察知し、発信することに長けていた。
歌麿や写楽、葛飾北斎など、
才能あふれる新人を発掘しては、流行作家に育て上げていった。
彼のプロデュースによって、江戸の文化、
世界の絵画は大きく進化した。
重三郎なくして、今の美術界はあり得ない。
プロデュースも立派な才能なのだ。
浮世絵の中にいる人
浮世絵師 歌川広重。
日本各地の風景を大胆な構図で描き上げた。
『東海道五十三次』を
教科書で見た人も多いだろう。
それらの風景の中には、
そこで暮らす人が描かれている。
降りしきる雪の中、背中を丸めて歩く旅人。
裸になって海ではしゃぐ子供。
傘をさして立ち話をする女性。
酔っ払って醜態を晒す人。
眠りについた子を背負う父親。
200年近く前に描かれた浮世絵の中に、
今と変わらない人の営みを感じる。
人間の根っこのところは、
時代や服装が変わっても、
そう変わらないのかもしれない。
浮世絵を育てた男
菱川師宣、葛飾北斎、歌川広重。
浮世絵を、日本を代表する芸術へ押し上げたのは、
彼らのような絵師の功績だけではない。
美術商だった林忠正。
ジャポニスムに沸くパリを拠点に、
世界中を周り、日本美術を広めた。
当時はまだ価値も知られていなかった、
数多くの浮世絵作品を海外に流出させ、
巨額の富を得た為に、国内で反感を買った。
売国奴と呼ばれたこともあった。
しかし海外からの評価が上がったことで、
国内でも一級の芸術品として、
広く認識されるようになったのだ。
絵師たちが生んだ作品を、林が名作へと育て上げた。
そう言っても過言ではない。
葛飾北斎の発想
色鮮やかで、描写も構図も自由な浮世絵。
葛飾北斎は、誰よりも枠にとらわれず、
見る人を驚かせた。
徳川家斉に呼ばれ、
御前で即興の絵を書いていた時のこと。
細長い紙に、刷毛で藍色を塗ると、
籠に入れてきた鶏の足に朱色を塗って、
紙の上を歩かせた。
「これはこれ竜田川の景色なり」と言い残し、
その場を去ったという。
一つ一つの足跡が、
まるで清流に流れる紅葉のように見えたのだ。
「絵は筆で書く」、
そんな常識すらも超越する創意工夫が、
庶民だけでなく、時の将軍さえも驚嘆させた。
メキシコの死生観
今日はメキシコの独立記念日。
メキシコは
世界で最も自殺をしない国のひとつ。
日本と比べてもずっと少ない。
メキシコ人にとって、死ぬとは何か?
それを感じられるのが「死者の日」だ。
10月31日から11月2日までの3日間、
カラフルな骸骨の飾りが溢れる街を
顔にも骸骨のペインティングを施して
楽しげに練り歩く。
死者の魂がこの世に戻っている間に、
生きている家族や仲間とともに
交流を楽しむための日だという「死者の日」。
死を忌み嫌うことなく
いつも身近にあるものと考える。
それが生きている時間を
大切にできる秘訣かもしれない。
死を見に行く博物館
今日はメキシコの独立記念日。
メキシコを代表する都市グアナファト。
標高およそ約2000m。
メキシコいち美しいと言われるカラフルな街並み。
銀の鉱山があり賑わいを生んでいたこの街は
独立革命の舞台でもあった。
なんとも愛らしい街グアナファトの
意外な観光スポット、それがミイラ博物館だ。
グアナファトの埋葬方法は “土葬” 。
標高が高く乾燥しているため、
遺体は自然にミイラ化する。
公立墓地で親族が埋葬税を支払わない遺体は
状態がいいとミイラ博物館行きになった。
本物のミイラがずらりと並ぶ。
人の死が身近にあるメキシコならではの
ちょっと不気味な博物館である。
メキシコ壁画のエネルギー
今日はメキシコの独立記念日。
メキシコルネッサンスとも呼ばれる
メキシコ壁画運動を、ご存知だろうか?
街のいたるところで見られる
巨大な壁一面を覆い尽くす
エネルギッシュな壁画の数々。
1920年代、メキシコ革命の意義や、
メキシコ人としてのアイデンティティを
民衆の心に呼び起こすために描かれた。
文字が読めない貧しい人々にも
絵ならばメッセージが伝えられる。
キャンバスよりもはるかに大きく
形も様々な建物の壁は、
画家たちの挑戦心を呼び起こしたはずだ。
この壁画運動は、国民のみならず
海を越えて世界中の芸術家にも影響を与えた。
そこにあるのは、ただの芸術ではなく
国を変えたいという人間の情熱。
そのエネルギーは今も壁画から
脈打つように、ほとばしっている。
死を見に行く博物館
今日はメキシコの独立記念日。
世界の三大穀物は
コムギ、コメ、そしてトウモロコシ。
このトウモロコシの原産地は
メキシコ周辺と推定されている。
紀元前7000年頃にはすでに
栽培されていたという。
先住民族には
神がトウモロコシから人間をつくった
という神話があるほど
昔から重要な作物だった。
他にもトマト、唐辛子、カボチャ、アボカド、
ズッキーニ、カカオやバニラなど
メキシコ原産の農作物は多い。
なんと豊かな食文化を
長い間、大切にしてきたことか。
なるほど。メキシコ料理が
世界中で愛されているのも納得である。
Aaron Huber(Unsplash)
世紀の大発見
今日はメキシコの独立記念日。
かつて、かの地に繁栄した古代マヤ文明。
いまも各地に残る遺跡に、
その卓越した技術力を垣間見ることができる。
2016年に報じられた、15歳の少年が未発見の
マヤ文明の都市を発見した、というニュースを
ご存じだろうか。
少年が使ったのは、なんとネットの衛星写真。
その写真にはジャングルに浮かび上がる
正方形の印影が見て取れる。
すわ新発見か、と大騒ぎになったのだが、
実はこれ、マリファナの畑だった可能性が。
指摘したのはその地に詳しい文化人類学者。
その地に行ったこともある彼によると、
大切なことは実際にその場所に行って、
自分の目で見てみることだととか。
世紀の大発見は一日にしてならず、である。
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