澁江俊一

澁江俊一 17年11月19日放送

171119-03
The Kids and Kahlie
ドラッカーの言葉 マネジメントと管理

1909年の今日は、
経済学者ピーター・ドラッカーが生まれた日。

マネジメントという言葉を
広く世界に知らしめたドラッカーだが
日本でこの言葉は、部下たちの行動を
逐一管理することだ、と思われがちである。

実は管理と、マネジメントは、
まったく違う概念なのだ。

ドラッカーは、マネジメントを
こんな言葉で表現している。

 マネジメントとは、人にかかわるものである。
 その機能は人が共同して成果を上げることを可能とし
 強みを発揮させ、弱みを無意味にすることである。

部下が、心から幸せに働けて
弱みではなく強みを活かし
成果を上げられるように導くこと。
その成果を企業の成長の原動力にすること。
それこそがマネジメントの意味なのだ。

管理職なんていう言葉は、
そろそろ日本から
なくなるべきなのかもしれない。

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澁江俊一 17年11月19日放送

171119-04
austrini
ドラッカーの言葉 若者たちへ

1909年の今日は、
経済学者ピーター・ドラッカーが生まれた日。

企業という組織の使命を
生涯にわたって研究し続けた彼の言葉は、
予測不可能な時代を生きる私たちにも、
大きな勇気をくれる。

例えば、こんな言葉。

 無数の選択肢を前にした若者が
 答えるべき問題は
 正確には、何をしたら良いかではなく
 自分を使って、何をしたいかである。

その通り。
まず、意志があることは、
実は、とてもしあわせなことなのだ。

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澁江俊一 17年11月19日放送

171119-05

ドラッカーの言葉 価値観の一致

1909年の今日は、
経済学者ピーター・ドラッカーが生まれた日。

あなたの会社の価値観を
あなたは知っているだろうか?
その価値観に共感し、
納得して働けているだろうか。

ドラッカーはこう語る。

 組織において成果をあげるためには、
 働く者の価値観が組織の価値観に
 なじむものでなければならない。
 さもなければ心楽しまず、成果もあがらない。

価値観など気にせず
給料だけもらえればいい、では
幸せな働き方とは言えない。
そして価値観があまりにも違いすぎると
気持ちよい関係を築けない。
いい組織は、いい家族と、どこか似ている。

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澁江俊一 17年11月19日放送

171119-06

ドラッカーの言葉 リーダーたちへ

1909年の今日は、
経済学者ピーター・ドラッカーが生まれた日。

正解がない時代に
リーダーとして部下の前でどう振る舞うかは
企業のマネジメント層の
共通の悩みではないだろうか?

そんな悩みの答えとしては、
ドラッカーのこんな言葉をおすすめしたい。

 信頼するとは、
 リーダーを好きになることではない。
 常に同意できることでもない。
 リーダーの言うことが真意であると
 確信を持てることである。

好かれようとしすぎても
正しいことを言うだけでも
良きリーダーにはなれない。
さて、あなたの言葉は部下たちに
まっすぐ届いているだろうか。

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田中真輝 17年11月19日放送

171119-07

創造者

1909年の今日は、
経済学者ピーター・ドラッカーが生まれた日。

彼は「マネジメント」という概念の発明者。
「民営化」や「知識労働者」、「目標管理」といった、
いまや経済論を語る上ではごく一般的な言葉も、
実は彼が作り出した造語である。

彼は自らを「社会生態学者」と名乗り、経済の仕組みを
つぶさに観察し、そこに見られる構造を言語化していった。

しかしそれは決して単なる観察ではない。
そこにある、名付けられていないものを名付けることは、
すなはち、新しい概念を作り出すことでもある。
ドラッカーは優れた観察者でありながら、
新しい世界の創造者であった、ともいえるのではないだろうか。

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田中真輝 17年11月19日放送

171119-08

未来学者

1909年の今日は、
経済学者ピーター・ドラッカーが生まれた日。

彼は一流の経営学者と評される一方、
未来学者、フューチャリストと呼ばれることもあった。

未来についてのドラッカーの有名な言葉。

 未来を予知しようとすることは、夜中に田舎道をライトも
 つけずに走りながら、後ろの窓から外をみるようなものである。
 一番確実な未来予知の方法は、未来自体を作り出してしまうことである

大切なことは、
明日がどうなるのかと憂うのではなく、
今日、何をするかである。
そう思わせてくれる力強い言葉だと思う。

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奥村広乃 17年10月15日放送

171015-01

ニーチェ 膨大な時間

173年前の今日は、
哲学者ニーチェが生まれた日。

彼は、
活発に遊びまわるよりも、
家の中で静かに一人で過ごすことを好んだ。
今風に言えば「引きこもり
だったそうだ。

スマホもネットもない時代。
彼は膨大な時間を
考えること、そして書くことに費やした。

彼はこんな言葉を残している。

「高く昇ろうと思うなら、自分の足を使う。
 高いところへは、他人に運ばれてはならない。」

24歳という異例の若さでバーゼル大学の
古典文献学の教授に抜擢。
生涯で多くの本を出版したニーチェ。
自らの努力を信じていたのだろう。

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澁江俊一 17年10月15日放送

171015-02

ニーチェ 強さの奥にあるもの

173年前の今日は、
哲学者ニーチェが生まれた日。

神は死んだ。
このあまりにも有名で強烈な言葉だけで
ニーチェを遠ざけるのはもったいない。

ニーチェがこの言葉に込めたのは
神は死んだのだから
人間らしく生きようという
人生を肯定する希望のメッセージだ。

超人。
これもニーチェの強烈な言葉だが
みんながやるからやるという基準ではなく
どんなに意味のない世の中でも
妬みや、恨みを持たず
自分のルールで物事を判断すれば
前向きに生きられる、
そんな人間になれというメッセージだ。

どんな常識にも流されず
本質を深く深く掘り当てたニーチェの言葉は
情報が溢れすぎた現代に
生きていく勇気をくれる。

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澁江俊一 17年10月15日放送

171015-03
Huss Khzam
ニーチェ 価値の転換

173年前の今日は、
哲学者ニーチェが生まれた日。

キリスト教の「隣人愛」は
自分よりも他人を愛しなさいと教える。
しかしニーチェはどうすれば自分が
もっと快活に生きられるかを徹底的に考え抜いた。

そんなニーチェの人生は苦悩に満ちていた。
激しい恋の末の失恋。親友との決別と孤独。
精神が壊れるギリギリの状態を
苦しみ切ることでたどり着いたのは
よりよい人生を生きるための価値の転換だった。

自分はいつか人類に最大の贈り物をするんだ。
そう自負して出版した「ツァラトゥストラ」は
しかし、ほとんど見向きもされなかった。
世界が彼の言葉の真の価値に気づいたのは、
ついに精神を病んだニーチェの死後、半世紀以上後のこと。

 大きな苦痛こそ
 精神の最後の解放者である。

苦しみの底でも
希望を捨てなかった男の言葉は重い。

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奥村広乃 17年10月15日放送

171015-04

ニーチェ 病気について

173年前の今日は、
哲学者ニーチェが生まれた日。

彼は病気がちだった。
赤痢や、ジフテリア。
大学を辞職したのも、
持病の悪化があったからだと言われる。

彼は病を患っている人について、
こう考えていた。

重い病気に苦しむ人は、
体力こそ十分ではないが、
とても冷静な眼差しで
物事を見つめることができる人だ、と。

ニーチェは晩年、
その魂を削るようなハイペースで
執筆活動を行なった。

彼はこう残している。

「自分を破壊する一歩手前の負荷が、自分を強くしてくれる。」

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