作家を育てるということ
4月19日、今日は飼育の日。
1958年、大江健三郎が若干23歳で
芥川賞を受賞した小説「飼育」。
とある村の少年が世話をしていたのは、
墜落した飛行機に乗っていたアメリカの黒人兵だった。
戦時中の敵国。人種も違えば、文化も、年齢も違う。
何もかもが異なる人間を飼育するという異常な体験は、
主人公である少年の心を強く揺さぶる。
芥川賞の選考委員の一人で
新人を育てる名人でもあった川端康成は、
過去の受賞作家で最も芥川に似通っているとして
大江氏の名を芥川賞に加えたい
とまで語った。
2人は後に、
日本でただ2人のノーベル賞作家となり
「美しい日本の私」
「あいまいな日本の私」
と、まったく異なる
スピーチをすることになる…