澁江俊一

礒部建多 20年6月21日放送



神送り

人類は遥か昔から
疫病と向き合ってきた。

医療が発達していなかった頃、
疫病は悪い神が流行らせるものだと思われていた。

そんな邪神を送り出す「神送り」の儀式を、
落語の題材にしたものがある。その名も「風邪の神送り」。

町の人々が風邪の神を、
鐘や太鼓で囃し立てながら隣の町まで送っていく。
終いには川や海へ流してしまう。

しかし、「お名残り惜しい」と言う奴が現れる。
誰かと思ったら町内の薬屋であったのだ。

その夜、川に流れた風邪の神は、漁師の網に引っかかる。
発見した漁師が一言、「夜網に付け込んだな」と言って、
「弱み」にかけるのがオチである。

目には見えない敵を、漫談にして笑い飛ばす。
疫病も、人間の知恵とユーモアには敵わない。

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礒部建多 20年6月21日放送



久松留守

人類は遥か昔から
疫病と向き合ってきた。

江戸時代。インフルエンザは、
「お染風邪」と呼ばれ恐れられていた。
対して人々は「久松留守」と書いた紙を
玄関や軒先に貼り付けて、疫病退散を願ったと言う。

これは、当時大流行した、
歌舞伎演目の「お染久松」に因んでいると言う。

内容は、お染と久松と言う男女の恋物語。
要は、「あなたの好きな久松さんは
留守をしておりますので、この家に来ないでくださいね」
と言うことらしい。

真剣なおまじないでありながらも、
洒落の心を忘れない。
そんな江戸の人々の心持ちに、学ぶことは多い。

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澁江俊一 20年5月17日放送



STAY HOME

ずっと家にいるからこそ
あえてやってみたいこと。

それは
ずっと前に感動した本や映画を
もう一度あらためて
味わってみること。

昔読んだ時よりも
読みやすいなと感じたり
今までなんとも思わなかったシーンが
意外な刺激をくれたりする。

本も映画も
変化していないのだから
それは時が経って
自分自身が変化したという証。

そんな変化を
お家で楽しんでみませんか?

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澁江俊一 20年5月17日放送


MIKI Yoshihito. (#mikiyoshihito)
STAY HOME

ずっと家にいるからこそ
あえてやってみたいこと。

それは
家の中に新しい居場所を
つくってみること。

いつもの寝室ではなく
リビングにキャンプ用のテントを張って
寝袋を敷いて家族みんなで寝てみたり
いつものご飯を
いつもの食卓ではなく、
庭や、ベランダや、屋上に
椅子とテーブルを移動して
のんびり食べたりしてみよう。

家の中だって
やったことがないこと、
きっとまだまだあるはず。
居場所をほんの少し変えてみるだけで
家に新しい風景が生まれる。

そんな自由を
お家で楽しんでみませんか?

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澁江俊一 20年5月17日放送



STAY HOME

ずっと家にいるからこそ
あえてやってみたいこと。

それは好きな料理を
いつもより手間暇かけて
つくってみること。

例えば
お湯を注げば
すぐにできるラーメンを
スープからつくってみる。
電話をすれば
すぐに届くピザを
生地からつくってみる。
カレーならルーを
自分の好きなスパイスで
つくってみる。

いちからやれば
失敗だっていい思い出になる。
丸一日かけて一食をつくる。
その時間は果たして
ムダな時間なのだろうか。
つくりながらきっと
今まで考えたこともないことを
考えたり気づいたりするはず。

そんな発見を
お家で楽しんでみませんか。

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澁江俊一 20年5月17日放送



STAY HOME

ずっと家にいるからこそ
あえてやってみたいこと。

それは時間旅行。

例えば
今住んでいるまちを起点に
過去へ過去へとどこまでも
時間をさかのぼってみる。

このまちで戦争中には
どんな出来事があったのか。
明治時代にはどんな建物があり
どんな人が住んでいたのか。
江戸時代には?
鎌倉時代には?
縄文時代には?

インターネットという
タイムマシンに乗り込んで
SFの主人公気分で
行けるところまで行ってみよう。

そんな冒険を
お家で楽しんでみませんか。

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田中真輝 20年5月17日放送



STAY HOME

ずっと家にいるからこそ
あえてやってみたいこと。

それはモノを捨てること。

例えば、いつかまた着るだろうと
しまってある衣服、
いつかまた読み返すかもしれないと
置いてある書籍を、思い切って
捨ててみよう。中古品としてネットで
売ってみるのもいいかもしれない。

どうしても捨てられないものが、
なぜ捨てられないのか考えてみるのもいい。
本当に大切なものを改めて確かめたり、
単なる執着だったと気づいたり。

モノを捨てることは、新しいスペースを
作ることでもある。それは部屋だけでなく
心の風通しも良くしてくれる。
その風はきっと新しい何かを連れてくる
はずだ。

そんなリセット作業を、
おうちで楽しんでみませんか。

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田中真輝 20年5月17日放送



STAY HOME

ずっと家にいるからこそ
あえてやってみたいこと。

それは楽器を弾くこと。

例えば、昔やっていたギターを
引っ張り出して、つま弾いてみる。
新しくウクレレを買ってを教本を
見ながら一から練習してみる。

最初はなかなか思った通りには
弾けなくても、繰り返すうちに
ちょっとしたことができるようになる。

練習すればするだけ、少しずつ、
うまくなる。
その、小さいけれど確かな
手ごたえを感じることは、心を
愉しくしてくれる。

とかく目標や成果ばかりに追われがちな毎日。
たまには、まだ見えない目的地に目を凝らすのを
やめて、足元の一歩一歩を見つめてみる。
楽器を練習することは、今を楽しむことなの
かもしれない。

そんな時間を
おうちで楽しんでみませんか。

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田中真輝 20年5月17日放送



STAY HOME

ずっと家にいるからこそ
あえてやってみたいこと。

それは同窓会。

ネットを使ったリモート飲み会なら、
日本はもとより世界中に散らばった
仲間とでも一同に会することができる。

なかなか会えない旧友とも
むしろこういうときだからこそ
一緒に飲みやすくなっているのでは
ないだろうか。

もちろん、リアルで会って話す情報量には
パソコン画面の解像度ははるかに及ばない。
でも、どんなに離れていても、顔を見た瞬間に
通じ合う気持ちは、データ量の限界を軽々と
超える。

そんな会話を
おうちで楽しんでみませんか。

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田中真輝 20年5月17日放送



STAY HOME

ずっと家にいるからこそ
あえてやってみたいこと。

それは、なにもしないこと。

家にいなければいけないから、
何か少しでも有意義なことをしないと。
そんな気負いを忘れてみるのも
いいかもしれない。

あえて何もせず、
ぼうっと窓の外を眺めてみる。
やがて心はとりとめもなく漂いだす。
脳裏に浮かぶ景色の中を散策すると、
何が見えてくるだろう。

そんな贅沢を
おうちで楽しんでみませんか。

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