探検家という悪魔
探検家は、時に征服者でもあった。
1519年、スペイン人探検家、エルナン・コルテスは
メキシコに上陸する。
先住民族アステカ人に比べ、
コルテスたちスペイン人は、あまりに多くのことを知っていた。
世界には、未知の人々が住む未知の場所があり、その場所を
征服することが、新しい知識と莫大な富を生むことを知っていた。
そして彼らは速やかにアステカの王、モンテスマを捕虜にし、
たった550人足らずで、何百万もの民を擁するアステカ帝国を
内部から引き裂き、征服する。
探検家によって得られた知識や富を抜きにして、近代科学の発展は
なかっただろう。
しかし一方で、探検家は、略奪者であり文明の破壊者でもあったのだ。