澁江俊一

礒部建多 18年7月29日放送

180729-08
majiedqasem
水中に沈む公園

公園と言えば、普通は地上にあるもののはず。
しかし、オーストリアのとある公園は、
夏場になると、水中に沈んでしまうのだ。

それはグリーンレイクと呼ばれる、
雪解け水が流れ込むことで発生する、
夏季だけの水中公園である。

ベンチも、遊歩道も、木々も、公園の姿そのままに沈んでいる。
その光景は幻想的であり、
草木の緑が陽の光を反射して、
エメラルドグリーンの輝きを放つ。

水深は深いところで12mにも達し、
水温は10度にも達しないほど冷たい。
ダイバーたちはウェットスーツなどの防寒をし、
水中公園で憩いのひと時を過ごす。

日本の猛暑に疲れたら、
こんな避暑地に旅をするのはどうだろう。

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澁江俊一 18年6月17日放送

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マンハッタンの語源

今日はニューヨークに
自由の女神が贈られた日。

ニューヨークにはかつて
先住民族レナペ族が住んでいた。
魚や貝、鳥や鹿などを狩り
トウモロコシやカボチャなどを栽培し。
限られた資源で豊かに暮らしていたレナペ族。
彼らの文化は今もまだ、
ニューヨークの地名として残っている。

例えばマンハッタン。
これは「丘の多い島」または
「我々がみな、酔っぱらいにされた島」
という意味だったという説がある。

確かにマンハッタンの人々は
いつも新しい刺激に酔っている。

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田中真輝 18年6月17日放送

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Susan NYC
ニューヨーク 街の通奏低音

今日はニューヨークに
自由の女神が贈られた日。

ニューヨークシティ。
その街角に立って、耳をすますと、
街の喧騒の最も奥に、途切れることのない
唸りのような音を感じることができるはずだ。

耳からというよりは、
全身の細胞を震わせる振動として伝わってくる。
一説よると、人の営みが生み出した音は、
地中深く打ち込まれた高層ビルの鉄骨を通じて
マンハッタン島の固い岩盤を振動させる。

その振動が共鳴しながら跳ね返され、
街全体に広がっていくのだと言う。
ニューヨークが常に高揚感に満ちているのは
この絶え間ないバイブレーションに人々の魂が
揺さぶられ続けているからなのかもしれない。

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澁江俊一 18年6月17日放送

180617-03
InfoMofo
街の両雄

今日はニューヨークに
自由の女神が贈られた日。

ニューヨーカーが
愛してやまないスポーツ、野球。
ニューヨークに在籍する
メジャーリーグのチームは2つ、
ヤンキースと、メッツだ。
リーグが異なる両チームが対戦する試合は
交流戦で年間4試合あり
サブウェイシリーズと呼ばれ
ニューヨーカーを熱狂させている。

地下鉄で移動できるほど近い両チームが
過去一度だけシーズン優勝をかけて争ったのは
20世紀最後の年、2000年のことである。

地下鉄にもそれぞれのチームカラーの
特別デザインが施され、
ニューヨークの街は熱狂した。

結果は4勝1敗でヤンキースの優勝。
メッツがリベンジできるのは、
いつになるだろう。

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澁江俊一 18年6月17日放送

180617-04
Chung Chu
都市の中の自然

今日はニューヨークに
自由の女神が贈られた日。

ニューヨーカーや
観光客から愛されつづける
セントラルパーク。
森があり、起伏があり
湖があり、花が咲き乱れ
まるで自然そのままの風景だ。

自然の景観と生態系を公園に取り入れる、
その形が決まったのはおよそ160年前
アメリカ造園界の父、
フレデリック・ロー・オルムステッドのプランによる。

しかしこの土地、岩、泥、沼が多く、
開拓するのは至難の技で、
完成まで20年近くもかかった。

人と自然の共同作業。
それが時を超えて愛される
大都会のオアシスをつくったのだ。

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澁江俊一 18年6月17日放送

180617-05

若き英世の思い出

今日はニューヨークに
自由の女神が贈られた日。

ニューヨークに
ゆかりのある日本人といえば、野口英世。

福島の農家に生まれた英世は
独学で医学を学び渡米し経験を積み
1904年にロックフェラー医学研究所で
働き始める。

寝る間を惜しんで研究に没頭し
その優れた研究成果が
幾度となくノーべル賞の候補にもなった英世。
その多くは彼のニューヨーク時代になされている。

真面目な印象で知られる英世だが
実は遊びにも酒にも
研究と同じくらい没頭していた。

当時のニューヨークは世界最先端の都市。
英世はその街を遊び歩きながら
何を語り、何を思っていたのだろう。

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田中真輝 18年6月17日放送

180617-06
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マンハッタンヘンジ

今日はニューヨークに
自由の女神が贈られた日。

マンハッタンヘンジ
という現象をご存知だろうか。

マンハッタンには、
大きな通りが碁盤の目のように走っている。
年に二度、その東西の大通りに丁度沿うようにして、
太陽が沈む現象、それがマンハッタンヘンジだ。

その呼び名はもちろん、
春分、秋分の日の日没に沿うように
石が組まれたストーンヘンジに由来する。

かつて古代の人々は
ストーンヘンジに沈む太陽に向かって
神聖なるものへの謙虚な祈りを捧げた。
いま、世界の富と繁栄を象徴する場所に住む人々は
摩天楼を真っ赤に染めながら沈む太陽に、
何を思うのだろうか。

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田中真輝 18年6月17日放送

180617-07
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ニューヨークの蛍

ニューヨーク、マンハッタンの
ど真ん中で蛍を見た、と言ったら、
どうせ新手のイルミネーションか
なんかじゃないの、と思うかもしれない。

だが、実際に蛍はいるのだ。
マンハッタンのど真ん中、セントラルパークに。

日本の蛍とは違い
ニューヨークの蛍は水辺を必要としない。
6月の半ば頃から、煌めく摩天楼を背景に、
セントラルパークの芝生の上を
涼しげな光が舞う。

人と車が忙しなく行き交う街中でも
頼りなげに明滅する蛍を見かける
ことがある。

この街で夢を追う者たちは
小さくも空に飛び立つ姿に希望を託し
その光を『幸運の虫』と呼んでいる。

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田中真輝 18年6月17日放送

180617-08
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ニューヨークの名物

今日はニューヨークに
自由の女神が贈られた日。

ニューヨークを代表する
ソウルフードのひとつ、ホットドッグ。
ニューヨーカーの年間平均消費量なんと60本。
ホットドッグを売る移動式スタンドは、
ワンブロック毎にあると言っても過言ではない。

蒸気で温めたパンに、
ボイルしたソーセージとキャベツの酢漬け
ザワークラウトを挟んで、
仕上げにケチャップとマスタードをたっぷり。
シンプルだからこそ、いい。
そのシンプルさこそが、
いつも”on the way”なニューヨーカーにぴったりの
“on the way food”である秘訣なのだ。

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澁江俊一 18年5月20日放送

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ジーンズの誕生日

今日はジーンズの誕生日。

ゴールドラッシュに沸くアメリカ。
人々はとにかく丈夫な作業着が欲しかった。
仕立屋ジェイコブ・デイビスは
生地屋のリーバイ・ストラウスから仕入れた
丈夫な布でズボンをつくり、
ポケットをリベットという小さな金具で補強する。
これはのちに本人も忘れてしまうほどの
些細な思いつきだった。

それがまさかの大ヒット。
アイデアを守るための
特許出願にかかる費用は68ドル。
しかしジェイコブにはこれが払えず
リーバイと折半して出願する。
特許が承認されたのが1873年の今日だった。

史上最大の発明ジーンズは
仕立て屋と生地屋の
偶然のコラボから生まれたのだ。

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